2012年 June

張貼日期:May 31, 2012 1:45:33 PM

尾張まで出かけてきた。

愛知県立大学国文学会での講演を依頼されての出張であった。名古屋駅から地下鉄東山線で藤が丘まで行き、そこでリニモ(東部丘陵線)に乗り換え、愛・地球博記念公園駅を降りたところに大学はあった。

東山線沿線は懐かしいところ。椙山女学園大学に勤めた関係で、沿線の星ケ丘に住まいしたのは1974年度のことであった。もう38年も前になる。当時、愛知工業大学の非常勤もしていたので、リニモ終点の八草駅周辺に土地勘はあるのだが、あたりの現代的な変貌には目を見張るものがあった。

ところで、愛・地球博には行っていない。そういえば、大阪の花博にも通勤で付近を通りながらも行かなかった。

思い出は仙台での学生時代にさかのぼる。1970年の大阪万国博覧会の折、下宿屋のおじさんとおばさんに万博行きを誘われたのであった。しかし、私はあまりにも世間が大騒ぎをしていることが気にくわなくて、結局その誘いには応じなかったのである。

恥ずかしながら、実は、京都の三大祭りである葵祭、祇園祭、時代祭のいずれも参観したことがない。大阪天満宮の天神祭しかりである。

まわりが浮かれ騒いでいると、逆に殻に閉じこもって、静かにひそやかに自分だけのことをしていたくなる、生来の臍曲がりなのだ。そんなときには実は仕事の能率があがる。そのくせ、まわりが緊張でぴりぴりしているようなときには、開き直りの心境で活動が快活になる。特定のタスクにおいても、ほかの人が忙しさにかまけてまだ手も着けずにいる段階でさっさと仕上げてしまい、人が焦りはじめた頃には悠然と構えている、といった何とも嫌らしき性癖。

かくのごとき振る舞いを総括すれば、それはひとえに小心者ゆえの行動、ということに尽きるのである。

2012.6.1