2018年 周期

張貼日期:Feb 25, 2018 12:33:10 AM

さまざまな話題で賑わったピョンチャン冬季オリンピックも今日で幕を閉じる。

オリンピックにかかわって、最近読んだ、池内紀さんの『すごいトシヨリBOOK―トシをとると楽しみがふえる』(毎日新聞出版)の一節が思い出される。この本の内容には共感するところが多く、また、人生を生きていく上での様々なヒントをいただいたのであった。

その一節、「日常を再生する」(第8章)での、「老年オリンピック」と題する冒頭部分を掲げる。

リタイアした後、長い人生に恵まれれば恵まれるほど、非常に単調な日常が続きます。どうしても、だんだん大儀になって億劫になって怠慢になって、感性や興味が眠りかける、そういう状態が始まります。惰性になりがちな日常を再生するために、自分に対して、新しいものをいろいろ仕掛けてみるのが大切なんじゃないかと僕は思います。

(中略)僕なりの結論は、4年ぐらいを単位に、何かを始めてみることでした。医学的に見ても、人間の細胞は4年ごとに生まれて死んで、常に細胞が再生しています。老いと共に再生の鮮度は鈍りますが、4年ぐらいすると全身が一巡して、4年前の細胞がなくなって、新しい人間が誕生している。

オリンピックが4年というのは、どうして決まったのか知らないけれど、あれは人間の一つの周期です。旧が新になる過程、あるいは新が旧になる過程が、ちょうど4年単位ぐらい、だから、4年をメドとして、自分に仕掛けをする。何かを自分に試してみる。そういう技、小さなマジックを仕掛けてみたらどうだろうかというのが、自分に課したことでした。

私も、(昨日でまた一つ歳を重ねたが、)4年くらいを単位としての新しい何かを始めてみよう、と心に期したことである。

2018.2.25