「リウマチ性多発筋痛症に関する治療について」

匿名希望 80 歳2016 年 9 月 17 日

(病歴:平成2年に直腸がんを患い、直腸の一部を摘出し、ストーマに。)

◎「松本漢方クリニックでの治療を始める以前」

2016年10月頃のことでした。今まで問題の無かった右肩が突然痛み、動かなくなりました。あわてて近隣の病院を受診したところ、ステロイドの注射を受けることになりました。注射を打ってもらうと痛みは引き、肩も動くようにはなりました。しかしその数週間後、筋肉痛によってベッドから起き上がることが困難になったため、別の総合病院に3日ほど入院することになりました。そのとき、整形外科の先生からリウマチ性多発筋痛症を発症しているとの説明があり、ステロイドの投与が始まりました。

ステロイドを飲めば痛みは軽減され、体の動きに不自由な部分も無くなるものの、飲み続けるにしたがって副作用が出始めました。たとえば顔が腫れ(ムーンフェイス)たり、顔の火照り・吐き気・息苦しさなどがありました。確かにステロイドは痛みを軽減してはくれますが、副作用が出ているために快方に向かっているような感覚はありませんでした。そのため、様子を見つつ、こちらの判断で一日10mgほど飲むはずのステロイドを少しずつ減らしている状況でした。

そのような日々が4ヵ月ほど続き、最終的には一日5mg程度まで服用を減らしましたが、顔の腫れや吐き気など不快な症状は消えませんでした。次第に本当にこの治療が正しいのか、疑念が募っていきました。

そんな頃三男からの紹介で松本先生のことを知りました。三男は以前私と同じ病気を患いましたが、その際松本先生のご指導によって回復に至ることができたのだと私に説明してくれました。確かに病気を患っていた頃の彼は歩くのも困難な様子でしたが、1年ほどでまったく正常な状態にまで回復したのを見ていたので、漢方治療の効果は疑いようもありませんでした。ならば、わざわざ副作用のあるステロイドを使わなくてもいいのではないかという思いが頭をもたげてきました。

しかし、当時私は79歳という高齢でした。そのため体力にも不安があり、地方から大阪に出向くこと自体、どうだろうという気がしました。それに、彼にできたことが私にもできるのかという心配も当然ありました。そういうこともあって最初は漢方治療に消極的でしたが、家族からのサポートの申し出や、息子からの熱心な勧めもあり、ステロイドを止めて漢方での治療を始めることにしてみたのです。

◎「治療の初期」

2015年3月頃から漢方治療を始めました。煎じ薬、アシクロビルを飲み、数日に一度漢方湯に浸かるというものでした。漢方を飲み始めるのと同時にステロイドによる治療を中断しました。するとすぐに痛みのリバウンドが始まりました。こういうことがあるということは事前に聞かされてはいたものの、想像を絶する肩の激痛で夜も眠れない日が数日続き、痛みのあまりうめき声を抑えられず涙も枯れ果てるほどでした。ステロイド治療に戻るか、死んでしまうほうがましと思うくらいでした。しかしここでやめては何の意味も無いことはわかっていました。家族もほとんど体の動かない状態の私を献身的に世話してくれました。そのおかげもあって、何とか歯を食いしばって漢方の治療を続けることができました。

治療を始めた当初は体のあちこちがこわばり、主に手足に腫れが見られました。体が動きにくく、トイレに行くことや着替えさえも家族の手伝い無しには不可能な状態でした。当時の私は、本当に漢方の効果が出るのかどうかがまず不安でしたし、漢方に切り替えたこと自体間違いだったのではないかと思っていました。が、月の終わり頃から全身の腫れが少しずつ引いてきて、自分は正しい方へと向かっているのだと思えるようになりました。

4月の中頃には、気温が上がったことも影響してきたのか、少しずつ全身の腫れに改善の兆しが見られ始めました。トイレや着替えも自らやってみようと思えるようになりました。家族に手伝ってもらってお灸もすえてもらいました。

体を良くするのだという一心でした。物や人に頼るのではなく、自らの免疫を高めるために、自らが進んで行動していかなければならないのだと学びました。

4月の終わりごろからは、膝下の腫れは依然として残るものの、全体の腫れ自体はかなり引いてきていることが確認できました。そしてその頃から、事前に松本先生からご説明があったように、体に発疹が出始めて痛みが痒みに変わっていきました。先生のおっしゃる通りの経過だったので、正直なところ、驚きました。

5月の上旬になると体中に発疹が広がりました。特に足に関しては発疹とむくみがひどく、発疹の部分は痒みがひどい状況でした。かきむしった場所には皮膚の破れが見られ、足のあちこちから体液が染み出していました。体液はかなりの量で、足に巻いたタオルが2時間もあればひたひたになって、雑巾のように絞れるほどでした。しかしこれは決して悪いことではなく体が悪いものを外へと出そうとしているのだと考え、辛抱強く煎じ薬とアシクロビルを飲み、漢方湯にゆっくりと浸かり、軟膏も塗り続けました。

何しろ漢方の治療には辛抱が必要なのです。自分の体のことをよく理解し、病気のことを勉強し、薬のこともよく知っておかねばなりません。他人任せではいけません。自分の体のことは、自分でどうにかするしかありません。松本先生はこのようなことも教えてくださいました。

◎途中経過

その後治療を続けていくと、全身にあった発疹とむくみは少しずつ体の末端へと追いやられていき、症状はわずかに膝から下の部位に残るのみという状況にまで回復しました。

そして2015年11月頃、発疹はすべて消え、体液の滲出もまったくなくなりました。その代わり発疹のあった場所にかさぶたができましたが、むくみなどは全くありません。

◎現在

2016年1月現在、足のかさぶたは残っていますが、漢方湯に浸かるごとに少しずつ剥がれていき、元通りの肌が見え始めました。足が腫れたり、痛みがあったのが嘘のようです。あのままステロイドでの治療を続けていたらどうなっていただろうかと、ぞっとします。本当に漢方の治療を選んでよかったと思っています。漢方の治療を教えてくださった松本先生との出会い、そして家族の支援に感謝したいと思います。

◎まとめ

痛い目にはあいましたが、自己免疫を高めることの重要性を認識した1年でした。治療はまだ終わったわけではないですが、終着点はもうすぐそこに見えています。リウマチは、従来のステロイド療法を用いずとも完治すると断言できると、私は思います。