2015年 熱海

張貼日期:Mar 01, 2015 6:44:11 AM

中学時代の修学旅行は3年生の春、1960(昭和35)年の5月のことであった。

首都圏とその周辺の諸処を訪れた。なかでも印象に残っているのは、熱海の旅館での宿泊と東京タワーの見学である。

熱海の旅館では、廊下に備え付けてあったテレビから横綱栃錦の引退のニュースが流れていたことをはっきりと憶えている。東京タワーは1958年12月に完工式が挙行された由であるので、その1年半後に訪れたことになる。タワー内の売場での女性店員たちの会話が忘れられない。「今夜デートなのよ」といった言い回しであったが、「デート」という新鮮なことばが思春期の心には強烈に響いたのであった。

ところで、熱海のその旅館の名前が思い出せないでいたのだが、先般、旧友と久しぶりに大阪・中之島で飲んだ折に、そのことを話してみたところ、「それは和光荘だよ」と瞬時に答えが返ってきた。彼の記憶の鮮明さには驚いたのであった。

早速に調べてみたのだが、現在、熱海に「和光荘」というホテルは存在していないようである。ところが、インターネットを繰っていて、偶然に「曙光会」という団体の記事の中に「昭和50年総会 熱海温泉和光荘」とあるのを見つけた。確かに熱海には「和光荘」という旅館があったのだ。(ちなみに、「曙光会」とは、フィリピン戦従軍者と戦没者遺族を中心とした人々の集まりで、戦争体験の記録と日比友好親善を目標としている団体とのこと。)

今月の14日(北陸新幹線開業日)に、その熱海温泉で同級会を催すことになっている。総勢24名のうち、17名が出席との連絡が入った。みんな69歳になっているわけで、この年齢にしては参加率が高い方だろう。

今度のホテルの名前は「金城館」、この名前は忘れないでおこう。

2015.3.1