2010年 かなかな

張貼日期:Mar 05, 2011 6:15:33 AM

テレビのニュース番組でのインタビュー場面で、その回答者たちが多用する「かな」という表現が気になってならない。

昨年の夏頃からその都度メモを取っている。いくつか掲げよう。

    • 3人乗りの自転車に対する期待は大きいかなと思います。(大阪市、自転車店店長、50代、男性)2009.7.1

    • 頑張って、また来場所に向けたいかなと思います。(大相撲の安美錦)2009.7.26

    • この町に生まれてよかったかなと思います。(越前市、たんす店店長、30代、男性)2009.8.15

    • (選挙での当選者に)頑張ってほしいかなと思っています。(長崎市、30代、男性)2009.8.31

  • (日本相撲協会の理事選挙の投票で貴乃花を支持したことを詫びて)協会を退こうかなと思っております。(安治川親方)2010.2.3

いずれも「~と思う」という文の中で現れ、自分の意見や意志を述べる部分なのだが、ここでの「かな」が余剰に感じられるのである。

このような「かな」の多用は、断定的な表現を回避しようとする現代人の心理の投影であろう。私の観察では、日常会話において断定の形式「だ」の運用自体が近年減ってきていることを捉えているのだが、インタビュー場面でも、次のように、「だ」を使うべき部分を「か」で代用する例が特に目立つようになってきた。

    • (現役最後のプレーのあとで)この終わり方は残念なあと思う。(テニスの杉山愛さん)2009.9.28

    • イノシシが轢かれたのはかわいそうなと思う。(神戸市、30代、主婦)2009.12.16

  • (ディスコの再興に関して)歌って踊ることが大事なあと思っております。(東京都、50代、男性)2010.1.31

2010.9.1