「自分の喘息が楽になって・息子のアトピー手記」

46歳2016年3月25日

私の喘息と鼻炎について

私は小さい時から小児喘息と、アレルギー性鼻炎がありました。アレルギーの原因は花粉、ハウスダスト等でした。小さいときから、これは付き合っていかなければいけないものと考えておりました。小児喘息は大きくなるにつれてほとんど出なくなり、アレルギー性鼻炎は、鼻づまり程度でしたので、我慢すればできる程度の症状でしたので、我慢できる時期は我慢し、風邪などひいた時は、その時だけ薬をもらう等という事をしていました。

そういう程度の症状で過ごしていたある時、高校生位の時だったと思いますが、病院で鼻炎にいい薬があるという事で、吸入式のアルデシンという薬をもらいました。当時はステロイドの副作用の事等全く知らず服用しました。「すぐには効かないが、1、2週間使うと効いてきます」という話を聞いたことを覚えています。そして鼻に吸入し始めて2週間したあたりからでしょうか、鼻づまりなどがぴたっと治まりました。今から20年以上前ですが、その時の事は今でも覚えています。「これが医学の進歩の成果か!」と思いました。「眠くもならないし、これはなんといい薬だ」「医学の進歩は素晴らしい」とも思いました。

しかしそれからしばらくして、鼻が楽になったと思い、吸入を止めるとしばらくして、なぜか咳が出てくるようになりました。最初は「風邪をひいたのか?」と思っていましたが、熱もないし、小児喘息は大きくなるにつれて治まっていたのでおかしいな?と思っていました。そして病院では、鼻と同時に、吸入もするようにという指示を受けました。鼻に1回、呼吸器に2回噴射して吸って下さいと言われました。そして吸入すると咳も鼻詰まりも治まりましたが、治まったと思って止めると、恐ろしい位に強い咳が出るようになってきました。鼻づまりと違い咳は、本当に死んでしまうのではないかと思う位に強いものになっていました。

病院に行くと、「喘息です、これは治りませんので、悪くならないようにコントロールするしかありません」と言われました。そしてたくさんの薬と、胸に貼るシール等を処方され、このまま悪化していくのではないかと想像し、怖くなってきました。

それから、ある事がきっかけで、アトピーが軽快したという人を知り、松本医院のホームページを紹介されました。そしてこのまま西洋医療の病院に行っても悪くなる一方だと思うし、一度、松本漢方クリニックへ行ってみようと思いました。松本先生に会うととても個性的、「治してあげる」というはっきりとした言葉に勇気づけられました。

それから漢方を煎じて飲むこと、2週間位してから、咳が楽になってきました。そして、また症状が出れば漢方を飲むという事を繰り返しているうちに、咳が徐々に治まってきました。

ステロイドの時は、治まって薬を中断すると、次にはさらに強い咳が出てくる状態でしたが、漢方の場合はそうはなりませんでした。10年以上前になりますが、他院で確かアレルギー反応を示すIgEの値が当初高いにもかかわらず漢方を飲んで咳が治まっていた時期がありました。免疫を抑えてしまう西洋治療では、表面的な症状だけ取り、免疫は作用しません。これがポイントではないかと思いました。漢方治療では、免疫を上げ、症状と戦い、体がアレルゲンを受け入れる(免疫寛容)まで待つのです。

現在は、以前の状態に戻す事ができました。風邪をひいた時に、咳がでる程度で普段は薬なしで過ごせるようになっています。あのまま、薬漬けになっていたら、今頃死んでいたのではないかと思っています。

子供のアレルギー性皮膚炎について

その後、子供が生まれて、出生後2週間を過ぎたころでしょうか。乳児脂漏性湿疹というものが出てきました。顔に黄色い膜が貼るまでになり、友人が赤ちゃんを見に来た時も、顔に黄色い膜が覆っており、お世辞にもかわいいと言いにくい状態の顔になっていました。

毎日顔を洗ってあげるのですが、また噴き出してきました。私はこれがアレルギーだと直感し、自分がステロイドのリバウンドで辛い思いをしたので、ステロイド剤を塗らずにそのままにして、免疫寛容を待つのだと、強い決意で挑みました。しかしどの医者にいってもステロイドの塗り薬を当たり前のように処方され、その度にゴミ箱へ捨てました。

私が、ステロイドは使いたくないと話しても、嫌がられるだけでした。しかし最も辛かったのは、痒いのか、子供が夜に眠れなくて、嫁からも、薬を塗らして欲しいと言われた事です。時には喧嘩になる事もありました。両親からもなぜ薬を塗らないのかと言われました。私もアルデシンを使った時、ぴたっと鼻詰まりが治まった事を経験しています。おそらく肌にステロイドを塗ればすぐに綺麗になることも直感でわかっていました。しかしその後に来るだろう恐ろしいリバウンドもよく知っていました。

松本先生にも電話しました。絶対に塗ったらだめだと。そして格闘の後、生後一年たつ頃でしょうか、突然、肌がきれいになってきました!それは徐々にというものではなく、突然です。本当に忍耐が必要で、1年近くかかりましたが、耐えてよかったと思いました。それから子供も小学生になり、今では何も薬が要らない状態で元気いっぱいです。また卵のアレルギーなどもありましたが、昨年アレルゲンのテストをしてもアレルギー反応は出ませんでした。

現代医学は、外科手術等の分野で、素晴らしく評価できるものも多いと思っていますが、他方で慢性的な病気に関しては、部分、部分、つまり皮膚なら皮膚の事だけしか検討せず、体全体としての働きを見ることが視野に入っておらず、結局悪化させてしまうことが多いのではないかと思っています。皮膚に炎症を起こしているその背後にある免疫の働きなど考えることもなく、ただ皮膚表面の事だけの処理をする、その結果、さらに悪化させてしまう事が多いのではないかと思います。私は、松本先生から自然後天的免疫寛容のシステムを教えてもらって本当に命拾いしたと思っています。