張貼日期:Dec 01, 2016 11:31:50 AM
東京の「日の暮れる里」、日暮里に住いを定めた。
日暮里の語源は「新堀(にいぼり)」のようである。ここはかつて江戸の場末の農村だった。それが、後に、花見寺、月見寺、雪見寺といった四季に応じた名の寺社ができ、上野の森のつづきであることもあり、散策するにはおあつらえ向きのところとして観光の名所となった。「日の暮れるのも忘れて遊ぶところ」ということで、享保の頃(徳川吉宗の時代)より「日暮里」の字が当てられるようになった由である(森まゆみ『東京ひがし案内』による)。
近くに、“昭和”を感じさせる懐かしい街並みでグルメ探訪スポットとして人気のエリア、谷中銀座商店街がある。そこに下る坂道(階段)は「夕やけだんだん」と呼ばれている。そこから商店街の入り口のアーチ門が見え、その門の看板には「ひぐらしの里 谷中ぎんざ」とある。「ひぐらしの里」とは、一日中そこで過ごしていても飽きないような場所、といった意味での命名だとのことである。
そのレトロな街並みは、どこか台湾の九份の街を彷彿とさせるところがある。
ところで、「ひぐらしの里」の「ひぐらし」は日暮里の「日暮」にちなんだものであるが、私にとっては、“日暮れて道遠し”といった今の仕事環境からして、「ひぐらし」よりも「ひぐれ」、すなわち「日暮れの里」と呼ぶ方がぴったりするなあ、と思ったことである。
今年の年末は上野の「アメ横」まで歩いていけそうだ。
2016.12.1