2009年9月、敬老の日と秋分の日がつながるシルバーウィーク、思わぬ大型連休を得て、どこに行こうか迷いましたが未踏でもあり、はるばる雲ノ平へキリンさんご家族と遠征しました。
当時の記録文と写真を元に2014年7月に本サイトへUP、記憶も薄れ若干の相違もありそうです。
一部の写真を掲載、すべての写真はこちらのアルバムに ⇒ PICASAのマイアルバム
この遠征で、百名山のうち、薬師岳、黒岳、鷲羽岳を登ることができました。また、天気にも恵まれ、買ったばかりのエアライズⅡも活躍しテント山行の醍醐味を楽しめました。
◎行程概略
2009年9月19日(土) 折立から薬師峠サイトを目指し、20(日)・21(月)雲ノ平サイトで連泊、22(火)に折立に戻り、そのまま帰京となかなかハードでしたが充実しました。
<<山行記録全文 同行のキリンさんの紀行文を拝借>>
2009.9.19(土)、曇りのち晴れ、気温15℃位、風弱し
折立(8:05)→三角点(9:50)→h2200(12:05~12:20L)→太郎小屋(12:50)→薬師峠サイト地(13:30泊)
2009.9.20(日)、快晴、気温20℃位、風弱し
薬師峠サイト地(6:50)→太郎小屋(7:10)→薬師沢小屋(10:15)→アラスカ庭園(13:30)→雲ノ平サイト地(15:15泊)
2009.9.21(月)、快晴、気温20℃位、風弱し
雲ノ平サイト地(5:25)→祖父岳(6:15~6:40B)→水晶小屋(8:25)→水晶岳(9:15~9:50L)→水晶小屋(10:35)→祖父岳(12:30)→雲ノ平サイト地(13:30泊)
2009.9.22(火)、霧、気温10℃位、風弱し
雲ノ平サイト地(5:25)→アラスカ庭園(6:55~7:20B)→薬師沢小屋(9:15)→太郎小屋(12:00~12:35L)→三角点(14:35)→折立(15:55)
9月の連休は雲ノ平をベースにテント山行を楽しんできました。お天気に恵まれ懸案の水晶岳にも無事登頂できました(男性4名、女性2名参加)。
もともと9月の連休には大雪山に行くつもりでしたが、従弟の結婚式が入ったので日程が合わなくなりエインジ君を誘って雲ノ平へ行こうということになりました。二人の計画を聞いたRちゃんが雲ノ平だったら私も行きたいと言うので三名でのんびり行こうと思っていたところ、学友のS田君とどこかに登るつもりだったタケちゃんが一緒に行くと言い出し、一人で留守番はイヤだというR子ちゃんも参加することになって、総勢6名と大きなザック6個をぎっしり詰め込んで「晴々号」で出発です。
千葉の自宅を21時に出て関越、上信越、北陸道と乗り継いで有峰口ゲート到着は朝の5時(やっぱり遠い)。すでにゲート待ちの車が100台位並んでいて6時の開門ののち順に折立に向かいます。到着した折立駐車場は満車状態でキャンプ場奥の林道沿いに車を停めて、登山開始は8時過ぎになりました。
久しぶりのテント装備でザックの重さは20kgを越しています。車の運転でほとんど寝ていないので足が重い。元気な若者二人には先に行ってもらって、残り4名で太郎小屋への山道をゆっくり遡ります。三角点まで登ると尾根は高原状になり石畳のように整備された道がダラダラと続きます。イメージではこの辺りから楽勝のはずでしたがピッチが上がりません。昼までに太郎小屋に届かず、途中でランチ・大休止ののち太郎小屋を越えて薬師峠サイト地に至りました。テン場は大盛況で張れそうな場所にはどこにもテントが立っていましたが、何とか傾斜地にテント3張分の場所を確保します。
テントを張り終えるとドッと疲れが出てもう動きたくない。若者二人とエインジ君は果敢に薬師岳ピストンに向かいましたが、ここは留守番を決め込んで1時間ほどお昼寝です。寝不足の頭がすっきりしたところで、水場までビールを冷やしに行き宴会の準備をして3名の帰りを待ちます。首を長くして待っていると日が傾く頃に3名が戻ってきました。薬師岳ピークでは良く晴れて立山・剣や白山まで望めたそうです。6人揃ったところで、天気が良いので外で宴会です(本日の献立「焼豚」、「ツナ缶とキュウリのサラダ」、「ベーコンと玉ねぎのスープ」、「カレーピラフ」)。ビールとワインを飲んで気持ち良い眠りにつきました。
二日目は雲一つない快晴です。今日は、若者組は黒部五郎岳から黒部小舎サイト地まで。我々4名は雲ノ平を目指します。朝食の後テントを撤収して太郎小屋へ登り返し、太郎山の東を巻いて下に見える薬師沢に向けて下って行きます。沢筋には思ったより早く着いて鉄板を渡しただけの橋を何回か渡りながら沢沿いに進みます。途中で異常に大きな荷物を背負った人に出会って登山者にも見えないので聞いてみると、何とカヌーを運んでいるとのこと。薬師沢小屋から黒部ダムまで二日かけて下るのだそうです。まあ世の中には色々な人がいるものです。
薬師沢小屋が近づいてきて、カッパが出るというカペッケヶ原まで来ました。笹原と湿原の気持良い場所なのでベンチに腰をおろして軽食を取ります。薬師沢小屋は大勢の登山者が休んでいたため早めに通過する。名物の赤い吊り橋は、橋桁の真ん中に細い鉄板を渡しただけで下が丸見えで一寸怖い。対岸へ渡ると梯子で河原まで下りて20mほど下流に歩いた後、土壁をよじ登るようにして斜面に取り付きます。すぐに長い梯子があってそれを登ると岩がゴロゴロした雲ノ平への急登の始まりです。話には聞いていましたが相当な急斜面で汗が吹き出す。岩が乾いて滑らないのがせめてもの救いでしょうか。重荷に喘ぎながら30分ピッチを4本つないで雲ノ平の木道に出ました。
ようやくやって来た雲ノ平。空は真青で午後になっても雲一つありません。木道をたどってアラスカ庭園で大休止。行く手に水晶岳が大きく聳え、右に槍と笠、左に薬師岳、まさに雲上の楽園です。その先立木の多い場所を過ぎると奥日本庭園でまた四周が開けます。雲ノ平山荘(改築中)を過ぎる頃には草付きの岩稜帯が大きく広がり、北アルプスの峻峰に囲まれた雲ノ平のスケールの大きさに圧倒されます。
少し時間がかかりましたが3時過ぎにテン場に到着。色とりどりのテントの花が満開です。張る場所があるか心配でしたがサイト地の一番上辺りに二張分の絶好のスペースを確保してヤレヤレです。今日も外で宴会として、お酒が進むうちに日が暮れて満天の星空のもと最高の夜となりました(本日の献立「ベーコンとジャガイモのソテー」、「魚肉ソーセージとキュウリのサラダ」、「ナポリタンとペペロンチーノスパゲティ」)。
三日目は早立ちをしようとお湯だけ沸かして出発です。今日も良く晴れて薬師岳がモルゲンロートに輝いて美しい。サイト地からザレ道を詰めて祖父岳に登ります。広々としたピークには大勢の登山者がいて山座同定をしています。我々も展望を楽しみながらゆっくり朝食にします。コーヒーで暖まった後は岩苔乗越を越えて水晶小屋へ。本日はピストン装備なので大展望の稜線漫歩を楽しみます。大勢の登山者と前後しながら水晶小屋に到着。先月、烏帽子小屋から縦走してきた時は雨とガスで何も見えませんでしたが今日は小屋の位置関係がよく分かります。
さあ、いよいよ水晶岳に登るときが来ました。北に延びる稜線を天の恵みに感謝しながら進みます。大勢の登山者が列をなして梯子では順番待ちをするほどの盛況です。到着した狭いピークには休む場所もありませんが記念撮影をして大満足。ほとんどの登山者はそのまま戻ってしまいますが我々は岩場を越えて三角点のある北峰へ移動しランチにしました。
心行くまで展望を楽しんだあとは水晶小屋からワリモ北分岐へ戻ります。ここで鷲羽岳にも登るというエインジ君と別れ親子3名は雲ノ平に引き返します。黒部小舎から本日到着する予定の若者ペアのサイト地を確保しようと少し足を速めます。しかし心配無用、祖父岳から岩場をどんどん下っていくと我々のテントの横に見覚えのある黄色いダンロップが張ってありタケちゃんが笑顔で迎えてくれました。エインジ君も4時過ぎには戻り本日の宴会開始です。夕方雲が多くなり天候の悪化が懸念されましたが、夜には星が出て流れ星が一つ南の空に流れました(本日の献立「サラミソーセージ」、「ベーコンと魚肉ソーセージと玉ネギのソテー」、「マルタイラーメン」)。
最終日は二日分を歩いて折立まで一気に下る予定です。朝起きると一面の濃い霧でテントを撤収するうちに少し雨も落ちてきました。寝坊している若者二人に声を掛けて夜明けと共に出発します。白いベールに包まれた雲ノ平はとても静かです。昨日までの明るい風景と今日の幻想的な佇まいとどちらが本当の雲ノ平の姿なのだろうかと思いながら歩みを進めます。アラスカ庭園で朝食を取り薬師沢への急坂にかかります。大きな岩がゴロゴロした道を滑らないように注意しながら下りていきます。薬師沢小屋に着いてホッとしていると若者二人が追いついて来ました。流石に登山サークルの現役生は強い。
薬師沢小屋からの登り返しはカペッケヶ原を通過し左俣を鉄橋で越えて沢沿いを進みます。沢筋を離れてからは300mの登りをこなし太郎小屋に12時に着きました。折角の北アルプスなので一回位は小屋食を取ろうとラーメンを注文します。だしの利いたスープとちじれ麺でなかなか美味です。元気を回復したところで石畳のダラダラ坂へ。少し天気も良くなってきて有峰湖を眼下に望みながらゆっくり下りて行きます。そして三角点からは最後の頑張りで500mの急坂をこなし無事折立に下山しました。あとは亀谷温泉で4日分の汗を流したあと、シルバーウイークで混雑する高速道路に揉まれて翌早朝3時に自宅に戻りました。
今回は最高の天気で雲ノ平を周遊し秋のアルプスを満喫することが出来ました。また家族で北アルプスに登るという長年の夢が実現して大変幸せです。同行してくれたエインジ君、S田君に感謝です。