「免疫が膠原病を治した(リウマチ性多発筋痛症・ヘルペス手記) 」
匿名希望 MS 48 歳2015 年 9 月 21 日
匿名希望 MS 48 歳2015 年 9 月 21 日
はじめに
現在、ヘルペスの症状は残るものの、日常生活は不自由なく過ごせるまでに回復した。院長先生はじめ、松本漢方クリニックの皆様、鍼灸の先生、自らもヘルペス等により体調不良のときも、2 歳児の子育てで時間がない中、協力してくれた妻、甘えたい盛りにいろいろ我慢を強いられた娘、手記を書いてくださった皆様(療養中はいろいろな面で参考にさせていただくとともに元気づけられた)、業務上協力してもらった会社の人達に感謝を述べたい。
松本漢方クリニックで膠原病及びヘルペスウィルスの理論や治療法が確立されていなければ、またホームページにて情報を発信していなければ、病気は治らず今も症状に苦しみ、さらには一生治らず要介護状態になったであろう。
ただ、リンパ球が少ないながらも、自分の免疫が病気を治したことは強調したい。
リウマチ性多発筋痛症は、化学物質の蓄積とストレスにより発症する。ストレスにより副腎皮質からステロイドが生成され、交感神経優位となり免疫機能が低下し、感染していたヘルペスウィルスが増殖する。心の緊張がゆるみリラックスした状態になると、副交感神経優位となり免疫機能が働き、免疫システムがヘルペスウィルスを検知し殺すことにより痛み、強張り、可動域制約などの様々な症状が出る。同時に免疫システムが食品に含まれる保存料、甘味料などの添加物、農薬等や合成洗剤、化学合成医薬品などにより蓄積された化学物質を検知したとき、本来の免疫システムであれば IgE(免疫グロブリン E、5 種類ある抗体の一つ)抗体による体外への排除であるアレルギー反応が起き、次にリンパ球の一種であるレギュラトリーT 細胞(T-Reg)の働きによる免疫寛容に至り、アレルギー反応が終わるのだが、免疫機能が低下していると IgG(免疫グロブリン G)抗体により化学物質を殺そうとする反応が続くため、炎症などの膠原病の症状となる。なお 2003 年に当時京都大学の坂口志文博士(2015 年ガードナー国際賞受賞)が「制御性 T 細胞が免疫寛容の維持に重要な役割を果たす」ことを発見している。従って、膠原病に対しては漢方薬、鍼灸などにより免疫機能を高め、クラススイッチによりアレルギー反応へ転換し、その後免疫寛容に至らせればよい。
もう一つのヘルペスウィルスの症状は、アシクロビルなどの抗ヘルペス剤でウィルスの複製を阻害しながら、自らの免疫で殺し続ければヘルペスの症状は消える。ストレスにより免疫機能が低下するとヘルペスウィルスが瞬く間に増殖するので、ストレスを受け流す心とゆったりと構える心の在り方がとても重要である。実際ストレスを感じると不思議なことに症状は緩和するのだが、その後必ずつらいリバウンドが来た。ただし、症状がでることは免疫が機能している証拠なので良いことなのである。
ストレスとヘルペスの関係については、2005 年には東京慈恵医科大学の近藤一博教授が日本ウィルス学会誌で「ストレスの蓄積が生体機能に障害を生むと、潜伏感染していたヘルペスウィルスが弱っている宿主から再活性化して逃げ出す。再活性化されたヘルペスウィルスは免疫抑制状態で増殖しやすい。」と述べている。
灸については可能な限り毎日やるべきである。症状が重い場所は直接灸をしても全く熱くなく、むしろ気持ちいい。軽い痛みであれば灸をするだけで痛みがなくなりその部位が動くようになる。初期の頃は、時間が許すなら何時間でも灸をしてもらいたかった。地元の鍼の先生も直接灸が一番効果があるとのことだった。灸の後の赤い塗り薬(紫雲膏)は、火傷や軽い傷にも使って重宝した。
鍼についても時間と金銭が許す限りしたほうがよい。足の冷えが無くなるなど、自律神経が刺激され免疫機能が改善するとともに、痛い場所やつらい場所が楽になるので毎日でも行きたい位である。ただし、腕が悪かったり、理論が間違っていたりすると逆効果なので、良い鍼灸院を探すことが重要である。
漢方薬は、鼻炎など他の疾患で漢方薬をお願いした時に、すぐに煎じ薬の効果を実感できた。地道に煎じて飲み続けるのだが、後処理が大変でキッチン用ストッキングを耐熱ガラス瓶に被せて濾していた。8 月になって薬草パックに詰めて煎じるようにしたところ、後処理が非常に楽で、もっと早く試せばよかったと思う。ただし量が多い薬のときは、1 袋に入りきらない。
漢方風呂は体も温まり、痛いところも入浴中は楽になる。また、灸で皮膚にできた火傷にも効果がある。入浴後にリバウンドがあるので免疫が高まることを実感する。娘の顔も赤い湿疹がしばらく続いていた時期があったのだが、他に薬も塗らず一緒に入っているうちに治ってしまった。効果は絶大なのだが、準備と掃除、薬草の処理などに非常に手間がかかる。キッチン用ストッキングに漢方薬を入れたものを綿の袋に入れることにより処理を楽にしていた。 この病気は体が動かないので、一人では漢方薬や漢方風呂の準備、後始末が不可能である。また灸は背中など届かないので、できないところが大部分である。そこで妻にやってもらっていた。家族の理解と協力がないと治らない。
現在残っている症状は、手の指の痛み、肩の周囲の関節の可動域制限、首、背、腰、腕の痛みと強張りなどであり、炎症反応等が消えた今、これらは全てヘルペスの症状である。背中にはミミズ腫れのような蕁麻疹(真皮でのアレルギー反応)が数本走っている。
私の場合クラススイッチ後のアトピーの症状は酷くなかったが、もともとのIgE の数値が低かったことと、リンパ球が少なかったので反応が徐々にしか出なかったためであろう。
化学物質の蓄積で思い当たることは人工甘味料である。筋力をつけるために大量のプロテインを摂取し、ストレスに対処するためゼロカロリーの炭酸飲料を常飲していた。またそれぞれに含まれる果糖ブドウ糖液は遺伝子組み換えのとうもろこしを原料とするため、不自然な成分が含まれていたかもしれない。
TPP が批准されるともっと多くの化学物質が入った食品が出回るであろう。
ストレスについて述べる。仕事上の環境が 2005 年位から変化し、当局の規制が強化されていく。各方面に支障があるため詳しくは書けないが、その他種々の状況から仕事上のストレスが増してきた。2012 年に子供が生まれ、家を新築したが、その後の事業環境の変化により失業等の将来不安が高まる。妻と共働きであり核家族であるため、子育て、そして 2011 年 3 月の震災による放射性物質への対応によるストレス、また実家の家族からのストレス(病気、不幸な出来事など)にさらされる。松本漢方クリニックのホームページによると、ストレス下で鬱にならないため自らステロイドを出すという。振り返ると自分の心が壊れないように体が病気になってくれたのではないかと思う。性格的にも完全主義者であり、能力があり努力家であり、かつ感受性が高いためストレスを受け流せずそのまま受け止めてしまっていた。妻からもその点はよく指摘されていた。「ストレスも心の持ちようによって受け止め方は違うはず。」と。以前であればタバコ(2003 年に止めている。)、飲酒(子供が生まれてから日常的には飲んでいない)、炭酸飲料(健康のため 2013 年秋から飲んでいない。)、スポーツジム(子供が 1 歳の時に退会。)などにより多少ストレスが発散できていたが、それもなくなっていた。もっとも飲酒については適量で止めることが難しく、その場合逆にストレスを増幅させる。
発症(2014 年 10 月~11 月 5 日)
2014 年 10 月 10 日、自動車の修理のためディーラーから借りていた軽自動車で長距離移動したところ、体に合わなかったためか右腰痛になる。腰痛は容易にひかず、10 月 14 日から 17 日の間自宅にあったボルタレンローション(鎮痛剤)をぬり、イブプロフェン(鎮痛剤)も併用していた。この頃、風邪をひく。症状は鼻水と咳。前耳鼻科で処方された抗炎症剤と抗ヒスタミン剤、咳止めを服用する。
10 月 20 日、橋本式操体法の整体院に行き処置してもらう。右の股関節が緩んでいるとのことで締めてもらい痛みは緩和した。両方の二の腕に軽い痛みを感じる。風邪はひどくなる。
10 月 22 日、風邪の症状がひどくなり白い鼻汁がのどへ落ちるようになる。副鼻腔の炎症と思われる。10 月 23 日、右股関節がルーズになり足がまっすぐに伸びなくなる。肩の可動域が狭まったが痛みはない。整体院に行き肩の動きは改善する。腰痛は継続し股関節の違和感と合わせ階段の昇り降りが困難になる。
10 月 24 日、左肩が痛くなる。可動域は横 90°。整体院に行き左肩は上がるようになる。10 月 25 日、右腕が上がらなくなる。整体院で教えていただいたやり方で、自分で肩を押し込み腕が上がるようになる。右肩の痛みはない。腰痛と左肩の軽い痛み、股関節の違和感及び足がまっすぐに伸びないため 2 時間程度の断続的な睡眠しかとれない。
10 月 26 日、左右とも腕が上がらなくなる。じっとしていても二の腕、左鎖骨、左肩などが痛くなる。じんじんするような痛み。衣類の着脱(特にワイシャツ、ネクタイ、スーツの上着)が独りでできなくなる。入浴時の洗髪、浴槽から出ること、背中を洗うことができなくなり要介護状態となる。
10 月 27 日、朝両肩のこわばり、両二の腕、腰の張りのためベッドから上体を起こせず転がるようにして起きる。この日以降ベッドの横にポータブルの畳パーツを重ねて敷き、柔道の受け身のようにして膝をついて起きる。洗顔が困難だった。日中はほぼ一日中寝ていた。整体院に行き腰痛は改善する。肩の可動域は拡がったが翌日には元に戻った。夜は睡眠後1~2時間位で尿意のため起きてしまう。起きた後のどの渇きを伴う。腰、股関節の違和感と肩、左鎖骨の痛み、両腕が上がらないなどの症状で寝返りが打てない。
10 月 28 日、痛みとこわばりが強くなる。首(特に左側)が張り始める。仕事中寒さのためカイロを使用する。夕方体が温まってくると汗をかく。すると痛み、こわばりが楽になる。
10 月 29 日、整体院では筋肉の緊張に由来する体の歪みにより腕が上がらないのが原因と説明されたが、どうもちがうのではないかと考え、症状からインターネットで検索し、どうやらリウマチ性多発筋痛症であることを知る。「両肩に痛み、こわばり。発症から 2 週間以内に症状が完成する。朝のこわばりが 1 時間以上続く。両上腕部筋の圧痛」(Bird and Wood Criteria (1919 年)など)。
病名で検索し、松本漢方クリニックのホームページにたどり着く(院長先生はじめ松本漢方クリニックの情報発信の努力に感謝)。
他の病院の説明では「ステロイドが効くが、減量、中止すると病気が悪くなる」(公益財団法人日本リウマチ財団)とか「ステロイド投与、減量、早くて一年で中止できる人もいるが再発によりステロイドを服用し続ける」(慶応義塾大学病院)など、どうみても治るとは思えないし、原因もよくわかっていないらしい。
その他の治療としてメトトレキサート、TNF(免疫に係るシグナル伝達タンパク質であるサイトカインの一つ)阻害薬、IL-6(インターロイキン 6:サイトカインの一つ)受容体阻害薬による治療(慶応義塾大学病院)があるが、この時点では知らず、手記を書く際に調べて知った。いずれも免疫抑制剤、生物学的製剤であり(炎症性サイトカイン作用阻害、リンパ球の機能抑制)症状を抑えるだけで治らない。そして免疫は下がり続けるためヘルペスウィルスが増殖し様々な苦しい症状が発現する。果ては「原因はよくわからないが、試しにステロイド(プレドニン)を投与したら症状がよくなったのでその治療をしている」という病院の新聞記事まである。ステロイドといえば副作用が強いことは知っていたので、長期連用したくないと考えた。これまで自分や家族が病気で受診した際、説明が矛盾する医師、人の話を聞かない医師を多く見てきたせいもあり、論理的に十分納得できる治療をするとは思えない、そのような病院には行きたくなかった。松本漢方クリニックのホームページの情報のみが、病気の原因から治る筋道までがはっきりと理論的に書かれていた。(この日は概要を理解し、その後わからないところは受診までの間に調べた。)コラムの用語などで不明な点は「大学生物学の教科書 第3巻 分子生物学」(D サダヴァ 講談社ブルーバックス)で勉強した。
この時点では免疫の作用機序、免疫寛容のメカニズムなど細かい疑問は不明のままだったが、他の患者さんの手記やホームページの記述を少し読み、ここなら治るという確信を持った。そしてこの日から全ての薬を止めた。
繰り返しになるが後にわかったことを含め、理論の概要を以下に記述する。
ストレスにより自ら産生したステロイド(コルチゾール)、あるいは投薬されたステロイドにより免疫機能が下がる。(リンパ球の減少、機能低下、リンパ球を作る幹細胞の死滅など)また抗アレルギー薬、抗炎症薬によっても免疫が下がる。その結果として抗体を産出するリンパ球である B 細胞がクラススイッチを起こしにくくなる。
一個の B 細胞は一クラス(種類)の抗体のみ産生する。IgM(免疫グロブリンM;侵入してきた細菌等を感知)から IgG さらに IgE(アレルギー反応の機能を担う)へと産生抗体がクラススイッチしていく。IgG はウィルスや細菌を殺す機能の一部を担っているため、結合組織で体内の化学物質と戦い、いわゆる膠原病の症状が出てくる。どの場所の化学物質と戦うかでクローン病やリウマチなどの異なる(いわゆる現代西洋医学のいう所の)病気となる。IgG は異物(化学物質)と結びつき、マクロファージや好中球(いずれも貪食細胞)により貪食される。化学物質は分解されないので、貪食細胞が吐き出し、再びそれに対応した IgG が創りだされる。その際に分解しきれない化学物質とともに活性酸素や加水分解酵素等が結合組織に吐き出され、炎症、疼痛などが起こる。
IgG と肥満細胞(抗体と結びつくことにより様々な情報伝達物質を出す)が結びつくと IL-4(インターロイキン4)というサイトカイン(シグナル伝達タンパク質)を作る。IL-4 はヘルパーT0(分化前の T 細胞)リンパ球と結びつき、ヘルパーT2 リンパ球に分化させる。これが IL-4 を作り続け、IgG を作っていたB 細胞に IL-4 が結びつくとクラススイッチさせる遺伝子がオンとなり IgE へと抗体生産を変える(クラススイッチ)。IgE は肥満細胞表面に結合し、その IgEがアレルゲン(抗原)と結合すると、肥満細胞は大量のヒスタミンを放出しアレルギー反応が起きる。
また、ヘルパーT2 リンパ球は IL-10 と TGF-β(Transforming Growth Factorβ:サイトカインの1種)を作り、ヘルパーT0 リンパ球をレギュレトリーT リンパ球(T-reg)に変える。T-reg は化学物質に対する抗体を作る B 細胞の働きをストップさせ、免疫寛容を起こさせる。免疫機能が低いと免疫寛容を起こしにくい。
免疫機能が低下すると神経節に潜んでいたヘルペスウィルスが神経細胞内で増殖する。そして免疫機能が回復、向上したときにリンパ球である細胞傷害性 T細胞とナチュラルキラー細胞がヘルペスウィルスと戦う。その時に様々な症状が起こる。
細胞傷害性 T 細胞は、ウィルスに感染した細胞内のウィルス断片と MHC クラス 1 タンパク質(細胞表面に存在する標識のようなもの)が結合したものを認識して結びつき、ウィルスの増殖が完了する前に細胞死(アポトーシス)させる。
ウィルスにより MHC の機能を異常化(阻害、発現そのものを抑制、あるいはニセの MHC を発現)された感染細胞に対しては、細胞表面のウィルスの一部にIgG と結びついたナチュラルキラー細胞が結合し、細胞死させる。つまり免疫機能が低下するとヘルペスウィルスが増殖するとともに、化学物質に対していつまでも IgG で戦い続けるために炎症、圧痛などの症状が出る。そして免疫が少し戻った時に(ストレスがなくなり体内のステロイドが減少した時など)ヘルペスウィルスに対しリンパ球が戦うためにこわばり、疼痛などの症状が出る。
従って治療法は、抗ヘルペス剤によりヘルペスウィルスの増殖を妨げる(ウィルスの DNA 複製を阻害する)とともに自らの免疫を上げてヘルペスウィルスを殺し、神経節に押し戻す。化学物質に対しては自らの免疫を上げて IgG からIgE の戦いへと変え、膠原病をアレルギー反応にする。その後アレルギーをさらに免疫を上げることにより治す。(化学物質との共存:免疫寛容)免疫は漢方薬、漢方入浴剤、鍼灸によって上げるが、ストレスを受け止める心の持ち方が(自分でコルチゾールを出さないこと)なにより重要である。妻に「松本漢方クリニックで治療したい。ホームページを読み、内容を理解した上で一緒に来てほしい。概要を A4 一枚にまとめたから読んで。」と伝えると即了解を得る。理解ある妻に感謝。
10 月 30 日~11 月 3 日
頭痛、左右ハムストリングス(大腿部の裏)の痛みが加わる。せきがひどくなる。洟はなが膿汁になりのどに落ちる。朝、首、骨盤周りのこわばり、痛み。耳、内転筋、膝の痛み。日々こわばり、痛みの箇所が増えていく(左上腕二等筋、肩の痛みも強くなっていく)。睡眠は1~2時間毎、尿意で起きる。熱は朝 39℃台、夜は 38℃弱あり、集中力は低かったものの、不思議と仕事はこなせていた。熱はあったが寒く感じていた。後で思い返せば、この時点で薬をやめたリバウンドが出ていたと思う。
11 月 4 日~5 日、咳は少しよくなる。痛み、こわばりは小康状態。熱は 38℃台。寝返りは少し打てる。睡眠は1時間毎の断続。
松本漢方クリニックへ そして治療開始(2014 年 11 月 6 日~12 月 23 日)
11 月 6 日、自分と妻の仕事のスケジュールを調整し、2 歳の娘を母に預け、高槻に発つ。新幹線を乗り継ぎ 24 時過ぎに高槻着、ホテルに前泊する。妻を同伴したのは、今後の治療の理解と協力のためもあるが、一人では入浴、着替え、ものを持つ等、身の回りの世話が全く出来なかったためでもある。
11 月 7 日、朝一番に受付を済ませる。妻と一緒に副院長先生の診察を受ける。病気の原因など理論についての質問を受けた。妻も予め質問を用意し回答を頂いた。治療方法及び食事の重要性を伝えていただく。良質の脂質(オメガ3、フラックスオイル、ココナッツオイル、エキストラバージンオリーブオイルなど)、タンパク質特に青魚(生、蒸す、煮る、の順に望ましい。焼き魚は焦げた部分に毒性の強い AGE:Advanced Glycation End Products が出来るので勧めない)、野菜を十分に摂取すること。糖質は不要。玄米については酵素抑制物質が
あるのでビタミンなどの吸収を妨げると伝えられる。ちなみに当時フラックスオイル、ココナッツオイルは妻が常用していたが、私は熱心ではなかった。また米は玄米 100%を食していたが、後に発芽させることに成功し酵素抑制物質の問題点は解決した。
出来れば2~3ヶ月毎に検査のため来院してほしい旨を伝えられる。この時、妻も首の発疹(10 代の頃、全身原因不明の発疹があったが、それが再発)の診察を受ける。また妻が眼筋型重症筋無力症(片目がしっかり開かず、夕方にかけてひどくなる)であることを告げると、院長先生が何か(コラムのことか)書いていたから相談してみると伝えられる。採血中に院長先生にお目にかかり「何でこの病院を選んだの」と質問される。「治る筋道がはっきりしているから」と答えたと思う。院長先生は力強く握手をして下さった。妻に対しては「重症筋無力症はヘルペスが原因だよ。でも困ってないでしょ。」とおっしゃられた。
(後に妻が頭痛で抗ヘルペス剤を処方して頂くと、1 回飲んだだけでバッチリと目が開いた。確かにヘルペスウィルスが原因である。以前大学病院でプレドニンの処方をされたが、たいして効果がなく、むくみや消化器の炎症などの副作用が強かったため 1 週間位服用した後自己判断で治療は止めていた。)
この日は午後 1 時から空いていたので早田鍼灸師の鍼灸を受けた。妻も灸のやり方の説明を受け質疑をし、丁寧に答えて頂いた。「鍼灸は交通事故メインのところは止めたほうがよい」と言われる。灸は全く熱く感じなかったし、鍼も全く痛みを感じなかった。
血液検査の結果がでるまで 8 日分の薬を処方される。処方された漢方煎じ薬(食前に治打撲一方湯、食後に大防風湯)漢方入浴薬(解毒潤肌湯)咳に葛根湯エキス顆粒、洟に小青竜湯エキス顆粒、抗ヘルペス剤アシクロビル 1 日8錠、灸のあとに紫雲膏のほか艾(もぐさ)を購入する。漢方薬、入浴剤はゆうパックで自宅に送り、抗ヘルペス剤、葛根湯のみ手持ちにしてこの日はそれらを飲む。
家に着いたのは午後 9 時頃。疲れもありこの日は 12 時から 3 時まで連続して眠れた。その後は 1 時間半から 2 時間毎に起きる。
11 月 8 日~14 日、治療開始、漢方薬の煎じ、漢方風呂の準備、灸は妻にお願いした。睡眠は 1~1.5 時間毎に寝汗と尿意で覚醒する。覚醒時に背中の張り、痛み。寝汗がひどいが着替えが出来ないので、不快だが朝までそのままである。起床時両腕、背中、臀部、両膝裏、内転筋のこわばり。腕は動かすと痛い。右足の付け根の鈍痛のため階段の昇り降りが困難。脚の痛みは日毎に外側へ拡がっていく。左腕、左肩に加え右手首にもこわばりが発生する。左ふくらはぎ痛がひどくなる。(全てじんじんする痛み)右目の目頭にイボのようなものが出来た。
11 月 11 日(治療 3 日目) 両腕が上がらなくなってから初めて自分で頭を洗
うことが出来た。
11 月 13 日(治療 5 日目) 痛みを我慢すれば右腕が前からほぼ完全に上がる
ようになる。(その後リバウンドにより再び 90 度以下しか上がらなくなる)この期間中、熱が下がって思考力が戻ってきたのと、夜断続的に起きるため、松本漢方クリニックのホームページを精読する。早ければ 2 ヶ月で治った人の手記もあり、3月まで(5 ヶ月)に車の運転も含め日常生活が普通に送れるようになればと期待する。熱と全身の倦怠感で松本漢方クリニックに提出した問診票の投薬の記載部分を今回の発病からと勘違いしていたため、過去のお薬手帳や記憶を頼りに既往の薬、病歴をまとめ始めた。
幼児期に水疱瘡にかかる。このときヘルペスウィルス感染。小学校に上がるまで小児喘息、治療投薬内容は不明だが、通院した日は吸入をしていた記憶がある。小学 1 年生の夏休みに髄膜炎で入院。脊髄液を取られた記憶はあるが治療内容不明、数日昏睡状態で点滴をしていた。点滴に抗生物質の他にステロイドが入っていたかもしれない。小学校高学年から中学、高校とアレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎との診断。冬季の厳寒期のみ症状がでるため、アレルギー性については少し疑問がある。アレルギーはあるが直接の原因ではなかったと思
う。
12 歳位に耳鼻科に通院していた、吸入、ボスミン(アドレナリン)などの治療。鼻中隔湾曲で手術の必要ありと言われたが、耐えられないほどの症状でもなかったので以後数十年耳鼻科へは行っていない。(20 年位後、この医師は非常に手術を好んでいたと知人に聞く)副鼻腔炎は大学進学時に上京し暖かい環境になると自然に症状が出なくなった。以後 33 歳位までは病院へ行ったのは、インフルエンザ 1 回、耳鼻科数回、名古屋へ出張中に右脇から腰にかけて発疹、ダニに刺されたかと思い皮膚科受診 1 回。そのとき不明の塗り薬(おそらくステロイド)を塗られる。その他、冬季に風邪を引いたときに咳止め、鼻炎の薬。
転職帰郷後、耳下腺炎など頸部のリンパ節が腫れ発熱、倦怠感。内科にて点滴(ステロイドが含まれていたかもしれない)、投薬数回(抗生物質、咳止め、抗炎症剤など)。右目の違和感、結膜炎、ものもらい(全て右目)により抗菌薬の他フルメトロン、オドメールなどのステロイド点眼薬処方。毛嚢炎により抗生物質投薬。頭痛で受診の際、神経ブロック注射を肩に 1 回(これは本意ではなかったが抵抗しきれなかった。松本漢方クリニックのホームページの手記「リウマチ性多発筋痛症手記 KN 様」の院長先生コメントによるとステロイドが入っていた可能性もあり今でも残念に思う。痛みが消えなかったので入っていなかったかもしれないが。因みにこの医師に処方された薬は信用できなかったため、飲まずに全て捨てた。)左踵、右脛、右腕などの発疹、皮膚炎で 4 回皮膚科受診。リンデロン、アンフラベート、マイザーなどのステロイドをそれぞれ 3 日から 1 週間塗る。
2013 年 12 月、尿路結石で夜間救急病院へ、ボルタレン座薬及び錠剤処方。石は 2 日位で自然に体外へ出た。
2014 年 4 月、右足首が腫れて激痛。痛風の疑いと診断される、ロキソニン内服薬とアドフィードハップの湿布。2 日位で治まる。前後で尿酸値は正常であったため今回のリウマチ性多発筋痛症の最初の症状だった可能性がある。(余談だがもし痛風なら、尿路結石、リウマチ性多発筋痛症と男性の3大痛い病気を経験したことになる。苦痛でいえば短時間だが尿路結石が一番きつかった。今回の病気の激痛を乗り切れた一因かもしれない。)
2014 年 7 月、外痔の軟膏 2 週間塗布(不明だがステロイドの可能性あり。伊藤昇様のリウマチ手記の院長先生コメント参照。)
他発症前 3 年位は風邪を引くと頻繁に耳鼻科へ行き、ボスミン塗布、吸入の他、抗ヒスタミン剤、消炎剤、咳止めなどを内服。市販の風邪薬なども気軽に内服していた。
特にここ 3 年位の薬の乱用が免疫を低下させていたと思われる。この時点では相当のリバウンドを覚悟した。もともと、我が家では薬の副作用事典を複数持っていて、妻や娘が薬を処方される度に調べて、これは飲まないほうがいいとかアドバイスしていたのだが、こと自分のことになると根拠のない過信により安易に服用していた。(仮に重篤な副作用がなくとも累積すれば体によくないのは放射性物質と同じ。今振り返れば大多数の薬は毒物であり本当に馬鹿なことをしていたと思う。)妻からはしょっちゅう薬に頼りすぎと注意されていた。
ここまでの治療内容は鍼、松本漢方クリニック受診時 1 回。灸、痛いところを中心に毎日 1 時間以上。漢方薬毎食前後。アシクロビル一日 8 錠。漢方浴剤週 2 回。
11 月 14 日、電話受診。副院長先生より「遠くからありがとうございます。」とお礼を述べられる。遠方のため電話受診により薬を送付して頂けるのはこちらこそ非常に有難い。右目のイボのことを伝えると「たぶんヘルペス」と即答。(右目だけステロイドの点眼歴があるが、この時点ではお伝えしていない)既往の薬、病歴について 12 月の再診時にまとめてお伝えすることで了解を得る。そしてヘルペス値の検査結果はまだ返ってきてなかったためその他の検査結果の説明を受ける。「血沈 85(正常値 5 以下)CRP6.79(正常値 0.30 以下)で非常に重症。副腎皮質ホルモンのバランスが悪い。コルチゾール値が高い(ストレスが高い人)。13.8%とリンパ球比率の値が低い(正常なら 30~40%)。ステロイドの影響である。若いので回復する可能性はある。病名をつけるとすればリウマチ性多発筋痛症。ゆったりとした気持ちで過ごすことが大事。」と伝えられる。この時点で 2 か月では治らず、最低 3 月までの 5 か月はかかると覚悟した 。
コルチゾールが高いため、リンパ球比率が低く白血球数も少ない。したがって ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)も刺激する必要がないため低い。γGTP については後に院長先生に飲酒の有無を聞かれ飲まないと答えたら、ヘルペスによる肝炎とのことであった。
この頃、娘の胸に内出血とともに直径 3 ㎝位の大きなしこりができる。当初皮膚科に行くがわからないと言われ、地元の大学病院受診を勧められるが安易に受診させたくなかった。結果的に良性だったとしても生検で組織を取られる可能性があり傷が残る。悪性の場合でも、病院及び治療方針は家族主導で全国の選択肢から選びたかった。最悪の場合動けない自分が娘の治療の足かせになるかと思うと自らの存在を抹消したくなった。幸い他の外科、小児科に行き両方で良性と診断される。
11 月 14 日~24 日
睡眠は 1~2 時間毎に覚醒。夜になると体の痛みが増す。(仕事中ステロイドを出しているリバウンドと思われる。)熱は 36.7℃~37.5℃。倦怠感が続く。相変わらず寝汗がひどい。咳は一時よくなったがぶり返す。当初から手の指が震えている。(妻の指摘)夜、口が渇く。(12 月中旬まで続く)左後頭部がキリで刺すような頭痛。痛みの範囲が広がる。両膝の裏、左踵、両手は朝夜キリで刺すような痛み。左右肩前部、左肩後ろ、右肘、両腕から手の先までじっとしていてもガラスがささるような痛みが強く吐き気がする。加えて両腕、骨盤周りは圧痛、じんじんする痛み。両腕の可動域が狭まる。右目から目やにがでるようになる。朝起きた時、右手、腰の強いこわばり。右手首の腫れと痛みで字が書けない。灸をすれば何とか書けるが長時間はきびしい。朝の階段の昇り降り、タクシーなどへの出入りが困難。ペットボトルの蓋が開けられない。右前腕、右手のこわばりは灸で改善する。ガラスの空コップでも非常に重く感じる。
首が回らない。依然として入浴時に体を浴槽に沈めること、浴槽から立つことができない。背中を洗うことができない。衣類の上衣、特にシャツの着脱が困難。
11 月 20 日
地元で初めての鍼灸院での治療、首に薬疹がでていると言われる。
11 月 23 日~
腰のかゆみ。灸をしていないところも爛れている。両脇の下から体側がかゆい。クラススイッチの始まりか?症状は強くなっているが免疫力が上がっているためであり、症状が出ないと治らない。夜眠れないのでホームページでコラム、手記を読み続ける。長期のステロイドはリンパ球に分化する幹細胞(StemCell)を殺し、元に戻らないと知る。同じ病気だけでなくリウマチなど他の膠原病、クラススイッチ後に備えアトピーの手記も読む。アトピーの辛さを知り少々落ち込む。
鍼灸については、松本漢方クリニックのホームページで、治療に理解があり、かつ技術を伴わないと逆効果であると書かれていたこと、松本漢方クリニックの早田鍼灸師から交通事故メインのところは止めたほうがいいと言われたことなどから、インターネット、電話帳から時間をかけて慎重に選択し、結果的に最初から最良の鍼灸師と巡り合いお世話になっている。西洋医学の薬を否定し、免疫を上げることを重視して治療されている方で、西洋医学もよく研究され、膠原病など難病を治した経験も豊富で技術もあり、時間をかけて丁寧に診てくださっている。家では妻に灸を 100 壮以上してもらった。水ぶくれになる場合があるが後にホームページで大量のヘルペスウィルスが殺されるためであると知る。
11 月 25 日~30 日
11 月 25 日電話受診。院長先生よりヘルペス値の検査結果の説明、数値が高いため、アシクロビルが 10 錠に増える。コルチゾール値が高かったためか院長先生には気を使って頂き、いろいろ雑談をしていただく。この期間、動かしたりするときに生じる筋肉の痛みが減り、キリキリとしたヘルペス痛の割合が増える。朝の強烈な体のこわばりは緩和したものの、首の張り、肩の突っ張り、体のこわばり(全てヘルペスによるもの)は続く。外転筋がヘルペス痛になる。左ふくらはぎは腫れが治まるが、右手首は痛風のようにパンパンに腫れる(化学物質による)。浴槽から立ち上がりにくい(化学物質)。歩くのが異常に遅い。
低い椅子から立てない。股関節に違和感がある。あぐらはもちろん、正座もできない。寝汗は減ってくる。睡眠は 30 分~1 時間おきに覚醒。体のかゆみは減ってきたが、腹部に乾いた赤い一様な発疹ができる。松本漢方クリニックのホームページでソリブジン事件について読み、非常に残念に思う。
11 月 28 日、背中、腰の灸の数が減ってきた。
11 月 29 日~30 日、かゆみが減るとともに、ヘルペス痛が増す。
11 月の治療
漢方薬は毎日。漢方風呂週 2 回(1 回一時間以上目標、入るたびに顔にニキビのようなものがでた。右目から目ヤニがでる。)灸は毎日 1 時間以上。アシクロビル 10 錠/日。鍼は自律神経中心に 4 回。食事はタンパク質(抗体及び皮膚のもと)を意識して摂取。生のナッツを浸水し酵素抑制物質を除去したもの、及び魚がメインであったが、娘の食事の関係から肉や焼き魚も食べていたため完璧ではない。病気の前からだが朝夕バイタミックスで作るスムージーにて野菜の細胞壁を粉砕した状態で飲む。免疫を上げるため入浴中に気付いた時に爪もみをしていた。体が冷えると免疫が低下するため、夜間頻繁にトイレに行くのでトイレ用に小型の暖房機を購入し、日中はカイロなどで体が冷えないようにした。また、同じ病の KN さん、松山さん、白石さんの手記を繰り返し読んでいた。
12 月 1 日~10 日(治療 1 ヶ月目)
睡眠は 30 分~2 時間毎、1 時間毎のことが多い。右顎、首がこわばり、右手首、右足甲もこわばり、腫れた。さらに左足甲が腫れて痛みが強い。左足甲は鍼をうってもらうと痛みが治まる。左右の肩前部、上腕三頭筋、上腕二頭筋、両腕の肘から前腕にかけて痛みがある。特に左肩の痛みが強い。両手の親指がビリビリして痛くなり、やがて全ての指、手のひらがビリビリするようになる
(ヘルペス痛)。この期間腰のかゆみがなくなり、両脇のかゆみが一時減った。
12 月 11 日~16 日
発病以来、家事及び 2 歳児の育児の負担を全て妻が負う。当時化学物質と放射性物質への懸念から午前と午後のおやつ、昼食のメニューに合わせて安全な材料を手配し、全て手作りで保育園に持ち込んでいたので大変な労力であった。さらに自分の仕事に加え、毎日の灸、漢方を二種類煎じること、漢方入浴の準備と後処理、私の介助などから妻の体調が悪化する。妻への配慮が足りないとの主張より口論となり、そのストレスにより体内から大量のステロイドが出たためか体の痛みが弱まる。数日後そのリバウンドからか左右肩甲骨の痛み、こわばりが加わり、両肘から手首の痛みが強まる。左半身がこわばり、違和感が強い。倦怠感が増す。発病以来、断続的ではあるが睡眠は取れていたのだが、キリキリするヘルペスの痛みで初めて眠れなくなる。ストレスが体に悪いことを実感する出来事であった。
12 月 17 日~22 日
左右肩甲骨がこわばり、横になっていると圧迫痛がする。左鎖骨、左肩前部がキリキリと痛い。右後頭部が軽くキリキリする痛み(おそらくヘルペス)。首はこわばり動かすと痛い。首、腰は同じ姿勢を続けていると固まってしまう(ヘルペスによる)。両肘、右前腕のキリキリする痛み、張り。左上腕三頭筋は動かさなくても痛くなる。筋肉が引っ張られるような鋭い痛みであった。両膝の裏側、ハムストリングスは押したり、動かしたりすると痛い。足首、左足の甲がぶくぶくと腫れて痛い。右手首が腫れ動かすと激痛(化学物質による)。手首は鍼をうつと痛みは治まり、朝に灸をすれば日中はなんとか字が書ける状態。キリキリするヘルペス痛は特に夕方から翌朝にかけて、じっとしていても痛い。横になると楽になる。入浴後 2 時間位すると軽いリバウンドが起き、右腕、上腕が刃物でえぐられるような痛み。倦怠感がひどく、仕事のない日は鍼灸をしてもらっているか、食事をしているか、寝ているかの状態であった。
家族の献身と軽快への道のり(2014 年 12 月 24 日~2015 年 1 月 18 日)
12 月 24 日
妻と娘と三人で京都に前泊し朝から松本漢方クリニックへ。もぐさは持参し、漢方薬は事前に 3 日分を作り、ホテルへ送っておいた。朝一番で受付、鍼を昼から予約していたのだが、空いていたため先に鍼灸の治療を受ける。副院長先生の診察を三人で受け、採血。採血中院長先生にいろいろなお話をして頂き、握手及び肩をたたいて頂く(痛かった。後にホームページで読むと、力の入り具合と痛みの程度から回復具合を診ているとのこと)。採血後看護師の坪内さんにもいろいろとお話しをして頂いた。翌 25 日も鍼灸治療を受ける。
12 月 26 日
京都のホテルが寒かったせいで、娘が 40℃の発熱。翌日には回復するが今度は妻が倒れる。これまでの疲労の蓄積かと思われる。帰路、空港から妻の運転、体調がすぐれず高速道で危険な運転のうえ吹雪で視界が悪いが自分で運転できないため替われない。ある意味一番の生命の危機であった。
12 月 27 日
右脛から足首にかけてポツポツと発疹ができる。頭が赤くなりかゆくなる。
12 月 30 日
股関節のこわばりがなくなり普通に歩けるようになる。
12 月の治療
灸、ほぼ毎日背中など自分で出来ないところを妻が 1 時間。自分で腕など 1時間、計数百壮。
鍼 18 日。両腕、肘肩、背中、足の甲など痛いところと免疫のツボ。検査結果でリンパ球が少なかったため、免疫を上げようと行けるだけ鍼灸院へ通った。
鍼のあと瞑眩(めんげん:漢方用語で治療後一時的に症状が悪くなることで治療効果の現れる証拠)により非常に眠くなる。
アシクロビル 10 錠/日
漢方薬は前月と同じ。
漢方風呂、週 2 回。12 月に入り漢方風呂に入ると体が楽になることを実感する。顔につけると右眼からヤニが多く出る。育児や家事(風呂の掃除、当然自分では出来ない)などの関係から充分な時間入れないこともたびたびであった。 食事は玄米を発芽させることに成功したため、酵素抑制物質の問題はクリアした。ごはんは玄米 100%である。パンはライ麦か全粒粉。
1 月 1 日~5 日
腕をタオルで拭いたとき、服が引っ掛かるときに皮膚が無理やり引きはがされるような激痛(ヘルペス)。京都で風邪を引いたためか副鼻腔炎になる。脇の下がかゆくなくなるが、背中、腰にかゆみが出てくる。足がだるくざわざわするような不快感。腰の疲れ、背中のかゆみ、足の不快感で午前 2 時から 3 時頃まで眠れない。睡眠は 30 分から 3 時間毎。
1 月 6 日(治療 2 ヶ月目)
松本漢方クリニック電話受診、副院長先生より検査結果を聞く。「CRP2.79、ヘルペス抗体価 92.3 と改善している。コルチゾールは正常値になっているが、リンパ球は14.4%と低い。治らないことはないが、時間はかかる。」と伝えられる。副鼻腔炎の薬を処方してもらう。リンパ球が低いのは正直がっかりしたが、前回よりは上昇しているので気持ちを切り替える。治るまで数年かかるかもしれない。
幹細胞が死んでリンパ球が増えないのなら、免疫を上げて質を高めるしかない。リンパ球の低い人を中心に更に手記を読む。確かに治るまでの時間は年単位でかかっている。この日初めて 180°寝返りが打てた。
1 月 7 日
ストレスを受け流すように意識したため、コルチゾール(ステロイド)が低下したうえ ACTH も正常範囲内になった。リンパ球比率は相変わらず低いが前回よりは増加、白血球数も増えているのでリンパ球総数は増えている。ヘルペス抗体価も低下している結果、γGTP も正常値となった。
1 月 8 日~10 日
午前 3 時頃まで眠れない。日中は眠れる。右前腕がヘルペス痛でじっとしていても痛い。左肩甲骨は動かすとゴリゴリ音がする。胸も押すと痛い。
1 月 11 日~18 日
両掌、拇指がビリビリする。右手の指が痛くなり動きがスムーズに出来なくなる。脚のざわざわ感はなくなる。18 日電話受診、症状の原因としてのヘルペスを強調される。
クラススイッチからリウマチ治癒(2015 年 1 月 19 日~8 月)
1 月 19 日~22 日
頭、背中がかゆい。脛がかゆく、特に左脛(以前皮膚炎で 2 週間ほどステロイドを塗っていた)がボコボコと湿疹となる。
1 月 23 日~31 日
苦痛なく横向きに寝られるようになる。床に体育座りが出来るようになった。
背中がかゆくて夜眠れない。クラススイッチが本格的に始まったのではないか。
1 月の治療
灸、鍼の日以外に毎日背中など自分で出来ないところを妻が 15 分から 1 時間。
鍼 8 日。アシクロビル 10 錠/日。漢方薬は前月と同じ。漢方風呂、週 2 回。
2 月上旬(治療3ヶ月目)
頻尿がなくなる。背中のかゆみと脛の湿疹がなくなる。腕の痛みが気にならなくなる。体調がよくなり、仕事、病気と関係のない物理、経済学、小説などの本を読めるようになる。発病後、初めて一人で入浴できた。ぎこちないながらワイシャツなども一人で着られるようになった。3 日電話受診。以前毛嚢炎を患ったところが化膿したので 10 日電話受診して抗生物質(フロモックス錠、エルタシン軟膏)を処方して頂く。ブドウ球菌感染で膿は自然にでるだろうとのこと。
2 月中旬
背中がまたかゆくなる。腕の可動域は正面から左 100°右 90°。横は両腕とも 60°位まで改善。毛嚢炎が治った。日によっては6時間続けて眠れた。腕が使えるようになったので漢方薬を自分で煎じることとする。
2月下旬
背中がかゆく、掻きすぎて出血を繰り返す。右眼のイボのようなものが気づいたらなくなっている。手の指のふるえが気にならなくなる。入浴後軽いリバウンドがあり、左上腕三頭筋が痛い。左股関節に違和感がある。首、背中、腰に張りがある。仰向けの状態から両腕を開いた状態で床に腕がつかない。
2 月の治療
灸、毎日 15 分から 1 時間。灸はいままで全く熱く感じなかったが、場所によっては熱く感じるようになった。鍼 13 日。鍼も痛く感じることが多くなった。アシクロビル 10 錠/日。漢方薬は前月と同じ。漢方風呂、週 2 回。
3 月 3 日
着替え、入浴ができるようになったので一人で松本漢方クリニックを受診。院長先生にいろいろなお話をして頂き、治るからとおっしゃられた。握手をして頂き、今回は握り返すことができた。もともと握力が弱いので弱々しかったが。「一緒に世の中を変えよう」と言われる。また、「遊んで行って」と言われたが、スケジュールがタイトだったので、翌日鍼治療をしてそのまま帰った。いつか家族でゆっくり京都を見て歩きたいと思った。
3 月 5 日(治療4ヶ月目)
背中がかゆいので妻によく見てもらうと、灸をしたところ以外にも赤い発疹が出来ているとのことだった。軽いリバウンドにより左肩、左鎖骨、上腕に強い痛み。睡眠は 1~4 時間毎。
白血球数が減少しているのが気になるが、リンパ比率が上昇しており免疫が高まってきているのでうれしかった。ヘルペス抗体価も下がってきている。(院長先生コメントは今回発症してからステロイド治療をしていないのでリンパ球が上昇、MMP3 の値が高いのは掃除をしているからとのことだった。)
3 月中旬~下旬
背中のかゆみは続く。夜の尿意はなくなった。正座が難しい。あぐらがかけない。体育座りで脚が閉じない。首に張りがあり固まって動きにくい。腕は押すと痛い。右股関節、手の指、足の指、肩甲骨がときどき痛む。夜はアドレナリンが切れるためか仕事の後のリバウンドで背中、両鎖骨、僧帽筋が痛む。腕は横から 70°位まで上がるようになる。肩甲骨の可動域は広がったが、肩関節は固まっている。
3 月の治療
灸、出張中を除き毎日 30 分から 1 時間、約 100 壮。鍼 10 日。アシクロビル10 錠/日。漢方薬は前月と同じ。漢方風呂、週 2 回。
4 月上旬(治療5ヶ月目)
腕がたまにかゆい。肩甲骨を動かすとゴリゴリする。右手中指のこわばり。発症以来、初めて車に乗り、2km 位運転できた。長い距離は怖くて運転できない。これ以後しばらく運転は控えた。睡眠は 1~4 時間毎。
4 月中旬~下旬
ハムストリングス、足首、足の裏に軽い痛み。右手首は負荷をかけると痛い。左前腕、右足首に痛みが出てくる。首、腰は同じ姿勢(特に低い姿勢)をとっていると相変わらず固まって苦しい。仕事の後のリバウンドがきつくなる。夜になると掌がビリビリし、背中、腰の張りがきつい。正座はできるようになった。足の爪が苦痛を伴わずに切れるようになった。肩は前方に少し可動域が広がるが横は 60°~70°までしか上がらない。背中のかゆみが下旬になると減った。睡眠は 3~6 時間毎。
4 月の治療
灸、ほぼ毎日約 100 壮。鍼 9 日。アシクロビル 10 錠/日。漢方薬は前月と同じ。漢方風呂、週 2 回。爪もみを積極的に再開する。
5 月上旬(治療6ヶ月目)
予期してはいたが繁忙期の仕事等のストレスにより、アドレナリンが体内で生成され免疫が下がったのを実感する。一時 36℃台半ばだった体温が 36.0℃程度に下がり、手足が冷たく感じるようになる。風邪を引いて抗体が分散しているせいか、背中のかゆみは減ったまま。院長先生や妻にも言われているのだが、ストレスに対する心のありかたが重要であると頭ではわかっていても、なかなか心ではうまく処理できない。仕事を辞めればストレスは減るのだが、そういうわけには行かない。
5 月中旬~下旬
手の指、掌、足の裏がヘルペスでビリビリと痛い。腕、脚などところどころ筋肉が痛い。肩も押すと痛い。肩甲骨周りを動かすとゴリゴリ音がする。首、腰は同じ姿勢を続けると固まり、鈍痛がする。肩の関節が固まり、腕が横に上がらない。膝回りが冷たい。体育座りで脚が閉じられるようになった。車の運転は 15 分が限界。
5 月の治療
灸は毎日。鍼 10 日。アシクロビル 10 錠/日。漢方薬、漢方風呂は前月と同じ。
6 月(治療7ヶ月目)
症状は 5 月と変わらず。冷えは改善。腕を横から上げると、75°~80°位に可動域が広がる。数か月の停滞の後、急に動くようになった。不完全だがあぐらをかけるようになる。26 日に松本漢方クリニックを家族で受診。院長先生よりストレスの原因を尋ねられ、将来不安と答える。その時は即答できなかったが、やはり仕事上の問題が主因と思われる。20 代までも強烈なストレスはあったのだが、徐々にステロイドによる破壊は蓄積されてきたものの、将来展望のない 40 代前後からの約 10 年間のストレスとは比較にならない。
5 月、6 月と仕事でストレスが多かったため、リンパ球の低下とヘルペス抗体価の上昇は予想していた。地元の鍼の先生にも、血流が不足し足が冷え自律神経の状態が落ちていると言われていた。電話受診で院長先生より「リウマチは治った。あとはヘルペス。」と伝えられる。発症以来 8 か月であった。
6 月の治療
灸はほぼ毎日。鍼 9 日。アシクロビル 10 錠/日。漢方薬、漢方風呂は前月と同じ。
7 月(治療 8 ヶ月目)
仕事が多忙になり、ストレスによりアドレナリンが上昇しヘルペスが増殖したためか、症状が先月より強く出た。中旬より掌、右手の指がビリビリし始め中指と薬指の痛みがひどくなる。しゃがんでいると固まり、鈍痛がする。立った状態で背中がまっすぐに伸びない。首、背中が固まって動きにくい。腕を上に上げきれない。指で押すと全身が痛い。左鎖骨がじっとしていても痛くなる。
長時間働くと肩、腕が痛い。足の指もビリビリするようになる。肩甲骨がまだゴリゴリする。短時間ならあぐらがかけるようになった。肩の上がりは横 90°。
7 月の治療
灸はほぼ毎日。鍼 8 日。アシクロビル 10 錠/日。漢方薬、漢方風呂は前月と同じ。軽いストレッチを始める。
8 月(治療9ヶ月目)
掌、足の裏がビリビリする。右手中指がかなり痛い。右手薬指も痛い。下旬には右手人差し指も痛くなる。中旬に右腕が再びビリビリしタオルで下向きに拭くとビーンと神経に響く感覚が発生したが下旬には無くなる。肩甲骨は動かすとゴリゴリする。右肩を反対側に伸ばすと痛い。右腕を横から上げると痛くなる。左の二の腕、肩前部が軽くギリギリとした痛み。前屈姿勢や、低い姿勢でいると腰、背中が依然として固まり苦しい。普段より筋肉に負荷がかかると痛くなる。再び足先、膝回りの冷えを感じるようになる。免疫が下がっているおそれを感じる。
25 日に松本漢方クリニック受診。いつもながら、いろいろとお話しをして頂く。
電話にて検査結果の概要を院長先生より伝えられ、「リンパが低いが働いているからね。手記を書いて。あなたが治しました。」と言われる。7 月、8 月は確かに仕事のストレスが高かった。さらに免疫を上げてリンパ球数を多くする必要がある。従って不可避なストレスに対処する心が重要である。発症以来 10 ヶ月、治療開始から 9 ヶ月半。
8 月の治療
灸はほぼ毎日。鍼 8 日。アシクロビル 10~12 錠/日。漢方薬は前月と同じ。
漢方風呂は週 1 回。漢方風呂は効果絶大なのだが、子育て中でゆっくり入るのが難しく、後処理にかなりの労力を要するのでかえってストレスになるため減らした。
おわりに
膠原病の正しい医療をしているのは私の知りうる限り松本漢方クリニックのみである。
他の病院はたとえ免疫を上げる自律神経療法中心のところでもヘルペスウィルスについての治療が欠けている。膠原病で最後に残る症状はヘルペスであり、その症状はかなりつらいものがあるからである。漢方をとりいれているところもあるが免疫を下げる薬品を同時に投与しているので意味がない。
余談だが、ある製薬会社はアマゾンの原住民に薬草の知識を聞き、対価も払わず新薬を作っているという。原住民は「みんなが幸福になればお金はいらない」と言っているらしい。強欲こそ災いである。だからこそキリスト教七つの大罪のひとつなのだろうが。このエピソードからはまた、自然の恵みすなわち漢方薬のすばらしさも読み取れる。化学的に類似成分を合成すれば自然界にない化学物質になるので、煎じて摂取すべきである。