2016年 真田丸

張貼日期:Feb 01, 2016 1:3:36 PM

NHKの大河ドラマ「真田丸」が始まった。その話題をめぐっての報道や記事がメディアで喧しい。

ドラマの主人公は真田信繋、いわゆる真田幸村である。「真田丸」とは、1614年の大坂冬の陣で、信繁が大坂城の平野口に築いたとされる曲輪の名に由来するとのこと。

これで、私の姓名も、いまや一般に理解されるようになったかな、と思う。

かつて、電話で「真田」と名乗っても、「ハナダ?」「ハラダ?」などと尋ねられることが多かった。「サナダ・ユキムラ(幸村)のサナダ」と名乗っても、若い人には通じなくて、「サナダ・ヒロユキ(広之)のサナダ」と言って、やっと理解してもらえることもあった。

病院で、「シンダ(真田)さーん」と呼ばれて、「マダ(真田)、死んでないぞー」と、ひとりで嫌みを口ずさんだことが思い出される。

さて、「さなだ」の語源について。

和語の「さ」ということばは「早い時期の、若々しい」といった意味を表す。それは、「さなえ(早苗)」「さおとめ(早乙女)」「さつき(五月)」「さみだれ(五月雨)」などの「さ」である。種子の「種」のことをサネとも言うが、これは本来、物事の中心、本質となるピュアーなもの、「実」と「真」、すなわち「真実」なるものを表した。歴史上の人物、「実朝」(さねとも)」などの「実(サネ)」であり、「真盛(さねもり)」「道真(みちざね)」などの「真(サネ)」である。

「種」が「真」に通じるとすると、「真田」の語源は「種の田」、すなわち、稲の種もみをまく、いわゆる苗代田に由来することになる。そう、この姓は、放浪の俳人、種田山頭火などの「種田」と同類なのだ。

なお、「真田」がサネダではなくサナダになるのは、カネ(金)が複合してカナモノ(金物)となり、アメ(雨)が複合してアマダレ(雨垂れ)、サケ(酒)が複合してサカダル(酒樽)などとなるのと同じパターンで説明できる。

2016.2.1