2017.08.26-28燕~常念岳

今年の8月山行企画は北アルプス・燕岳から常念岳への縦走で、女性6名が参加しました。快晴に恵まれ、穂高、槍ヶ岳、後立山連峰、遠く八ヶ岳、富士山、南アルプスも一望でき、思い出に残る山行となりました。

◎2017.08.26-28燕~常念岳 女性6名 3日間全般 快晴

26日(土)

中房温泉登山口( 07:40) → 第一ベンチ (08:21)→ 合戦小屋(11:24 L 12:20) → 燕山荘(14:00デポ23発)→北燕岳(15:15-30)→燕岳(15:45-55)→ 燕山荘泊(16:25)

27日(日)

燕山荘(06:55) → 大天井岳(10:44-58)→ 大天荘(11:07 L 48)→東大天井岳(12:45-52) →常念小屋泊(15:09)

28日(月)

常念小屋(05:33)→常念岳(06:46-07:00)→ 常念小屋(07:48-08:30) → 胸突八丁(09:20-28)→ヒエ平下山(11:47)→ほりでー湯~四季の郷→帰京

◎Nさんの山行記録を紹介

【2017年8月26日(土)】中房温泉~燕岳(北燕)

5時20分、前日23時に竹橋(毎日新聞社前)を出発したバスは中房温泉登山口に到着。前日の夜からの雨は、バスを降りてもまだ降り続いている。中房温泉宿泊組と合流し、こっそり中房温泉のお部屋に入れていただく。早めの出発はやめ、宿泊組が朝食を済ませて戻ってくるまで少し横になる。体も楽になったところで急いで支度をしているとなんと雨は止んで日差しが射している。

登山口から合戦小屋までは急登続きではあるが、30~40分毎にベンチがあり、調度良く休憩ができる。途中整備された階段もあり、第二ベンチ手前には合戦小屋まで荷物を運ぶ鉄塔も見える。富士見ベンチの先では富士山が見え、花崗岩の岩場を過ぎると少し斜面が緩くなり、合戦小屋に着く。途中、合戦小屋まであと10分、5分と可愛らしい標識が出てくるとカウントダウン!

合戦小屋に着くとまずは楽しみにしていた名物スイカ!1切れ800円大きいスイカを半分にしてもらい、皆で美味しくいただいた。

昼食を取り、日差しが照りつける目の前の急登を見てまだまだ続くのか…と思いながら合戦沢ノ頭を目指す。ここからは森林限界を超え、途中、富士山、明日の縦走路から大天井岳、大天荘も発見、槍ヶ岳からは子槍孫槍もしっかり見え25分思ったより楽に合戦沢ノ頭に到着。ここまでくれば燕山荘はもう少し、ハイマツと花崗岩の道を進み、ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマトリカブト、ミヤマリンドウ、ウメバチソウなどの様々な高山植物が咲いていた。燕山荘のテント場の脇のお花畑を登りきると14時、燕山荘に到着!

20分ちょっとコーヒータイムの後、空身で燕岳、北燕に向けて出発。ついつい景色に見とれて、歩みが遅くなってしまう。足元に目をやるとコマクサも終わりかけの頃であったが、可愛らしい花を咲かせていた。ハイマツの緑と白い砂礫の登山道を歩くこと1時間弱、15時15分北燕に到着。山頂からは立山連峰と剱岳まで一望できる贅沢な景色が広がっていた。振り返れば燕岳からの稜線、槍ヶ岳、大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳の稜線の360度のパノラマを楽しみ、続いて燕岳に向かう。15分程で燕岳に到着し、ここでも多くの人が写真撮影を楽しんでいた。私たちも記念撮影を終え、名残惜しい気持ちになりながら燕山荘に向かった。

夕食を終えて、寒さに耐えながら太陽が沈むのを外で待つ。夕日が沈んだ後はだんだんと暗くなりながら真っ赤に染まっていく空がとても美しかった。山小屋でこれほど綺麗な夕焼けの空を見たのは初めてだった。

夜は、年に1度の演奏会があり夕食後も食堂は賑わっていたが、私たちは宴と星空鑑賞を楽しんで(天の川が見えるほど綺麗な夜空だった。私は見えなかったけれど、流れ星も見えたそう)、明日に備えた。

【2017年8月27日(日)】燕山荘~常念小屋

槍ヶ岳に当たる朝日を見て、6時55分燕山荘を出発。今日もお天気良し!槍ヶ岳を正面に稜線歩きは気持ちが良い。縦走路はあまりアップダウンもなく、とても歩きやすい。日陰は風が涼しく、日向に出ると途端に汗が出る。蛙岩を通過し大下りの頭に着くとここからは少し急な下り坂を下ってまた登る。この辺りは道にロープが張られていて、まだ少しばかりコマクサが咲いていた。

大天荘までの巻道がはっきり見えてくると、唯一の鎖場。梯子を下り少しばかり登ると槍ヶ岳方面に行ける分岐に到着。ここを常念岳方面に登るともう大天荘だが、急な岩場で、みな黙々と登る。時々後ろを振り返りながら歩いてきた縦走路を眺め、また黙々と登ること30分強、10時25分大天荘に到着。

空身になって片道10分程の大天井岳に向かう。山頂からは、前穂高岳から槍ヶ岳、東鎌尾根、五竜岳、歩いてきた表銀座も一望でき、燕山荘も見えた。

大天荘に戻って昼食を取り、11時48分常念小屋までの稜線歩きスタート。縦走路の先には常念岳、右側には南アルプスの仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、北岳、左側には八ヶ岳…北アルプスに涸沢カールも見える。どこを見てもすごい景色、歩いては止まって、振り返って、また歩く。途中、猿の群れにも遭遇。猿も警戒してこちらを見ているが、目を合わせないようにそのまま通過。東大天井岳には登らず、先に進むとすれ違った人からこの先に雷鳥のヒナを見かけたとのこと。静かに目を凝らしてチングルマが咲くハイマツの中を進むが、残念ながら雷鳥には出会えなかった。しかし途中の稜線休憩は、風を感じながら山々を眺める最高の時間だった。

この後は樹林帯を抜けると常念小屋のテント場、そして常念乗越に15時過ぎに到着し、常念小屋に入る。

今日は雲が多く、夕日と夜空は諦め部屋で宴を楽しみ、また今夜もコンサートが開催され、フルートの素敵な演奏会だったようだ。

【2017年8月28日(月)】常念小屋~ヒエ平

5時からの朝食を食べた後、5時33分常念岳に向けて出発。上を見上げると曇空の中、続々と人が山頂へ向けて登っている。急な岩場の登りで風も強く雨具の上着を着て登った。前常念との分岐が出てきた頃にふと顔を上げると、雲の間から太陽が見え富士山、槍ヶ岳を見ることができた。浮き石や転がりやすい小石のあるガレ場は足元が悪く、近いようでなかなか近づいてこない山頂。登り始めて1時間強、6時46分頂上へ到着!小さな祠があり、八ヶ岳、富士山、甲斐駒仙丈、北岳、穂高岳、槍ヶ岳…360度の景色が広がる山頂。強風の中、足場に気を付けながら集合写真を撮り、次から次へと人が登って来る山頂に別れを告げた。

真下に常念小屋の赤い屋根を見下ろしながら、1時間弱来た道を戻り7時48分常念小屋に到着。荷物を揃えて、8時30分ヒエ平の登山口を目指し、常念小屋を出発した。

胸突八丁までは少し急な坂があるが、一気に下りここで少し休憩。この後も沢沿いを下り、いくつもの木橋を渡った。沢の水は冷たく、上を見上げると緑がとても綺麗だった。下りのコツを習得すべくリーダーの歩き方をマネしながら、遅れないようについて降りて行く。そうこうしている間に11時47分ヒエ平の登山口に到着した。

予定時間より早めに着いてしまったが、先に到着していた別のタクシーともう1台早めに着てもらうよう連絡でき、温泉「ほりでー湯~四季の郷」に向かった。

汗を流し、お昼を食べ、あずさに乗って“山岳部LADIES'S”の今回の旅を振り返りながら、家路に着いた。

何点か写真を紹介します。