張貼日期:Dec 31, 2013 3:1:36 PM
昨年の11月15日、女性で初めての駐日大使となったキャロライン・ケネディさんが着任した。彼女は1963年に暗殺されたジョン・F・ケネディの愛娘。当時まだ5歳だった。
私は当時、高校3年生。
あの日、11月23日(現地時間の22日)は「勤労感謝の日」で休日だったので、久しぶりに実家に帰省していた。早朝にNHKが人工衛星を使った日米リレー中継の初の実験放送をするということで、未明からテレビにかじりついていたのだった。ケネディ大統領のスピーチがある、ということもあって待っていたのだが、予定時間を過ぎても、ずっと砂漠の風景が流れるばかり。少しのざわつきのあと、3時間ぐらいが経過して、突然に大統領暗殺のニュースが流れたのであった。「テスト電波で、このような悲しいニュースをお送りしなければならないのはまことに残念に思います」云々と。
その過程や瞬間が私の脳裏に刻み込まれている。
昼頃になって、自転車を修理するために戸外へ出かけたのだが、その道々で、大変なことが起こったものだ、と大人たちが語り合っていた。
50年も前のことである。
父が新しがり屋だったせいで、テレビの設置は、私の家が村のなかで一番乗りであった。それは小学生の頃である。歌番組の折や相撲の中継時には、十数人の村人が家に押しかけてきた。そのために家族で落ち着いて夕食を取れない日があって閉口したものである。
あるとき、テレビの真ん前に陣取って相撲の取り組みを眺めていた二人の老婆が、力士が塩を撒いているのを見て、「こんなにたくさんの塩をテレビのなかに入れておくのは大変だね」などと話し合っていたことが、ほほえましくも思い出される。
2014.1.1