「1回の漢方薬で夜が眠れた」
68歳
68歳
若い頃からの持病だった喘息が悪化したのは、主人が悪性の病で亡くなってから間もなくのことでした。某製薬会社の漢方薬を娘が見つけてきてくれましたので、苦しい時はそれを飲んで「うん、わりと効く。」と満足していました。しかし、夜中に喘鳴・息苦しさがひどくなり、満足に眠ることも出来ず、夜中に何度も椅子に腰をかけて、苦しさと戦うという状態になりました。ですが、「あと一息が吸えない。」というところまで追い込まれながらも、私があまり危機感を感じなかったのは、やはり喘息が持病であった父の激しい発作を見てきて、喘息とはこんなものだ…という先入観があったからかもしれません。ですから、娘の「病院に行こうよ。」という言葉も、「大丈夫、大丈夫。」と聞き流していました。
そんな夜が1週間余り続いたころ、ついに見かねた娘が電話帳を繰って、アレルギー科があり、駅の近くで通い易く、その上診療時間が長い…と至れり尽せりの医院を見つけ、半ば無理やり連れて行かれました。それが松本先生との出会いにつながる訳ですが、ドアを開け、漢方薬の匂いが鼻に迫ってきた時、私も娘も思わず顔を見合わせていました。二人とも松本先生が漢方の先生とは全く存じておらず、先にドアを開けた娘が「どうする?」と尋ねてきましたが、折角来たのだから診て頂く決心をしました。というのも、主人の晩年には「西洋医療では治療の方法が無い。」と言われ、漢方や健康食品にすがっていましたので、私達には大変辛い思いの匂いだったからなのです。
(漢方薬にも色々あります。漢方を実践している医者にも色々います。正しく処方された漢方煎剤は抗生物質と高血圧と胃潰瘍の西洋医学の薬を除けば、いかなる薬よりも優れた効能を発揮できます。)
けれども先生とお会いして「救急車で運ばれたことは何回?」と尋ねられ、数回あったので私はそれほど重症だったのかと今更の事ながら愕然とし、「必ず治してあげるからね。」という力強いお言葉に「本当に嬉しい。来て良かった!」と心から思いました。西洋医学では喘息の完治は難しく、薬によって生活の質を高める方法しかないという偉い大学の教授の記事を以前読んでいましたので、信じられないような小躍りしたいような気持ちでした。
(大学教授でさえ喘息は完治できないと考えているようですが、漢方煎剤はたちどころに喘息の症状を除去し、最後は喘息とさよならをさせてくれます。)
その日、漢方煎剤を1週間分いただき帰って早速煎じて飲みました。(匂いも味もちょっと辛かった。)夜半、いつもの発作が起こりましたが、薬を飲むと以外と早く横になることができました。次の夜からも、喘鳴・息苦しさや咳き込みはありましたが、薬を飲んですぐ眠りにつくことができるようになりました。
それ以来、発作で夜眠れないということは1度もありません。
(アレルギーの中で喘息が病気としての重篤度はNo.1でありますが、漢方煎剤の治療のしやすさでは逆にNo.1なのであります。長期に大量にステロイドホルモンを投与されてこないかぎりアトピーと違ってリバウンドも何も恐れることはありません。簡単に治ってしまいます。)
今でも、風邪の強い日や急いで歩いたりすると息苦しくなりますが、あの夜、1時間も1時間半も椅子に腰を掛け、発作が治まるのを待っていた自分を思い出す時、「ああ、極楽やね。」と喜びを噛み締めています。松本先生と出会って6ヶ月。お陰で娘と行楽に出かけられるようにもなりました。先生の言われる自然後天的免疫寛容に至りIgE抗体が下がりきり完治するまでまだまだこれからですが、先生の力をお借りして良くなりたいと思っております。
今にして思えば、最初にお会いした日、先生としては不本意ではなかったかと思われる吸入薬をいただきましたが、お陰で1度も使うことがありません。
(初診の喘息患者に対してはほとんど全ての場合、それまでのお薬を一挙に止めさせます。このとき漢方煎剤だけでは喘息の症状を抑えきれないときがあります。そのような緊急事態に対処するために吸入薬を出すことがあります。しかし実際はそのような吸入薬を使う機会は滅多にありません。)
そしてその初診の日、松本医院を知った理由を尋ねられ「NTTのタウンページを見て。」と答えた私に婦長さんがおっしゃった言葉「ここに来てラッキーやったね。」をいつも思い出し喜びを噛み締めています。
「ホンマにラッキーやった!」と。