2007年 初秋

張貼日期:Mar 05, 2011 5:50:29 AM

岩波書店ジュニア新書編集部の森光実さんから、「植村牧場」を紹介してもらったのは昨年の晩秋のころであった。奈良に住み、コスモスの花の季には般若寺を訪れていながら、またその近くに牧場があることを知りながら、その詳しい内容を知らずにいたことが恥ずかしく思われる。

「植村牧場」は、般若寺の北門の向かい側にある、創業が明治17年という奈良では一番古い歴史を持つ牧場である。広さは約1,500坪、乳牛35頭のこの小さな牧場で、知的ハンディのある青年たちが、4代目牧場主の黒瀬礼子さんを“ねえちゃん”と慕いながら、手作業で昔ながらの牛乳づくりを大切にしてきた。この牧場の日常が「小さな町の牧童たち」という記録映画になっている。

ここでの取れたての牛乳は、地元はもちろん、遠い地方の贔屓たちから大変に喜ばれているのだという。私は、残念ながら、体質的に牛乳を(多くは)受け付けないので、ソフトクリームを食してみただけなのであるが、その甘さを抑えた、そしてコクのある味わいには心が動いた。

牧場内にカフェレストラン「いちづ」がある。「いちづ」の名付けは映画監督の河瀬直美さんによる由。クリームコロッケ、グラタンライス、ステーキどんぶりなどのレギュラーメニューと特製アイスクリームやパフェなど新鮮な牛乳を使ったデザートも充実している(これは宣伝)。

2007.9.7