「痴呆症手記」
89歳女性1999年4月
89歳女性1999年4月
私は、明治43年生まれで一人暮らししておりました。平成10年夏までは川柳が私の生きがいで「あなたのように趣味を持っていきいきと楽しい人生を」と皆からも目標にされて88歳の米寿には「輝きの米寿の旅はまだ続く」と詠んだのでございました。この頃、多少のボケはあったようです。
長年高血圧と心臓の薬を近所の内科医でもらっておりました。
平成10年10月突然リュウマチにかかり、熱が出て手・足・顔などキンキンに腫れその痛みは耐え難いもので、痛みの無い今でも、忘れることができない恐怖でございました。
近くの医者で薬をもらいましたが、何度も同じような症状を繰り返すばかりで一向に良くならず娘のかかりつけの松本先生にリュウマチの漢方薬を頂き11月25日から漢方薬を煎じて飲み始めました。その間先生からは異常があれば電話するように言われ、また先生からも何度も直接電話で御指導いただき感謝で一杯でございます。娘たち3人も交代で泊まり込んで看病してくれ、それぞれの家族の協力にも感謝しております。
お蔭様で服用から約40日で痛みが無くなり熱と腫れはまだまだございますが、痛みから解放されたのは最大の喜びでございました。
平成11年1月初めに風邪をひき高熱が出て、それと共に痴呆が突然進行し、当時はやたらに眠く意識は赤ちゃんと同じで、食事の食べ方まで分からなくなり、家族をどん底へ突き落としたそうです。
その後少しずつましになりましたが、目の離せない状態の様でした。30年近く住んでいる現在地も全てが初めての所と思われ、娘時代のことは少しは覚えておりましたが、後は白紙状態で「無」でございました。その時は自分がどうなっていくのか不安でたまりませんでした。そしてこの頃新聞は勿論テレビへの影響も全く無かったようです。
平成11年1月22日に近所の医者で脳のレントゲンを撮ってもらいましたが、55歳の時に脳の手術をしたため、脳の萎縮が進んでいるとのことで、これからますます進行する痴呆を家族は覚悟したそうです。
1月22日に松本先生にご相談し、「漢方薬で痴呆が治る。」との天にも昇るお話に早速送っていただき、23日からリュウマチの薬を一時中止し、痴呆の漢方薬の服用を始めました。時々血圧も高く高熱も出て、西洋医学と漢方の両方の薬を服用しておりました。
2月の初め「今の間に私に会わしたい。」と思う人に娘達が連絡して来て頂き、お目にかかったのですがほとんど覚えておりません。見た目は元気「まだらぼけ」の状態で、信じられないようでした。お蔭様で少しずつ少しずつ昔の話からいろいろの出来事を思い出し、でも直ぐに忘れ同じ事の繰り返しでございました。
最近は気分の良いときは散歩や料理の手伝い、台所の洗い物、テレビを見て楽しんだり、洗濯物をたたんだり、人との応対はおかしくない程度に出来るようになったと言われていますが、しまう場所や洋服の着方、薬の飲み方等まだまだ出来ないことが多々有ります。「何でも初めてだ。」と言い、笑われております。
3月末に松本先生にお目にかかり、話しの受け答えもしっかり出来、痴呆の回復振りを大変喜んでいただき本当に嬉しいことでした。
4月からは足の腫れと痴呆の両方を漢方薬で治療してもらっております。ここまで来れましたのも松本先生に巡り会い、漢方薬の治療をしていただけたからこそと感謝の気持ちで一杯でございます。飲みにくい漢方薬も先生がこんなに頑張っているのにと、くじけそうになる気持ちを奮い立たせて頑張って飲みました。娘達も手の空いた時間を話し相手になって過去を振り返り、お陰で私の人生が一つにつながり、少しずつ分かるようになってきました。
娘からは「痴呆からの生還ね。」と喜んでくれています。もし漢方に巡り会わなければどうなっていたか、今の私はなかっただろうと漢方薬の偉大さに感銘しております。今は温泉も行きたい、旅行もしたい、おいしい物も食べたいと夢がふくらみます。
ここまでこれましたのも、松本先生のおかげと感謝申し上げます。これからは一人住まいは無理ですが、これ以上痴呆の進まないように祈りながら後の人生をしっかり見つめたいと思います。