「尋常性乾癬手記」
匿名希望52歳2012年12月23日
匿名希望52歳2012年12月23日
尋常性乾癬中間報告
発症前の私
私は未熟児で生まれ、生死をさまよい命拾いをしたのですが、今度は3歳の時に、やけどをしてしまいます。現在、左足首に少し後遺症が残っています。また、9歳の時に火災に会い、救助され、2度目の命拾いをしました。その後 数年間、赤いものが怖くなり、消防車やパトカーのサイレンが鳴ると、動悸がするようになりました。当時、私は絵を習っていてコンクールに出す作品として、火事の光景を書くように言われ、仕方なく仕上げたのですが、私が描いた炎を先生はさらに大きく手直ししました。そんな事があって、私は絵の教室をやめてしまいました。その後、円形脱毛症になって、頭に注射をする治療をしましたが、もしかしてステロイドだったのでしょうか? 幼少期の私は、いくつかのハプニングに遭遇し、いつも心に不安を抱えていたように思います。
発症13歳 それは、瞼の痒みから、始まりました。掻くと赤くなって、皮膚がむけてきました。そのうち、眉毛が痒くなり、フケのようなものがポロポロと落ちて来るようになりました。そして、症状は額へと進みました。
A皮膚科受診 湿疹と診断され、飲み薬と塗り薬(リンデロンVG軟膏)が処方されました。症状が出ると薬をもらってきて、せっせと飲み、塗っていました。高校生の頃は、顔の湿疹は治り、頭に出ていました。濃紺の制服の襟元に、白いフケが落ち、目立って困りました。やがて、薬の副作用が現れてきました。食欲が旺盛になり、お菓子やパンをいっぱい食べて、体重は増える一方でした。ほっぺたは真っ赤になり、顔はまん丸、パンパンに腫れていました。こんな状態が、短大時代、社会人になっても続きました。ステロイドという言葉は知らず、副作用のこともずっと後になって気がつきました。
B皮膚科受診 22歳の頃、総合病院に勤務していた医師が開業したので受診しました。ここでも湿疹と言われ、塗り薬のみ処方されました。飲み薬を止めたからなのか、顔の赤みは薄らいできて、体重は徐々に減ってきました。
結婚に伴い県外で生活をしていましたが、突然夫が他界し、私は故郷に帰りました。この4年間、湿疹は一度も顔を出すことはありませんでした。後に再婚して、平穏に暮らしていましたが、いつしか湿疹が再発しました。再びB皮膚科を訪れました。今度は、アトピー性皮膚炎と言われました。塗り薬をもらいました。首、腕、太ももなどにも湿疹が、度々できるようになりました。
43歳の7月、帯状疱疹を発症。右目の周りから額にかけて発疹ができて、赤くただれ、お岩さんのような醜い顔になりました。飲み薬を五日間ほど服用し、痛みから、痒みに変わって、痒み止めの薬も飲みました。治りかけた頃、頭に湿疹ができていることに気づき、最初に通院していたA皮膚科に、以前と違う医師がいると知り、行ってみることにしました。
A皮膚科受診 脂漏性皮膚炎と診断されました。スプレータイプの外用薬が処方されましたが、これは使うほどに悪くなり、まるで粉雪が舞い散るように皮膚が落ちてきました。私は毎日、新聞紙を広げて髪をとき、鱗屑を落とすことが日課になりました。
三ヶ月ぐらいで、通院をやめました。次に行ったのは、バスで1時間位かかる、市外の皮膚科です。
C皮膚科受診 ここで初めて、尋常性乾癬と診断されました。発症から22年目のことでした。私が「治りますか?」と尋ねると、医師は、「今まで治らなかったのでしょう そう簡単に治りません」 と言いました。そして、特定疾患○×△□のスタンプをカルテにポンと押しました。特定疾患て何?湿疹が治りにくいだけなのだと思ってきた私は、動揺してしまいました。治らない、一生付き合わなければいけないのか、どうしよう、ショックでした。2週間毎の通院で、飲み薬2種類と、塗り薬は毎回変えていきました。何ヶ月かして、飲み薬はツムラの漢方エキス剤になりました。1年半ほど通院して、症状は頭頂部のかさぶた一つになりました。そのうち犬を飼うことになって、私は子犬の世話に追われて、通院ができなくなりました。 しばらくして、また乾癬が広がってきて、今度は漢方薬局に通うことにしました。
D漢方薬局 ツムラの漢方エキス剤3種類、健康食品、紫雲膏という塗り薬で、治療開始し、3ヶ月経った頃、右太ももと左ふくらはぎが、赤紫色に腫れてきて、激しい痒みに襲われました。痒み止めの漢方薬を追加しました。薬剤師に、「体の中の悪いものが出てきているのですか?」と聞きましたが、答えはありませんでした。ステロイドを止めるとリバウンドがあることを、その時の私は知りませんでした。飲み始めて8ヶ月、乾癬の症状が全部なくなりました。嬉しかった。しかし、1ヶ月もしないうちに再発してしまいました。頭全体に広がり、痒く、シャンプーしてすぐに、頭皮が一皮むけるようになってきました。耳の付け根が裂けて痛く、首まで症状が出てきました。今に下へ下へと進んで、全身、乾癬に冒されるのではないかと、恐ろしくなりました。そして高価な健康食品を勧められ、3ヶ月ぐらい飲みましたが、経済的に苦しくなり中断してしまいました。 インターネットで、掌蹠膿疱症の治療に効果があると言われるビオチンが乾癬にも良いらしいことを知り、ビオチン療法をしている大阪のクリニックにバスと電車で行きました。
Eクリニック 初診で血液検査、尿検査、ビオチンの注射をしました。飲み薬はビオチン、ミヤBM細粒、シナールを混合したもの、アレック錠、塗り薬は、アンテベートローション、エクラー軟膏とワセリンを1対1で混合したものです。治療開始後、1週間ぐらいで、劇的に症状が消えました。ステロイドが症状をなくしたのに、無知な私は、ビオチンすごい!と喜んでいました。2ヶ月後に再診、塗り薬は、リンデロンVGローションになりました。初診から4ヵ月後、乾癬が再発しました。8ヶ月後に飲み薬はやめました。塗り薬は、最後にもらったものがある間使っていました。治療を始めて2年半、ひどい状態ではないけれど、常にかさぶたが頭頂部、左右側頭部に、いくつかできていて、気になって掻きむしり、翌日の午後には、かさぶたが再生されていて、また掻きむしるという行為を続けてきました。痒みはほとんどありませんでした。やはり乾癬は治らないのか、治したい、治りたいという思いが、ふつふつと湧いてくるのです。もう一度、漢方をしてみたいと思うようになりました。そして、インターネットで調べ、何気なく開いたページが、松本漢方クリニックでした。
松本漢方クリニック 一目でここだ!と思いました。そして、帰宅した夫にお願いしました。「ここで最後にするから、大阪に連れて行ってほしい」と。すると夫は、「行くなら早いほうがいいよ」と言って、有給休暇を取ってくれました。初診の費用がいくらかかるのか見当がつかなかったので、電話をしましたが、何回かけても話中で通じないのです。来院予定日の二日前に通じて、受付の方におよその金額を教えていただきました。そして、「院長の理論と患者さんの手記をよく読んでから来てください」 と言われました。しかし、頭が悪い私には二日は短すぎました。全く理解できないまま、受診することになりました。
松本漢方クリニック初診 平成24年8月24日、最初に 問診票記入、検尿、看護師さんの問診と理論の説明を受け、初めての鍼灸、そのあと、先生の診察を受けました。何人もの患者さんから、かかってくる電話に対応しながらの診察でした。この時、電話がなかなか通じなかった理由がわかりました。 ぱっとカルテを見てテキパキこなしている先生を拝見して、非凡な方だなあと思いました。
「なぜ、治るの?」という先生の質問に、理論を理解していない私は、しどろもどろの返事しかできませんでした。「勉強してこい!ホームページをよく読むように」 と叱られました。そして「治したる」と言って、私と夫に握手をしてくださいました。その時の先生は、優しいまなざしをされていました。そのあと採血をして、診察を終えました。
薬局で漢方薬の煎じ方の説明を受けました。(鍋の蓋はしない)ということでしたが、我が家は犬が室内にいるので、抜け毛の混入を防ぐために、ざるを被せることになりました。漢方薬の匂いを嗅ぐことも、効果の一つなのだそうです。
夜、鍼灸師さんに免疫を上げるツボに、マジックで印を付けてもらっていたので、消えないうちにお灸をしてみました。もぐさが大きすぎたのか熱くて、翌日、痕が残っていました。明日からお灸は、午後にすることにしました。
治療開始 8月25日 起床後すぐに、漢方薬を煎じ始める。700ccの水に入れてとろ火で40分。ガーゼが無かったので、キッチンタオルを代用したが、全くこせない。液も薬もこぼしてしまう。慌てて、2番煎じをするのを忘れてしまった。
一口飲む。甘い。これなら、抵抗なく飲めそうだと思った。
漢方風呂は、頭に塗る煎じ液の日持ちが2,3日なのと、バスタブの掃除のことを考えて、水曜日と土曜日に入ることにした。熱めのお湯に数分つかる入浴をしてきたので、長風呂は忍耐がいるが、寒くなって(11月現在)心地よくなってきた。
塗り薬は頭髪が邪魔をして、患部に塗りづらいので、夫がつけてくれる事になった。
8月26日 スーパーで大きいサイズのお茶パックを買ってきて、この中に漢方薬を入れて煎じることにした。このパックとても便利、すぐれものだ。こす必要がないし、パックごと捨てることができる。松本漢方クリニックや薬局に薬草パックと言う品名で売っているので、初診時に忘れずに買うといいですね。
二番煎じは、水筒に入れて飲みたい時に、お茶がわりに飲むことにした。
朝食後、排便。ものすごく綺麗な便だったので、感動した。
早くも、漢方の効果が現れる。
8月28日 昼食後、眠くてたまらない。ホームページを見るが、10分位で居眠りをしてしまう。頭に入らない。この眠気は11月初めまで続きました。
9月12日 松本漢方クリニックへ電話。薬の注文と鍼灸の予約をする。
水痘帯状ヘルペスの値が高いので、抗ヘルペス剤ベルクスロンを 服用することになった。
9月13日 午前中に薬が届く。ご近所の告別式に行く。9月半ばだというのに 真夏のように暑い。炎天下でいたためか疲れた。
夕方、頭痛、首痛、目の痛み、吐き気がしてきた。昼食後から ベルクスロンを一週間飲んだ。
9月21日 松本漢方クリニック再診。先に鍼灸をうける。手足を冷やさないようにと言 われる。ベルクスロンを処方していただいた。
9月28日 左二の腕に小さな発疹が、できているのに気づく。
10月1日 右腕の関節のところにも、ポツポツと発疹ができる。少し痒い。
10月3日 漢方風呂や赤と黄の塗り薬をつけると、赤みが和らぐ。
10月4日 左太もも側面に、発疹が少しできる。
10月8日 腕の発疹が広がってきて、掻くと蚊に刺されたように盛り上がり、汁が出てくる。リバウンドが始まった。
10月11日 昨日注文した薬が届く。前回の血液検査の結果が同封されていた。
IgE抗体 16 が 19 に、ほんの少しだけ上昇。
10月16日 発疹がほとんど消える。
10月17日 首のこりがひどいので、ベルクスロンを夜と寝る前に飲む。
10月27日 松本漢方クリニック3回目受診。鍼灸、しもやけ予防のために、指の関節まわりにお灸をしていただいた。 お通じが悪くなったので、便秘と更年期障害の薬を処方していただいた。「手記を少しづつ書いていくといいよ」 と言われる。
11月7日 便秘の薬の効果が弱いのでもう少し強くしていただく。
11月13日 便が柔らかくなってきた。眠気も少なくなってきた。
11月23日 目覚めた時から、頭が痛い。ベルクスロンを飲む。
乾癬が左右側頭部の新しい所にできて、落屑、痒みが出てきた。
初診時に、できていた乾癬は治っている。
11月24日 松本漢方クリニック4回目受診。 連休なので道路が渋滞すると思い、いつもより30分早く家を出る。10時過ぎに到着したが、すでに患者さんでいっぱいだった。今日は眼科の検査をした。鍼灸では、手足がむくんでいて血色が悪いので、ツボに関係なくお灸を沢山するようにとアドバイスされた。診察では、更年期障害の薬を飲むようになって、眠気が少なくなってきた事を先生に伝えた。今、気にしていることはないかと聞いてくださった。
11月27日 下痢気味になってきたので、便秘の薬を一日1~2回にする。
12月5日 松本漢方クリニックへ電話。薬の注文と鍼灸の予約をする。
水痘帯状ヘルペス値 35、9 → 33、9 → 31、1 と、
少しづつ減少しているとのこと。昼間の眠気はヘルペスが原因だったようだ。
手記をメールで送るように言われた。
私は今、完治に向かって歩き始めたばかりです。この先、どんなリバウンドが何回やって来るのか、わかりませんが、焦らずにゆっくりと、心穏やかに治療していきたいと思っています。
漢方や鍼灸の力を借りて、徐々に免疫を高め、IgG抗体をIgE抗体にクラススイッチしてアレルギーに変え、自然後天的免疫寛容を起こし、化学物質と共存できるようになる。そして、病気は治る。松本医学によって長い乾癬との戦いに、必ず終止符を打つ日が来ると信じています。
松本先生、スタッフの皆様、これからもお世話になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。