2013年 アルペン種目

張貼日期:Feb 02, 2013 2:11:24 AM

子どもの頃には毎年2、3メータの雪が積もるのが普通だった。家の2階から出入りすることも多かった。

その冬季に「スキー大会」と称する中学校での行事があった。近年は「雪上運動会」と銘打って、生徒だけではなく、地域の全員の催しとなっているようであるが。

自己流のスキーすべりは嫌いではなかった。学校から帰るといつも山に出かけ、新雪の上をスキーで横歩きの形で踏み固めつつ斜面を登り、そこに出来上がった一本の道を一目散に下へと滑り降りるのである。滑った跡はあたかも枕木に敷いた線路のような模様になる。その1回だけの滑降で1日の工程が終了するのであった。

そのように自分勝手に滑るのはいいのだが、競技となるとそのすべてが極端に嫌だった。「スキー大会」の競技種目には、滑降、回転、大回転、そして、いわゆるノルディック種目があった。大回転は上級生だけのものであった(と思う)。

特に苦手だった大回転の折に卑怯な策を講じたことがある。ほとんどの者がスピードを緩めずに滑り降りてきて、勢い余ってカーブで転倒し、下へとずり落ちていって失格となる大回転。そこで私は失敗してずり落ちないように、カーブ毎にスピードを緩め、お尻を着いて、そのままの姿勢でスキーを回して立ち上がり、おもむろに順々と降りようと考えたのである。

回転競技は、滑りの姿勢などはまったく問題にされず、スピードだけを競うものなので、結果、私は参加者全員の中で2位のスピードでゴールに入り、2等賞の表彰を受けた。

スキー競技で表彰されたのはそれがまったくの初めてであったので、少し得意になった。しかし、時間が経つにつれ、後ろめたい気持ちが心の中にじわりじわりと湧いてきたのであった。

回顧すれば、私は人生において、そのような要領の良い行動を繰り返してきたようにも思われる。その点、少しばかりの自責の念に駆られているのである。

2013.2.1