2004年 夏

張貼日期:Mar 05, 2011 4:48:1 AM

「種」は、草木の発芽のもとになるものである。果実の核を表す。また、動物の発生するもととなるものである。精子のことをタネと表現する方言がある。

「種」はまたサネとも言った。サネは本来、物事の中心、本質となるもの、真実なるものを表した。歴史上の人物、「実朝」(さねとも)」などの「実(さね)」であり、「真盛(さねもり)」「道真(みちざね)」などの「真(さね)」である。

このサネの<サ>は接頭語である。サネは、おそらく<サ>+なえ(苗)に由来するものであろう。「さつき(五月)」「さみだれ(五月雨)」「さおとめ(早乙女)」、そして「さのぼり(田植終わりの祝宴)」などの<サ>と同じものである。いわゆる梅雨のことを富山県の東部方言では「サズイ」というが、これも<サ>+つゆ(梅雨)であろう。

「種」が「真」に通じるとすると、私の姓である「真田」の語源は「種田」、すなわち、稲の種もみをまく、いわゆる苗代田に由来することになる。そう、私の姓は種田山頭火の種田と同じであったのだ。

なお、「真田」がサネダではなくサナダになるのは、カネ(金)が複合してカナモノ(金物)となり、サケ(酒)が複合してサカダル(酒樽)、アメ(雨)が複合してアマガサ(雨傘)、などとなるのと同じパターンで説明できる。

2004.6.1