2009年7月はじめ金曜日代休をいただき3連休、値段が上がる前の北海道へツアー(往路:羽田→千歳、復路:旭川→羽田、道内滞在期間レンタカー、旭川でのホテル1泊で計41,800円)をうまく利用して洋上に浮かぶ名峰“利尻山”に遠征しました。
当時の記録文と写真を元に2014年5月に本サイトへUP、記憶も薄れ若干の相違もありそうです。
一部の写真を掲載、すべての写真はこちらのアルバムに ⇒ マイアルバム
◎利尻島へのアクセス 2009年7月2日(木)飛行機⇒夜行バス⇒フェリーの長旅
羽田19:30発→千歳21:05着→JR・地下鉄利用→札幌大通りバスセンター(23:00) →稚内港(05:30着)→ハートランドフェリー稚内(06:30発)→鴛泊港(08:10着)
◎2009年7月3日(金)利尻山登頂 鴛泊ルート往復 曇り・霧
野営場出発(08:45)→四合目(09:30)→五合目(10:00)→六合目(10:25)→七合目(10:50)→八合目・長官山(11:30休憩11:50)→九合目(12:25)→山頂(13:10昼食14:10下山)→九合目(14:40)→八合目(15:10)→甘露泉で潤し→野営場到着(17:10)
利尻島には利尻空港がありこれを千歳経由で利用するのが旅費を気にしなければ東京から一番楽なアクセスでしょうが本数が少なく行程を組みにくい。アクセスを色々ネットで検索した結果、夜行バスは3列シートで何とか眠れそうだったので今回は長旅を覚悟の上この行程を選択しました。
しかし、いざ行ってみると乗り継ぎもスムーズで時間のロスもなく、懸案の夜行バスも2台運行だったおかげで混雑もなく後ろの席が空いていたのでフルにリクライングすることもできすぐに眠れ快適でした。
またこの時間帯のバスは直接稚内のフェリーターミナルへ乗り入れるのでとても移動が楽でした。ターミナルにはコンビニ規模のハートランドショップがありここでおにぎり・ドリンク等調達も可能です。
天気は小雨が降っていましたが出港6時半にはピタッと上がり、この時点では「島では今日は正午くらいから晴れるな」と根拠はありませんが晴れ男の強運を信じていました。
この日お世話になるペシ岬の「和風ペンションみさき」は港から5分程度歩いたところです。この時間帯は宿も閑散としています、荷物をデポしご主人に登山計画書を提出し携帯トイレを買い足し少し歓談した後野営場迄送迎いただきました。
どうやら島に最低2泊して早朝5時から登る人が一般的で、平日でこの時間帯から登る人はほとんどいないそうです。「最後尾スタートだと考えてイイ、19時頃までは明るいのでゆっくり楽しんできてください、遅くなっても迎えに行きます。」と温かい言葉をいただきます。
8時45分野営場をこの日のために買ったジャンダルムザックでスタート、最初は整備された遊歩道が続きます。観光客の後に続けば10分ほどで甘露泉へ到着します。この湧水以降は水場がないので3リットル持っていますが喉を潤します。
途中、早朝雨の中スタートして6合目の第1見晴台迄往復してきたというパーティーとすれ違います。「展望はダメだった・・」としかし島にわざわざ来た以上たとえ雨が降ろうがわずかな期待を持って登ろうという気持ちは痛いほど良く分かります。
私はどうだろうと6合目に到着、今まで山に結構登りましたがその中で一番と言えるような見事な雲海が拡がっており時々雲海の下から汽笛が聞こえます。
落胆の中、その場にいた人に「晴れていればあそこに空港を見下ろせ、向こうが礼文、サロベツはあっちの方・・」と丁寧な説明を受けましたが白い雲以外は何も見えません。
戦いに負けたような失意の中、せめてこれから先の行程、花だけでも楽しめればとポジティブな気持ちに切り替えペースを上げます。夜行バス利用でも熟睡できたのか八合目で11時半と割といいペースです。20分程度小休止してこの後のハードな登りにそなえます。
その先の避難小屋では早朝発のパーティーのメンバーだろう、山頂へは上がらず待機している人達が結構多くいました。
また、ここから先は下山者とのすれ違いも大変でした。7月はじめの金曜日でも結構なパーティー数、オーバーユースによるコースの劣化は確実に進行していて考えさせられるところもありましたが、地元の人の努力で一部ですが道の補修が着実に進んでいる光景は嬉しくもありました。
横に目を向けると高山植物だけは期待を裏切りませんでした、この時機に見られるものはすべて綺麗に咲き誇っていました。
1時過ぎ山頂到着、団体が祠を背景に写真を撮影していました。途中、結構抜いたが私以降に登ってくる人がいないかもしれないと思い、私も団体のガイドさんに頼んで祠背景に登頂記念写真を撮ってもらいました。周りは深い霧ですが雨の心配はなさそうだったので1時間近くゆっくりくつろぎます。私の後はしばらくして偶然にも同じ千葉県野田から来たという6人のパーティーだけでした。
天気には恵まれませんでしたが、強いて収穫を上げるとすると高山植物がイイ時期だったということと、利尻島へのアクセスを身をもって実感できたことでしょうか・・・7月半ば~9月上旬迄北海道はツアー料金が上がります。今年であれば役場の発行している登山ニュース6月17日版では鴛泊コースではもう残雪がなく花も咲き始めていたようです・・このあたりが狙い目なんでしょう・・・
2時を回りこれ以上視界も開けないようなので無念の下山。8合目の避難小屋付近で振り返るとうっすらと霧が明け周りからも声が挙がります、しかし山頂がうっすらと見えた程度でした。
往路では気持ちが高ぶっていて気にならなかったのかもしれませんが復路は虫が多く大変した。5時甘露泉に無事到着、名水と名高いですがこの失意を完全に潤すほどの神通力は感じられませんでした。
ペンションに戻り風呂から上がると6時ちょうど夕食、メインはムラサキウニと利尻名物バフンウニ美味しくいただきました。
翌朝、朝食には昨夕の半分の人数、早朝出発したようです。私もフェリーが11時発なので宿で自転車を借り姫沼まで遠征しました。事前の計画ではここで逆さ利尻を撮影する予定でしたがあいにくの曇天。姫沼の周りの遊歩道、サイクリング専用ロード・・離島の割には予算が潤沢のようです、九号目以降の登山道の整備に回して欲しいと勝手なことを考えながら時折り小雨降る中飛ばしました。
宿に着くとわずかな距離ですがご主人にフェリーターミナルまで送っていだきました。後はやるべきことは一つです、噂に聞いていた二階の丸善食堂に上がり名物バフンウニ丼にありつきました、この日の朝取れたというウニは新鮮で最高でした。
11時出港、旅を計画したときは『フェリー後方の甲板デッキから遠ざかる利尻山の姿が見えなくなるまで見続ける情景』をイメージしていましたが程遠く最後までかくれんぼ・・・・もう一度近いうちに、必ずここに戻ってくると・・気持ちが沸々と湧いてきました。