2008年9月終盤、休みをいただき、マイカー利用で槍ヶ岳へ遠征しました。
しかし、尾根では雪にも遭遇し、北アルプスの厳しさを少々感じる山行でした。
当時の記録文と写真を元に2014年7月に本サイトへUP、記憶も薄れ若干の相違もありそうです。
一部の写真を掲載、すべての写真はこちらのアルバムに ⇒ リンク
日 程: 2008年9月27日(土)~30日(火) 、マイカー利用
行 程: 徳沢泊⇒槍ヶ岳山荘泊⇒南岳・氷河公園経由⇒上高地泊
○9月27日(土) 徳澤園泊
相部屋なので大部屋に雑魚寝かと思っていたが、間仕切りがとれるよう改築されており、一人用のブース(畳1畳程度×高さ1mで押入れの下段のような寝床)に案内されました。
夕食は今日迄天気がずっと悪かったらしく、2泊待機したが大キレットを超えられず下りて来た人、奥穂山荘まで上がったが奥穂高行きは断念し引き返してきた人達 お通夜みたいな暗い雰囲気で会話が弾みませんでした。やはり、山はお天気に左右されますね。
○9月28日(日) 秋晴れ
徳澤園発(05:30)⇒横尾(06:10・06:30)⇒槍沢ロッジ(07:35 朝食 08:20)⇒天狗原分岐(10:00・10:15)⇒槍ヶ岳山荘着(12:20 チェックイン・昼食)⇒ 13:45から穂先で展望を十分堪能
07:35槍沢ロッジ到着、少し遅めだが弁当にしてもらった朝食をいただく。これからの急勾配に備え、珈琲ブレイク45分の大休止。ここからは結構下山者とすれ違い、この日の朝の展望は最高だったと皆満足そうでした。花の季節も終わり途中で目を楽しませてくれるものもなく、ひたすら登り続けます。
ちょっと登りモレーン上に辿りつくと槍の穂先が大きく姿を現しホッととします。
坊主の岩小屋に着き、後ろを振り向くと常念岳は当然だが、八ヶ岳、南アルプス、富士山とかなり視界が良好だ、(写真は 播隆窟)
12:20槍ヶ岳山荘着(写真は穂先より)、一大基地といった印象です。今日は永く展望に恵まれるようで、先にチェックイン、寝床を確保して穂先を目指しました。
左が小槍でしょうか、大槍には梯子が設置されています。夏の時期は人気のスポットですから込み合うそうですが、この日は空いていてさくっと登れました。
穂先からの展望は午後にもかかわらず、予想通り空気が澄んで晴れ渡り遠く迄360度大パノラマを堪能できました。秋の日曜午後だったので山頂は10人弱、長居しても大丈夫そうなので1時間近く充足した時を過ごせました。
東京からアクセスが容易な立山・後立山連峰から常念岳、南側に見える穂高・乗鞍にかけては登ったことがある山が多く感慨深いが、西側から北西側は未踏で、笠ヶ岳、その奥の白山は分かるが、「黒部五郎・双六・三俣蓮華・鷲羽・水晶・薬師」あたりにかけては毎回ながら位置関係がうろ覚えでした。
注)今では、その後、遠征しておりバッチリ!
十分満足したので山荘に戻り、談話室でしばしビアタイム。この日の展望には皆満足そうでかなり盛り上がっていた。寝床も空いており十分快適だった。
翌日は、談話室で話したいわき市在住で大キレットを目指すというFさんと同行することとなりました。
○9月29日(月) 稜線は小雪、天狗池~河童橋では小雨後曇り
槍ヶ岳山荘発(06:30)⇒大喰岳・中岳・南岳⇒南岳小屋(08:45・休憩)⇒氷河公園方面エスケープルート分岐⇒天狗池(11:25・休憩)⇒天狗原分岐(12:00)⇒槍沢ロッジ(13:10 昼食 13:35)⇒横尾~明神⇒河童橋・西糸屋山荘(17:45)⇒祝杯
小屋を出ると小雪の中、穂先に向かうパーティーもいた。昨日遅く着いたのだろう、ここ迄来て登らないわけには行かないだろうという気持ちもよく分かるが・・・・・
下山する人が圧倒的に多く、大キレット方面へ向かう人は少なかった。しかし、小雪は舞っていたが視界は笠ヶ岳が見えるくらいはっきりしており、ダウンジャケット・スキー帽 等と防寒対策しており、単独でもないので南岳小屋を目指した。晴れていれば3,000mの快適な稜線歩きだろうが大喰岳・中岳は記念撮影して通過するのみでした。
大キレット到着、北穂が雪で白くなってきました。
南岳小屋からキレット横断を断念しすれ違う人達と途中会話を交わしながら小屋に08:45到着。
休憩後展望台「獅子が鼻」からしばらく大キレットを見物する。北穂の小屋迄はっきり見えたが、チャレンジしている人影は肉眼では確認できなかった。
エスケープルート分岐に戻り、紅葉を期待し天狗原を目指す。やせた岩尾根でクサリやハシゴが続くが危ないところはない。
ハシゴ近くではオコジョが目を楽しませてくれる。このあたりからようやく小雪から開放される。
氷河公園(天狗池)では、逆さ槍の構図を狙っていたが勿論無理。昨日立ち寄るべきだったかと・・・なかなか全てがパーフェクトにはいかないものだ。
槍沢ロッジには13:10着、後1時間遅い到着だったら横尾・徳沢も考えたが、8月に泊った「西糸屋山荘」の快適さが忘れられず迷うことなく決定、Fさんも同行する。
この日は空いており、8人部屋(入口に2段ベット×2、奥に6畳和室)に二人通される、これで2食付、7,700円は快適だ。妥協せずここ迄歩いてきた甲斐があった。ゆっくり入浴を済ませ18:45祝杯(夕食)、生ビールジョッキ2杯があっという間に空き、無添加赤のフルボトルを入れる。
翌朝は曇り、元気に乗鞍岳に向かうFさんを見送り、上高地の観光客の賑わいを感じながら大正池までゆっくり散策し帰京。
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~ 山行記録全文 ~
9月下旬、天気が心配でしたが『北アルプスの象徴 槍ヶ岳』から『槍穂高連峰の大展望 南岳』へ行ってきました。
日 程: 2008年9月27日~30日 、マイカー利用
行 程: 徳沢泊⇒槍ヶ岳山荘泊⇒南岳・氷河公園経由⇒上高地泊
○9月27日(土) 徳澤園泊
二日酔いもあり自宅出発が遅れ、また八王子迄の渋滞にもはまり沢渡中駐車場に2時過ぎ到着。この日は東京も涼しかったが沢渡ではさらに肌寒い。8月上旬に北穂に来た時は猛暑だったが大違いだ。
さすがにこの時間帯に上高地に入る人は少なく道中シャトルバスはガラガラ。2時50分徳澤園に上高地到着の一報を入れ、足早に向かう、自己ベストタイムで4時に徳澤園に到着。
相部屋なので大部屋に雑魚寝かと思っていたが、間仕切りがとれるよう改築されており、一人用のブース(畳1畳程度×高さ1mで押入れの下段のような寝床)に案内された。カーテンを閉めればプライベートが保てるし、快適なスペースだった。
夕食は、相部屋の人達と同席だったが、今日迄天気がずっと悪かったらしく北穂小屋で2泊待機したが大キレットを超えられず下りて来た人、涸沢から奥穂山荘まで上がったが奥穂高行きは断念し引き返してきた人達 お通夜みたいな暗い雰囲気で会話が弾まなかった。談話室では「ヤマケイDVD 槍・穂高縦走」が上映されており今回の山行に大いに参考になった。
○9月28日(日) 秋晴れ
徳澤園発(05:30)⇒横尾(06:10・06:30)⇒槍沢ロッジ(07:35 朝食 08:20)⇒天狗原分岐(10:00・10:15)⇒槍ヶ岳山荘着(12:20 チェックイン・昼食)⇒ 13:45から穂先で展望を十分堪能
横尾迄は知っている道であったが薄明かりになった5:30出発。横尾に到着すると、横尾大橋から穂高の稜線もはっきり見え槍からの展望に期待が持てる。今後利用することもあるかと考え改築された横尾山荘の間取りを下見に入ったが年配の大団体が出発準備中で入口が込み合っていて断念。そうこうしているうちに輪になって準備体操を開始したので、私もストレッチを念入りに行い出発。
07:35槍沢ロッジ到着、少し遅めだが弁当にしてもらった朝食をいただく。これからの急勾配に備え、珈琲ブレイク45分の大休止。ここからは結構下山者とすれ違い、この日の朝の展望は最高だったと皆満足そうだった。花の季節も終わり途中で目を楽しませてくれるものもなく、ひたすら登り続ける。猛暑だと厳しいのだろうがこの日は涼しく急勾配のハードさに苦しむことを想像していたが全くきつくなく、気がつけば10時天狗原分岐到着。天狗池迄の往復を考えたが穂先からの展望の時間帯を考え山荘へ直行することとした。
ちょっと登りモレーン上に辿りつくと槍の穂先が大きく姿を現しホッとする。坊主の岩小屋に着き、後ろを振り向くと常念岳は当然だが、八ヶ岳、南アルプス、富士山とかなり視界が良好だ、今日は永く展望に恵まれるようだ。写真を撮りつつ12:20槍ヶ岳山荘着。
天気・展望は数時間持ちそうだったので、チェックイン・昼食後ゆっくり穂先のてっぺんを目指す。穂先からの展望は午後にもかかわらず、予想通り空気が澄んで晴れ渡り遠く迄360度大パノラマを堪能できた。秋の日曜午後だったので山頂は10人弱、長居しても大丈夫そうなので1時間近く充足した時を過ごせた。東京からアクセスが容易な立山・後立山連峰から常念岳、南側に見える穂高・乗鞍にかけては登ったことがある山が多く感慨深いが、西側から北西側は未踏で、笠ヶ岳、その奥の白山は分かるが、「黒部五郎・双六・三俣蓮華・鷲羽・水晶・薬師」あたりにかけては毎回ながら位置関係がうろ覚えだ。ベテランのオバサンが同行パーティーにこんなに周りがはっきり見えるのは滅多にないことだからしっかり覚えなさいとレクチャーしている。暇があったら折立から入るコースも行ってみたいと思うがなかなか実現しない。
3時前、劔岳に霧がかかり始める、十分満足したので山荘に戻り、談話室でしばしビアタイム。この日の展望には皆満足そうでかなり盛り上がっていた。寝床も空いており十分快適だった。
○9月29日(月) 稜線は小雪が舞う、天狗池~河童橋では小雨後曇り
槍ヶ岳山荘発(06:30)⇒大喰岳・中岳・南岳⇒南岳小屋(08:45・休憩)⇒氷河公園方面エスケープルート分岐⇒天狗池(11:25・休憩)⇒天狗原分岐(12:00)⇒槍沢ロッジ(13:10 昼食 13:35)⇒横尾~明神⇒河童橋・西糸屋山荘(17:45)⇒祝杯
この日は、昨晩、談話室で話したいわき市在住のFさんと同行する。小屋を出ると小雪の中、穂先に向かうパーティーもいた。昨日遅く着いたのだろう、ここ迄来て登らないわけには行かないだろうという気持ちもよく分かるが・・・・・
下山する人が圧倒的に多く、大キレット方面へ向かう人は少なかった。しかし前日DVDで見た限りでは滑落の危険があるような箇所もなく、小雪は舞っていたが視界は笠ヶ岳が見えるくらいはっきりしており、ダウンジャケット・スキー帽 等と防寒対策しており、単独でもないので南岳小屋を目指した。晴れていれば3,000mの快適な稜線歩きだろうが大喰岳・中岳は記念撮影して通過するのみ、南岳小屋からキレット横断を断念しすれ違う人達と途中会話を交わしながら小屋に08:45到着。休憩後展望台「獅子が鼻」からしばらく大キレットを見物する。北穂の小屋迄はっきり見えたが、チャレンジしている人影は肉眼では確認できなかった。
Fさんとエスケープルート分岐に戻り、紅葉を期待し天狗原を目指す。やせた岩尾根でクサリやハシゴが続くが危ないところはない。ハシゴ近くではオコジョが目を楽しませてくれる。このあたりからようやく小雪から開放される。氷河公園(天狗池)では、逆さ槍の構図を狙っていたが勿論無理。昨日立ち寄るべきだったかと・・・なかなか全てがパーフェクトにはいかないものだ。
槍沢ロッジには13:10着、後1時間遅い到着だったら横尾・徳沢も考えたが、8月に泊った「西糸屋山荘」の快適さが忘れられず迷うことなく決定、Fさんも同行する。
予約の電話を入れると6時迄には到着してくださいと言われたが、往路のペースから十分だったので、適宜休憩を取りながらテクテク河童橋を目指す。Fさんも酒好きだということで晩酌用のそば焼酎「草笛」・ツマミを買い込み、宿へ到着。
この日は空いており、8人部屋(入口に2段ベット×2、奥に6畳和室)に二人通される、これで2食付、7,700円は快適だ。妥協せずここ迄歩いてきた甲斐があった。ゆっくり入浴を済ませ浴衣(プラス100円)に着替え18:45祝杯(夕食)、生ビールジョッキ2杯があっという間に空き、無添加赤のフルボトルを入れる。先に到着し食事を済ませた越谷からのパーティー(朝、穂先に登り・そのまま下山)とも懇親し、部屋でFさんとそば焼酎で締める、11:00就寝。
翌朝は曇り、元気に乗鞍岳に向かうFさんを見送り、上高地の観光客の賑わいを感じながら大正池までゆっくり散策し帰京。
<<今回の山行全体的な感想>>
槍は見るもの・人で込み合うものだと思って夏は避けていたが、この時期の山行は人も少なくなかなか味わい深かった。氷河公園の紅葉もナナカマド数十本の2分程度は楽しめた。今年は10月3連休の前あたりが真っ盛りだろうが、その頃、稜線まして穂先迄登ると寒さでかなり困難だろう・・・・・時期・目的を取捨選択した上で最後は天候に左右されるものだが・・・・・今回は総合的に満足の山行だった。
<当時の感想>>
槍は見るもの・人で込み合うものだと思って夏は避けていたが、この時期の山行は人も少なくなかなか味わい深かった。
氷河公園の紅葉もナナカマド数十本の2分程度は楽しめた。今年は10月3連休の前あたりが真っ盛りだろうが、その頃、稜線まして穂先迄登ると寒さでかなり困難だろう・・・・・時期・目的を取捨選択した上で最後は天候に左右されるものだが・・・・・今回は総合的に満足の山行だった。
2010年8月には、 双六~黒部五郎~笠ヶ岳周遊 遠征も行いました。槍の穂先で晴れて周りの山々の雄大な展望に恵まれたことがその後の百名山達成に向けての行脚につながりました。