2017年 六本木

張貼日期:Jul 01, 2017 1:24:35 AM

六本木ヒルズに出かけてきた。寓居からは、地下鉄日比谷線(三ノ輪駅)で電車に乗り、ちょうど1時間の距離にある。

「六本木」というと、桂文枝のかつての創作落語「大阪レジスタンス」の1節が頭をよぎる。

「東京の地名は綺麗ですなあ、赤坂、青山、六本木。それにくらべ大阪はドブイケ(丼池)、バンバチョー(馬場町)、ケマノコーモン(毛馬の閘門)、なんと泥臭い…。」

それはさておき、このたびは六本木ヒルズの中の森アーツセンターギャラリーで開催されていた「大エルミタージュ美術館展」を見学することが目的であった。

エルミタージュ美術館はサンクトペテルブルグにあるロシアの国立美術館である。かつての帝政ロシアの歴代皇帝が威信をかけて集めた美術品が収蔵されている。ちなみに、エルミタージュとは、フランス語のHermitageで、「世捨て人の部屋」といった意味だそうである。

その昔、今は亡き義母がロシア訪問から帰国した折に、エルミタージュ美術館の素晴らしさを語っていたことを思い出す。レニングラードの、と言っていたから、サンクトペテルブルグがまだレニングラードと称されていた頃のことである。サンクトペテルブルグがレニングラードと称されていたのは、ソビエト連邦時代の(忌わしい全体主義の時代を含む)1924~91年であるから、義母が訪れたのはその期間の終焉の頃だったことになる。

このたびの「大エルミタージュ美術館展」では、「オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」と題して、16世紀ルネサンスから17・18世紀のバロック・ロココ様式を追求したオールドマスターたちの名画85点が展示されていた。いずれも優雅な画材で、情動的な人物描写には迫ってくるものがあった。また、風景描写における繊細で緻密な写生にも圧倒されるところがあった。

2017.7.1