2004年 晩秋

張貼日期:Mar 05, 2011 4:50:16 AM

ふるさと富山・五箇山の「上平村」は、2004年11月1日をもって、周辺8町村と合併し、「南砺市」を構成、村は消滅した。

以下は、住民の方々へのメッセージ(のつもり)である。

現代のコミュニケーション技術の革新に伴って、文化的現象が地球規模で広がるようになってきました。それは、グローバル(地球的)なレベルにおいても、また、特定の地域社会のレベルにおいても同時進行的に起こります。

いわゆるグローバリズムは世界を均質化する、地方主義に対峙するものである、という思潮に対して、最近、そうではなくてグローバリズムこそは地方主義を強化するものである、という主張がなされ始めています。私もそう思います。国や県の領域をとびこえる形で地域のさまざまな情報が地球規模で普及するようになってきています。国家的アイデンティティに対立するものとして、地域に重点が置かれる傾向が出てきているのです。

また、地球上のさまざまな地域にある市場で商品を直接に販売できるような状況も生まれています。現代のグローバル社会で求められる価値は、まさに特異性なのです。現代における現象は特異主義の普遍化であるとともに、特定のアイデンティティを地球規模に広める動きを促進する流れとも捉えられます。

そのようなネットワークを利用すべきです。ことばを含めた五箇山の伝統文化を世界に直接に発信すべきだと思うのです。南砺市の一部分に甘んじることなく、今こそ地域独自のアイデンティティを発揮する時がきたのではないでしょうか。

2004.11.1