7月下旬、“高山植物が満開の鳥海山”、“出羽三山信仰の月山”へ行ってきました。
日 程: 2008年7月24日(木 夜行バス)~27日 、単独山行
交通手段:ドリーム鳥海号(東京駅09:10発→象潟駅前05:15着 8,770円)
⇒ 鳥海ブルーライナー(象潟駅前05:50発→登山口 鉾立06:30着 1,500円)
鳥海山行程:歩行時間:上り約4時間半・下り約3時間 、天気:曇り時々晴
鉾立(7:10発)→賽の河原(8:15)→御浜小屋・鳥海湖(8:45 休憩15分)→七五三掛(10:00)→山頂御室(11:25)→新山(11:45休憩)→山頂御室(12:30/昼食)→伏拝岳(13:00)→あざみ坂→河原宿(14:10)→滝小屋(15:10)→駐車場(15:40)→車で鳥海山荘
鳥海山へはいつか行きたいと思っていたが、その際アクセス手段を含めどう行程を組むかがポイントであった、今回はマイカー利用でないのでかなりプランニングに注力した。
出発は東京駅からドリーム鳥海号に乗り込む、割高だがリクライニング機能充実の3列シートは座席間隔も離れており、かつ、この日は空いており快適で十分眠れた。
地震が心配であったが予定通り象潟駅前05:15着。駅は待合所もあり、ローカル路線の駅の割には自販機・トイレ、大型テレビ等施設が充実していた。鳥海ブルーライナーもここで待っていれば乗れるので30分近く靴を履き替えたり登山準備にかかる、登山者は10名程度、この日は客が少ないと読んでいたのか鳥海ブルーライナーはマイクロバスタイプ、それでも2人掛けに1人十分座れる。
明け方まで雨が降っていたのだろう6時半に鉾立登山口に到着すると山頂は霧に覆われていて全く見えなかった。駐車場には車が20台程度あった、それなりのパーティーが山に入っているのだろう。
登山口に進むと、恒例のでっかい看板『熊に注意』がある。さらに『昨日朝10時頃、賽の河原付近で熊の目撃情報がありました。』と張紙があった。あわてず朝食をゆっくりとり、バスに乗っていた全てのパーティーを見送った後、鉾立を7:10遅めの出発。
登山道は最初はコンクリートの階段が続く、しばらく行くとすぐに展望台だ。大きくくぼんだ奈曾渓谷の先に、白糸の滝が流れている。振り返ると日本海が望まれるはずだがあいにく霧で見えない。ここからしばらく賽の河原迄は整備された岩畳の道が続く、登山という感じはしない、散歩のようだ、賽の河原はニッコウキスゲで一面黄色に覆われていた。
ここから御浜小屋迄は30分くらい延々と階段が続く、小屋は今後の参考にと中を覗いたがとても簡素なつくりだった。この裏手がハイライトの一つである鳥海湖だ。時期がよく高山植物で満開だった、チョウカイアザミ、ハクサンフウロ、チングルマ、イワギキョウ、コイワカガミ、ヨツバシオガマetc咲き乱れていた。接写もするが背景にブルーの鳥海湖を入れる構図がコントラストもあって何よりイイ、しばらく撮影に夢中になった。
名残惜しかったが先もあるのでしばらく尾根を歩き七五三掛(しめかけ)に向かった、途中の尾根沿いも高山植物が多く度々立ち止まり時間がかかった。地図上では七五三掛で頂上方面(左手谷沿い)と外輪山方面(右手)と分岐になるはずだが、谷沿いの道にガレが進行していて100m程外輪山方面に登り分岐し梯子を下るという回避ルートになっていた。
しばらく進むと千蛇谷雪渓だ。ちょうどこの頃晴れてきて暑くなってきたので雪渓はむしろ涼しく快適だった。雪渓を過ぎると山頂御室迄ゴツゴツした溶岩の登りだ。
11:25到着、十分新山迄往復できる時間帯なのでせっかくだから新山を目指す。岩に矢印は一応付いているがゴツゴツ重なっているだけで道という感じはない、20分ほどで頂上到達。頂上は狭く、また、ご神体「新山大神」はとても小さい。それでも記念にとその横に座り込み記念撮影をする。この日は平日だったので頂上は私も含め3人だったが週末はさぞ込み合うのだろう。
山頂御室に戻り昼食をとり下山にかかる、湯の台口に降りるため伏拝岳を目指す。こちら側はマイナーなのだろうか下山者が少ない。あざみ坂から河原宿迄は雪渓の下りだ、念のため軽アイゼンを履いていると、(翌日から廻る予定と言っていたが)出羽三山信仰の笠をかぶった年配の三人組と会話が弾む。滝の小屋下の駐車場からは彼らの車で鳥海山荘迄送迎の御厚意を受け大変助かった。
当初、鳥海山荘迄2時間近くひたすら下る予定だったので、小屋から続く下山道を眺めてみたが、車道が上まで延びたので利用者も少なく荒れている雰囲気だった。うっそうとしたブナ林が延々続くので単独では入りたくない道だ。ちなみに滝の小屋からはタクシーを呼べる、出費が嵩むが無事に下りることがまず大事なので、遠方からのアクセスで出発時間が遅い場合等有益だろう。
この日の宿:鳥海山荘は名前は山荘だが立派なホテル、価格がリーソナブルな上に設備・食事もよく申し分ない、露天風呂もあり最高のロケーションで永い一日の満足感に浸る。
月山行程:リフト上駅10;50発⇒山頂神社12:35着・休憩30分⇒15:00下山 天気:曇
当初は鳥海山だけ考えていたが、「鳥海山荘が酒田駅まで早朝無料送迎してくれること」、「トヨタレンタカーでヴィッツが8時から12時間5250円、山形駅前店乗捨てで割増なし」この2条件が揃ったので、ドライブのついでに月山も付け加えた。
従って、信仰の山に大変失礼だがおまけの感覚で、前日の疲れもとれずリフトを利用し姥ヶ岳にもよらず最短コースで登って往復した。本当にゆっくりこの時期月山を楽しむのなら信仰の常道とされる「弥陀ヶ原がある羽黒コースから頂上へ登り湯殿山コース下山」がやはり最高だろう。
今回は霧も濃く雨も降り出しそうな展望も楽しめない中だったので、おすすめできないピークハント、従って感想も特段なし。2名山ともその山容の素晴らしさを満喫できるように計画することはなかなか難しい。
帰路、月山志津温泉「かしわや」に立ち寄り112号を山形駅迄のんびりドライブ、19時レンタカー返却。十分帰京できたが駅前のビジネスホテルを予約していたので地元の居酒屋「粋酔」で日本海の幸・美酒を楽しんだ。
<<今回の山行全体的な感想>>
東京から週末だけで鳥海山を楽しむには今回の私の行程が参考になるのではないだろうか、バスの接続もよく早朝涼しいうちから鳥海湖を望み登れ、帰路は雪渓を下り鳥海山荘の行き届いた施設・サービスを満喫できる。(出費がやや嵩むが・・・気にしなければ)今後目指す人に自信もってお奨めできます。反省点とすればピークハントになってしまった月山だ、今後またテレマークスキーでも行く機会があるだろう、その時は、月山の山容の素晴らしさを存分に堪能したい。