2019年 夕焼け

張貼日期:Sep 30, 2019 12:18:15 AM

書斎の窓からの向い側に、荒川区の施設である「夕やけこやけふれあい館」が見える。

この施設は、さまざまな世代の区民が交流し、自主的な活動ができるようにと、地域コミュニティの場として設置されたものという。私自身もマンションの会合などで時折この施設の会議室を使わせてもらっている。

この施設名称における「夕やけこやけ」は、中村雨紅が作詞した童謡「夕焼け小焼け」に基づくものである。

夕焼け小焼けで日が暮れて 山のお寺の鐘がなる おててつないでみなかえろ からすといっしょにかえりましょ 子供がかえったあとからは まるい大きなお月さま 小鳥が夢を見るころは 空にはきらきら金の星

日暮里駅からの繊維街を越えたところに第二日暮里小学校がある。その小学校への入り口の右横側には、この童謡の歌詞を記した「記念碑」が建っている。

雨紅は、1916年に第二日暮里小学校の教師となり、1918年に近くの第三日暮里小学校に転勤し、そこでこの歌を作詞した由である。第三日暮里小学校の横庭には「記念塔」が建てられている。この歌詞には雨紅が帰路で目にした夕焼けの情景が歌い込まれているのである。

かつて、戦前の日本による委任統治領であったパラオ共和国のパラオ・コミュニティ・カレッジでの研究集会に出かけた折のこと、その会の終了後の歓迎宴で、現地の高齢女性たちによるMusical performances of Japanese-Palauan songsが催されたのであった。その演目のなかに、この「夕焼け小焼け」があったことが思い出されてきた。

(2019.10.1)