2016年 「ホントニ」

張貼日期:Aug 31, 2016 10:54:11 AM

リオ五輪が幕を閉じた。

日本のメダル獲得数は史上最多の41個。アメリカ、イギリス、中国、ロシア、ドイツ、フランスに次いで7位に入った。日本オリンピック委員会は、4年後の東京五輪では金メダル獲得数で世界第3位を目指すという。

ともかく選手たちは頑張った。競技が終わったあとの選手へのインタビューを聞いていて、互いの表現に気になるところがあった。それは、「ホントニ」ということばの使用頻度が極端に高いという点である。意識しだすと、なおさらに気になるといった循環に陥ってしまった。

インタビュアー:ホントニ、頑張りが伝わってきましたね。

選手:やー、頑張りました。でもホント苦しかったです。何も考えずにいようと思ったんですが。ホントニ。

インタビュアー:ご両親も応援してくれていましたね。

選手:やっぱり、ホントニ負けられないと思って、ホントニ。ありがたいです。

インタビュアー:おめでとうございました、ホントニ。

といった調子である。競技終了直後なので息せき切っての話しぶりになっている状況は分からないでもないのだが、ともかく多用される。文頭、文章と文章の間、そして文末のいずれにも使われるのである。その用法は微妙に異なるとはいえ、1文の中に1度は必ず現れるといっても過言でない。

ちなみに、この「ホントニ」の意味を英語に訳すとすれば、強意語として使われる副詞のreal、very、rattlingや、あいづちとしての“really”などに対応するであろう。しかし、上に見た「ホントニ」の運用の一部は、最近の英語圏の若者が会話において連呼する、特に念を押すために文に付加する“you know”の運用ともどこか似ているな、と思ったことである。

2016.9.1