アクセス 2010年7月30日(金)夜行バス~31日(土)剣山荘へ
室堂へのアクセスは色々ありますが、翌日からはハードな行程でもありしっかり睡眠をとるため3列シートの東京駅22:40発「JRバス ドリーム金沢号」を利用し富山駅へ6時着。しばらく時間があったので弁当を購入して、富山地方鉄道、ケーブルカー、高原バスを乗り継いで9時頃到着しました。
久々の室堂です、曇り時々小雨の空模様でしたが観光客でそこそこ賑わっていました。地獄谷コースで復路の宿雷鳥沢ヒュッテに荷物をデポし、いよいよ山行の開始です。
この日は宿に向かうだけなので、剣沢小屋経由でゆっくり高山植物を楽しみながら進みます。チングルマ、ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、ウサギギク、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、コイワカガミ、イワギキョウ、クルマユリ、ダイモンジソウetc見事でした。
剣山荘では上段と下段で4人利用の8人部屋を割当てられました。改装したばかりで綺麗で温水シャワーもありなかなか快適でした。
○8月1日(日) 曇り時々(一瞬)晴れ間
剣山荘(04:00発)→一服剱(04:35朝食04:50)→前剱(05:55) →剱岳(07:55休憩08:35)→一服剱(11:20昼食)→剣山荘(12:10休憩12:50)→剣御前小舎(15:20)→雷鳥沢ヒュッテ(17:45)
3時過ぎから出発しているパーティーもあったようですが我々は4時ヘッドランプを付けて朝食予定地一服剱をまず目指します。途中、双耳峰の鹿島槍が見えてきて、日の出も見ることができ今日の天気はまずまずと安心します
しだいに急登になり、稜線に出て岩場を登りつめると一服剣のピークに着きました、せまい頂上で朝食をとります。次に控える前剱への稜線がよく見渡せるはずですがガスがかかってきました、あまり下が見えないほうがイイという配慮でしょうか・・ここから一旦下って武蔵のコルを越し、岩礫の急坂を登っていくと頭上に大きな岩が見えてきて前剣に程なく着きました。
前剱からは、初め剱沢側を通過し、すぐに稜線を乗り越えて、急な岩場の下りとなります、鞍部に鉄製の橋が見えそれを渡ると岩壁に鎖 がつけられているトラバースが見えてきます。
トラバースの後、堕ちるとサヨウナラという鎖場がいよいよ連続します、運よくガスっているのであまり緊張感はなく通り過ぎます。
前剱の門での下りからはしばらくは安定した稜線を歩くことができ途中雪渓を通過し、平蔵の頭、平蔵のコルと予想された渋滞もなく順調に進みます。どちらかと7人のパーティーでもあり渋滞を発生させている方であり追いついてきたパーティーに先を譲りのんびり進みます。
鎖場は年々補強されているようです、鉄杭も充実しており登りに苦労することはありませんでした。
登りの最後の難関カニのタテバイには7時頃到着しました。最初の足場が少し高い位置にあるので、脚を大きく伸ばして鎖をたぐり寄せて体を引き上げます。岩壁に打たれた鉄杭に足をかけ、岩のホールドと鎖を頼りに登っていきます。
剱沢側のなだからなガレ場を登っていくと、間もなく早月尾根からの登山道と合流します。うまい具合にこの時から天気が回復しブロッケン現象も楽しめました。あとは、ごつごつした岩の上を登っていくと剱岳山頂に到達しました。祠の前で記念撮影をします、山頂には数枚の山名プレートがありましたが、2998mと2999mの両方がありました、後で色々なHPを見ると祠は最近作りかえられたようです。
ガスがとれてきて、八ッ峰、立山その奥に槍、穂高を確認することができました。「あそこに富士山!」という声もあがっていましたが笠ヶ岳が見えました。そこから右はガスが切れず黒部五郎は見えませんでしたが、また切れ間から薬師岳が見えました。
パーティーの1人が低酸素症(高山病)にかかり少しペースダウンし、ここから先は危ないようなところはないので休みを多くとり小屋を目指しました。(写真は復活後、出発時の様子)
12:50宿を出発しました、往路では剣沢小屋を通るルートでしたが、復路は剣御前の稜線(雪渓)をトラバースして剣御前小舎を目指しました。
12時10分到着すると、宿の人の親切な対応と「低酸素濃縮製造機」で回復させてもらいました。健常な人の動脈血の酸素分圧は88mmHg前後らしいですがこの水準を随分下回っていたようです。
この先、雷鳥沢ヒュッテまでは最後の石段を除き下りでかなり標高も下げますし何とかなるのでは希望を持てました。途中下りでは、雷鳥の親子(雛5匹)に出会い雪渓を背景にイイ写真を撮れました
雷鳥沢ヒュッテには17:45着、風呂に入って剱登山を祝して乾杯です。温泉もあり交渉すると浴衣もサービスしてくれなかなかイイところでした。
2日(月) 快晴 アルペンルート→信濃大町→松本→あずさ→帰京
ゆっくり朝食をとった後は室堂まで登りです。疲れた体に日差しが強く堪えます、しかし、立山の尾根が屏風のように綺麗に聳え日差しに輝き荘厳です。みくりが池温泉では、暑さ対策のため体内から冷やした方がイイかとソフトクリームを食べながら進みます。室堂では林間学校なのでしょうかお揃いの黄色の帽子をかぶった小学生が多数いました。
いつもながら割高に感じるアルペンルートを展望を楽しみながら扇沢に向かいました。(黒部ダム 遠くに赤石 記念写真)
打上げも兼ねて松本駅でお薦めの蕎麦屋こばやしで、馬刺、天麩羅、蕎麦で締めました。
天気にもまずまず恵まれ、山頂からの展望もうまい具合に楽しめ、復路ハプニングもありましたが無事に戻れ、皆さん満足のいく山行だったかなあ・・・と思っています。
<山行記録 全文>
今年の夏の山岳部山行は、総勢7名で昨年映画「劔岳 点の記」でも話題になった剱岳へ別山尾根ルートで遠征しました。
○アクセス 2010年7月30日(金)~31日(土) 室堂09:15→剣山荘14:15
室堂へのアクセスは色々ありますが、翌日からはハードな行程でもありしっかり睡眠をとるため3列シートの東京駅22:40発「JRバス ドリーム金沢号」を利用し富山駅へ6時着。しばらく時間があったので弁当を購入して、富山地方鉄道、ケーブルカー、高原バスを乗り継いで9時頃到着しました。
久々の室堂です、曇り時々小雨の空模様でしたが観光客でそこそこ賑わっていました。地獄谷コースで復路の宿雷鳥沢ヒュッテに荷物をデポし、いよいよ山行の開始です。剣御前小屋へ12:40着と順調に行程を消化します。この日は宿に向かうだけなので、剣沢小屋経由でゆっくり高山植物を楽しみながら進みます。チングルマ、ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、ウサギギク、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、コイワカガミ、イワギキョウ、クルマユリ、ダイモンジソウetc見事でした。しかし、対照的にすれ違ったパーティーは剣沢に2泊したが天候が悪くアタックできなかったと暗い表情、山に運不運はつきもののようです。
剣沢小屋より剣山荘へ向かう途中、剱沢雪渓の上部を横切りますが一瞬ガスが切れて一服剱から前剱への稜線が見えました、ちょうど下りてきているパーティーもいました。剣山荘では上段と下段で4人利用の8人部屋を割当てられました。改装したばかりで綺麗で温水シャワーもありなかなか快適でした。
○8月1日(日) 曇り時々(一瞬)晴れ間
剣山荘(04:00発)→一服剱(04:35朝食04:50)→前剱(05:55) →剱岳(07:55休憩08:35)→一服剱(11:20昼食)→剣山荘(12:10休憩12:50)→剣御前小舎(15:20)→雷鳥沢ヒュッテ(17:45)
3時過ぎから出発しているパーティーもあったようですが我々は4時ヘッドランプを付けて朝食予定地一服剱をまず目指します。途中、双耳峰の鹿島槍が見えてきて、日の出も見ることができ今日の天気はまずまずと安心します。しだいに急登になり、稜線に出て岩場を登りつめると一服剣のピークに着きました、せまい頂上で朝食をとります。次に控える前剱への稜線がよく見渡せるはずですがガスがかかってきました、あまり下が見えないほうがイイという配慮でしょうか・・ここから一旦下って武蔵のコルを越し、岩礫の急坂を登っていくと頭上に大きな岩が見えてきて前剣に程なく着きました。
前剱からは、初め剱沢側を通過し、すぐに稜線を乗り越えて、急な岩場の下りとなります、鞍部に鉄製の橋が見えそれを渡ると岩壁に鎖がつけられているトラバースが見えてきます。20代の男性のパーティーが天気が崩れそうなので引き返してきます、こういう勇気も時には必要なのでしょう、しかし我々は進みます、トラバースの後、堕ちるとサヨウナラという鎖場がいよいよ連続します、運よくガスっているのであまり緊張感はなく通り過ぎます。
前剱の門での下りからはしばらくは安定した稜線を歩くことができ途中雪渓を通過し、平蔵の頭、平蔵のコルと予想された渋滞もなく順調に進みます。どちらかと7人のパーティーでもあり渋滞を発生させている方であり追いついてきたパーティーに先を譲りのんびり進みます。鎖場は年々補強されているようです、鉄杭も充実しており登りに苦労することはありませんでした。
登りの最後の難関カニのタテバイには7時頃到着しました。最初の足場が少し高い位置にあるので、脚を大きく伸ばして鎖をたぐり寄せて体を引き上げます。岩壁に打たれた鉄杭に足をかけ、岩のホールドと鎖を頼りに登っていきます。右に少しトラバースしてからは、ほぼ垂直に登っていきます。案外、足場や手がかりが多く、傾斜の割には楽に登れます。最後は、右にトラバースして、浅いルンゼの中を登っていき後続の写真を撮ります、登りながら片手で前後を撮る余裕はありませんでした。
カニのタテバイを通過した後は、左側にある尾根に登っていくと、下降ルートのカニのヨコバイとの分岐に出てきます。剱沢側のなだからなガレ場を登っていくと、間もなく早月尾根からの登山道と合流します。うまい具合にこの時から天気が回復しブロッケン現象も楽しめました。あとは、ごつごつした岩の上を登っていくと剱岳山頂に到達しました。祠の前で記念撮影をします、山頂には数枚の山名プレートがありましたが、2998mと2999mの両方がありました、後で色々なHPを見ると祠は最近作りかえられたようです。
ガスがとれてきて、八ッ峰、立山その奥に槍、穂高を確認することができました。「あそこに富士山!」という声もあがっていましたが笠ヶ岳が見えました。そこから右はガスが切れず黒部五郎は見えませんでしたが、また切れ間から薬師岳が見えました。
ゆっくり展望を楽しみ下山にかかります。先ほどのカニのヨコバイの分岐点までは、登ってきた道を下って行きます。また、うまい具合にこの時からガスがかかってきます。登りの人も多く渋滞しているので少し間合いを取りながら進みます。カニのヨコバイの入口が見え10mほど下ると核心部に入っていきます。トラバースに入る前の最初に降り立つ足場が遠く見えにくいと言われていましたが先行のアドバイスもあり難なくトラバースを開始します。横に延びている足場は比較的安定しているので、鎖を頼りに5mほどのトラバースを通過し、その後は鉄杭に足をかけて5mほど下ると、カニのヨコバイも終わりです。
続いて、15mほどの垂直はしごがありこれを下りていきます。さらに、鎖のあるルンゼ状の下りが20mほど続きます。平蔵のコルに降り立ちと、避難小屋の上にトイレがありました。
小休止し前剱を目指します、晴れ渡っていればもう少し先の行程のイメージが沸きますがガスが濃く視界は50m前方がやっとです。登りと下りが共有の箇所もあれば、それぞれ専用のルートとよく混み合わないよう整備されているなあと感心しました。このあたりでパーティーの1人が低酸素症(高山病)にかかり少しペースダウンします。ここから先は危ないようなところはないので休みを多くとり小屋を目指しました。一服剱で昼食をとってしばらく進むとガスの切れ間から剣山荘が見えました。12時10分到着すると、宿の人の親切な対応と「低酸素濃縮製造機」で回復させてもらいました。健常な人の動脈血の酸素分圧は88mmHg前後らしいですがこの水準を随分下回っていたようです。
12:50宿を出発しました、往路では剣沢小屋を通るルートでしたが、復路は剣御前の稜線(雪渓)をトラバースして剣御前小舎を目指しました。15:20到着、ここでも宿泊客ではないですが症状を説明するととてもご親切に「低酸素濃縮製造機」で回復(復活?)させてもらいました。剣山荘からは登りで高度を上げましたが、ここから雷鳥沢ヒュッテまでは最後の石段を除き下りでかなり標高も下げますし何とかなるのでは希望を持てました。途中下りでは、雷鳥の親子(雛5匹)に出会い雪渓を背景にイイ写真を撮れました
雷鳥沢ヒュッテには17:45着、風呂に入って剱登山を祝して乾杯です。温泉もあり交渉すると浴衣もサービスしてくれなかなかイイところでした。
○8月2日(月) 快晴 アルペンルート→信濃大町→松本→あずさ→帰京
ゆっくり朝食をとった後は室堂まで登りです。疲れた体に日差しが強く堪えます、しかし、立山の尾根が屏風のように綺麗に聳え日差しに輝き荘厳です。みくりが池温泉では、暑さ対策のため体内から冷やした方がイイかとソフトクリームを食べながら進みます。室堂では林間学校なのでしょうかお揃いの黄色の帽子をかぶった小学生が多数いました。
いつもながら割高に感じるアルペンルートを通過し、打上げも兼ねて松本駅でお薦めの蕎麦屋こばやしで、馬刺、天麩羅、蕎麦で締めました。
天気にもまずまず恵まれ、山頂からの展望もうまい具合に楽しめ、復路ハプニングもありましたが無事に戻れ、皆さん満足のいく山行だったかなあ・・・と思っています。