張貼日期:Feb 16, 2016 1:12:59 PM
あと少しで、2年間にわたった奈良大学での役職(文学部長・大学院文学研究科長)を解かれる。やっとフリーの身になることができる。
ふるさとの五箇山を離れて生活するようになったのは1961(昭和36)年のこと。高校生として富山県の砺波市で3年間、大学生として石川県の金沢市で4年間の計7年間を過ごした。
宮城県の仙台市で大学院生時代の4年間と大学助手時代の2年間、そして愛知県の名古屋市で大学講師時代の1年間、計7年間を過ごした。
埼玉県の川口市と東京都の東久留米市で生活した国立国語研究所の研究員時代は7年間であった。
その後、奈良市に移り、大阪大学で27年間、奈良大学で7年間を勤めあげた。
なぜか、「7」という数字がつきまとっている。
そして、いつのまにか、もうすぐ70歳。
「七十而従心所欲、不踰矩」という有名なことばを心の中で反芻するのである。2,500年も前に生きた一人の男が70歳にして到達したとする境地とされる。しかし、その意味するところが、「歳をとると欲望のレベルが低下し、結果として無理をしなくなる」などといったことであるなら(そんなことではないのだろうが)、孔子の考え方に与したくはない。
いずれにしても、欲するところに従って自由気ままに日々を過ごすことができるようになる。そのことが心底うれしいのである。
2016.2.14
追記:このたび、このブログで連載してきたものを集成したエッセイ集、『変わりゆく時見るごとに:私のライフステージ』(桂書房、富山市)を出版しました。手に取っていただければ幸甚です。