「間質性肺炎と診断されて」

71歳男性2013年10月20日

平成20 年7月1日、私達夫婦は、初めて大阪・高槻市の松本漢方クリニックを訪れました。妻が半年ほど前から、リウマチの痛みを訴え、検査したところ、陽性反応が出たからです。その他には、妻は、以前から婦人科でステロイドを多用していた為、その副作用には、10年前後、悩まされてきました。副作用が酷い時には、ムーンフェイスのようになっていたものでした。したがって、妻は、ステロイドに頼らない治療法を模索しておりましたが、遂に、インターネットで松本漢方クリニックに到達出来ました。私は、当日、10 年振りに高校のクラス会があり、出席の返事を出していたのですが、松本漢方クリニック訪問の日が決まりましたので、クラス会は急遽、キャンセルし、付添で私も松本漢方クリニックに伺うことにしました。 航空券については、幸いに米国に居る長男が手配してくれたので、少なくとも私は旅行気分で松本漢方クリニックを訪問することになりました。

当初、私は付き添いのつもりでしたが、折角、大阪まで来たのだから、松本先生にお会いしてみようと夫婦揃って面談させて頂くことにしました。しかし、妻はともかく、当時、私自身、松本理論を殆ど勉強しておりませんでしたので、初対面の先生との対話では、トンチンカンな、不用意な発言をしてしまい、大変な剣幕で怒られた思い出も今は懐かしいものです。当日は、血液検査を受け、袋一杯の漢方薬を頂いて帰宅しました。1週間ほど経って、血液検査の結果が判明しました。私自身、血糖値が高いことは覚悟していましたが、何と、膠原病の一種である間質性肺炎であると判明し、大変びっくり致しました。間質性肺炎とは、初めて聞く病名でしたので、調べたところ、肺の間質が線維化してカサカサとなり、息苦しく、呼吸困難となる難病である由、一旦、線維化してしまった部分は元の正常な肺には戻りません。また既に線維化している事による咳や息苦しさも改善されることはなく、肺の支持組織が炎症を起こして肥厚し、肺活量も低下します。間質性肺炎のKL-6の私の数値は、762と、基準値の500 未満を明らかに上回っており、間質性肺炎が静かに進行していることを物語っているとのことでした。遡って原因を考えて見たのですが、よくわかりません。なお、心臓関係では、2006年6月に心不全のため、S病院に18日間入院し、カテーテル検査を受けましたが、病名は「うっ血性心不全」でした。原因は「拡張型心筋症」と診断されましたが、幸い内服療法で現在に至っています。症状は、心臓肥大によるポンプそのものの機能低下(健康体の約半分)と診断されました。内服薬は、当初、アーチスト(心臓の働き)、ラシックス・ピロラクトン・プロプレス(いずれも、降圧剤且つ利尿剤)、バッファリン(血液サラサラ)、プロテカジン(胃の調整剤)、血糖降下剤のベイスンの7種類でした。また、かねてから私の不安材料であった血糖値は160 (基準値:60~109)と高かったのですが、松本先生は、血糖降下剤には疑問符を投げかけておられ、寧ろ、主食の炭水化物を抜き、当時63kgあった体重を55kgまで減量するよう、先生に言われ、目標が出来たことで、反ってすっきりしました。

以降、初めは漢方風呂(2年位か?)と漢方で治療を始め、現在も私達は、漢方を飲み続けております。お陰さまで、私自身、かつて悩まされていた便秘体質も解消し、二人とも他に医者にも行かず、快適に過ごしております。松本漢方クリニックには、その後、家内は4回、私は2回、診て頂きました。その他、リウマチ対策として、家内は、日々欠かさず、お灸をやっておりますが、確実に快方に向かっており、完治に向けて現在も、頑張っているところであります。

私のその後の数値ですが、下記の通りです。

勿論、現段階では血糖値も、KL-6も基準値に収まっておらず、今後共、漢方治療を続けたく、先生のご指導を賜りたいと存じます。 なお、その間、ダイエットを徹底し、体重を56kg 台まで落とした時には、HbA1Cは何と、5.8まで改善したものでした(2011年3月2日、I病院にて血液検査)。 なるほど、高血圧、高脂血症、糖尿病などは、当に生活習慣から来るものであり、松本先生が言われる「メタボは過剰飲食過少運動病」そのものであると痛感した次第であります。なお、体重はその後リバウンドで、現在、59kgまで戻ってしまいましたが、今後共、目標値の55kgを目指して、ウォーキングやランニング、ストレッチ運動を重ね、是非とも目標達成したいと考えています。

なお、心不全を患う前にも経験したことですが、時々、両腕や上半身に筋肉の痙攣が走るのです。酷い時には、心臓を鷲掴みにされるような、激しい痙攣が続いたことがありました。心不全後も経験した為、掛かり付けの心臓医に聞いてみたところ、何故か、話を逸らされてしまった事にはびっくりしました。 要するに先生は、意味が分からなかったのでしょうか?また、他の医院でも聞いてみたのですが、満足に応えてくれませんでした・・・医者とはこの程度かと、がっかりしました。その後、松本漢方クリニックに伺った際、掛かってきた電話で松本先生がヘルペスの話をされていることに「私自身が悩んでいたのが当に、ヘルペスウィルなのか」と改めて知った次第でした。

今年の7月半ば頃からは、始めは胃の辺り、まもなく次第に上がって来て右肺の辺りにしこりを感じ、最後は脇の下から右腕が腫れたような痛みに変わりました。私は一瞬、「さては、間質性肺炎がいよいよ、迫ってきたのか!」とギクリとしました。しかし、家内は、ヘルペスの仕業ではないかということで、松本先生から頂いてあった、家内の「ベルクスロン」を飲み始めることにしました。また、不安も感じたので、念のため、掛かり付けのI 病院の心臓医へ緊急に診て貰ったのですが、相変らず、さっぱり要領を得ません。この先生から「痛み止めを出そうか」との提案もありましたが、ヘルペスの薬を飲んでいるからというと「そんな筈は無い、ヘルペスは簡単には出せないものだから!」と否定され、勿論、私は痛み止めをもらうのも断りました。そして、家内が松本先生に8月に電話した際には「やはりヘルペスではないか」との先生のアドバイスに従い、「ベルクスロン」を朝、晩飲み続け、9月末、漸く痛みが取れました。結局、ヘルペスの痛みが完全に取れるまで、3ヶ月近くもかかってしまいましたが、前から疑問に思っていた「ヘルペス・ウイルスの仕業」ということが、漸く実感出来て、すっきり、致しました。

また、医者は、仮に数値が改善しても薬を減らそうとは言わないものです。 件の心臓医(1.5ヶ月に1回のペースで通院)も、私の血圧が50~100のときにも、降圧剤の量を減らそうとのアドバイスはこれまで一度もありませんでした。何故か、問いただしたところ、理由は、これら降圧剤も心臓の働きと連動しているので欠かせないからだとのことでした。分からないことはないが、この応えを聞いた時に、まさに松本先生がいつも批判されているように「医者とは製薬メーカーのセールスマンか?」との疑問を抱かざるを得ませんでした。信ずる者は救われるというが、医療については、信じず、合理的に思考することが肝要と、或る本に書かれていましたが、全くその通りかと実感した次第であります。松本先生がいつも、「そもそも、病気とは、体に不必要な異物が侵入して、それを排除しようとして、免疫が働くから、症状が生まれる」と言われる通り、正しい、バランスのとれた生活習慣をしていれば、滅多に病気に罹るものではないことが良く分かります。ですから、私達もこれまでは、妻のリウマチや自身の心不全は別として、病気知らずで、過ごしてまいりましたが、我国の医療費は、年々、ウナギ上りで、確かに診療所、病院へ行っても待合室は日々、盛況を極めておりますが、これはどういうことかといつも疑問に思います。日本人は、世界一、医者好きの国民である、と揶揄されてもしょうがないと思います。少し前、威勢の良かった「アベノミクス」も社会保障費の効率化の具体策は未だ、一向に進んでおりませんし、鳴り物入りでスタートした「社会保障制度改革国民会議」も、将来像を何も決められずに終わっていることは国民を一層、不安に掻き立てるものであります。未曾有の少子化と、先進国で最速する高齢化という二重苦に直面する我国にとって、社会保障改革は喫緊の課題である筈にも拘らず、一向にこれらに向き合おうとしないのは何故なのでしょうか?社会保障改革が国政選挙の普遍の課題だからでしょうか? 例えば、私達、65歳以上の高齢者の割合は、1970年に7パーセントであったものが、先月の 2013 年9月には25パーセントになりました。即ち4人に一人が高齢者となり、2035年には3人に一人が高齢者になるとの予測であります。ですから、先ず、年金制度が耐えられるのか、誰しも不安に駆られますが、2004年に打ち上げられた、年4.1パーセントという高利を前提とした「百年安心プラン」などは、夢のまた夢であり、全くの砂上の楼閣でありましょう。ですから、消費税率を近い将来、仮に25パーセントまで引き上げたところで、歳出もそれなりに膨らむということで、焼け石に水、ということになりかねません。したがって、私達の公的年金も現在の2/3程度まで削減されることもやむおえないと考えておいた方が良いのかもしれません。しかし、ただでさえ、国民年金の満額でも7万円に届かず、生活保護給付の半分以下というのに、現実問題、更に年金水準を現在の 1/3も減らされることが果たして可能なのでしょうか?それでは、あと何が出来るかと言えば、医療費の削減しかありません。

ところで、世界に誇れる日本の二つの安心とは、安全で美味しい水と世界トップレベルにしてリーズナブルなコストで受けられる日本の医療であります。 しかも、日本の医療は、フリー・アクセスであり、保険証1枚で私達は、自由に医療機関を選べるシステムであるからこそ、松本先生に巡り合えたわけでありますから、このような日本の医療制度はありがたく、しっかり、大切に護って行くべきかと思います。それは先日まで、騒がれてきた米国のいわゆる、“オバマケア”を考えればよく分かると思います。米国は先進主要国の中、唯一、国民皆保険ではない国でありました。医療保険は、個人が任意で民間の保険会社と契約しなければならなかったのです。勿論、高齢者や障害者向けのメディケア、貧困層向けのメディケイドという公的保険はあったのですが、無保険者は、6 人に一人、5千万人近くに上ると言われます。しかしそれでも、米国は、医師不足に加え、これまで各病院の医師が好き勝手に決めてきた、世界で断トツに高い医療費、医療業界と製薬業界癒着による無用な薬の多用、甘い基準をパスしてきた新薬の副作用で苦しむ患者の急増など、問題点が多々、噴出して来たのです。このため、医療費の膨張を抑える為にも、2010年3月に医療保険制度改革案が議会を通過し、国民の保険加入が義務付けられた訳であります。勿論、これまで国民皆保険に反対してきた共和党、とりわけティー・パーティーの自助の精神も分かりますが、寧ろ、何故自分たちの税金で今後共、流入して来るであろう貧しい移民を助けなければならないのか、とか、これまで巨利を貪ってきた医療、製薬業界による国民皆保険反対のデモンストレーションの一環ではないかという、穿った見方も出来ます。

話は脱線しましたが、松本先生がいつも言われるように、我国の医療も新薬開発やiPS細胞の研究もさることながら、無駄な医療や投薬を抑え、医療費の削減を真剣に考えなければならない所に来ていると思われます。財政再建に向けては、勿論「入を図って、出を制する」ということですが、例えば歳入部門では、先ず7割超の企業が赤字であるが故に法人税を免れている「税の不公平感」という実態には、私達国民は納得が行きません。赤字企業をこのまま、徴税せず、放置しておいて良いのでしょうか?例えば、外形標準課税下の諸基準の縛りを強め、寧ろ、税収増を図るとか、更に、現在非課税となっている宗教法人、学校法人等に対しても、国の存亡危機に際しましては、この際、応分の法人税を課すべきと考えますが如何でしょうか?

一方、歳出については、財政悪化の原因が社会保障関連経費の膨張にあることは周知の通りでありますので、年金水準の切り下げが上述のような理由から、難しいとしたら、医療費の削減しか財政健全化の道は無いと思われます。更に、私達、高齢者の窓口負担も増やす手立てを考え、国を挙げて国民を薬漬けの現在の生活から護るヘルスケアを行うことこそが必要な対策と考えます。国や政府は、医師会や製薬業界と結託して、新薬開発とか、先進高額医療などで国民を煽ることのみならず、国民にもっともっと、スポーツを推奨するとか、「患者を集めよう!」ではない予防医学や基礎的な医学知識の啓蒙をすべきではないでしょうか。そこで一案があります。例えば、高齢者でその年、一度も医者に罹らなかった被保険者には、支払った保険料の一部をバックするとかのインセンティブも考えても良いのではないでしょうか。また、我国では最近、救急車がタクシー代わりに使われているという批判を聞きますが、一回の利用につき、せめて千円也は徴収してもバチは当たらないのではないでしょうか?日本では、一回の救急車出動で4~5万円掛かるそうですし、海外先進国でも、一回の利用で、3~5万円徴収されるそうです。もっとも、医師会やら医療業界では、救急車は「将来のお客さん」を連れて来てくれるのですから、無料の現行方式の方が大歓迎なのでしょうが。

事ほど左様に、国や政府は、弱者に優し過ぎたのではないでしょうか。左翼政党が標榜する「弱者こそ正義」という、弱者に優し過ぎる社会になったら、昨年までの綱領なき民主党みたいにバラマキをやり、国家は間違いなく破綻に向かうでしょう。痛みを恐れて改革を先送りする国を待っているものは社会崩壊の危機と言えましょう。南欧の苦しみは、日本の明日でもあるわけです。

以上、この手記の中で、何か、私自身の普段の不満やら、疑問点などを呟いてしまいまして、大変失礼いたしました。しかしながら、私達夫婦が現在あるのは、5年前に松本先生にお逢い出来たからだと、心より、感謝申し上げております。リウマチや間質性肺炎などの膠原病、そして病気予防や、普段の健康管理はもとより、人生の生き方やモノの考え方を含めて、私達の生活の原点にあるのは、「松本理論」なのだ、と実感する毎日でございます。その松本理論も今では、ご子息様が先生の心強い「助人」になられたと伺っておりますが、当に、後同慶の至りでございます。後顧に憂いなく、先生におかれましては、これからも益々、お元気で研究を続けられることを切に願わずにはいられません。 今後共、どうぞよろしくご指導を頂きたく、お願い申し上げる次第でございます。