「リウマチ性多発筋痛手記」

匿名希望 54 歳2013 年 5 月 31 日

1 発症 平成 24 年 4 月中頃

2 通院 平成 24 年 5 月 7 日~7 月 12 日

3 松本漢方クリニック通院 平成 24 年 7 月 18 日~現在に至る(平成 25 年 5 月)

1 発症

平成 24 年 4 月中頃より、膝や関節あたりに少し強張りがあり、しゃがむのもしゃがみづらく、立ち上がるのも何かにつかまらなければ立ち上がれなく、まるで潤滑油の切れたようにギシギシと鳴り出した。

4 月末ごろには以前の膝や股関節に加え腰が痛みだし、歩くのがつらくなってきた。5 月に入ってからは、痛む所が首や肩、手の指にまで及んできた。

体はだるく、熱も 37 度台から夜には 38 度台になったりしていた。

夜も痛みの為眠れず、朝は体が強張り起き上がるのにも激痛でなかなか起き上がれず、服を着替えるのもかなり時間がかかった。膝も腫れ上がり曲がらなくなってきたので畳に座る事は出来なくなった。指の関節や肩や首の激痛に加え、腕や太ももの辺りも痛み出した。痛いところを押さえても痛みが和らぐことはなかった。

2 通院

リウマチではないかと思い、5 月 7 日リウマチ科のある整形外科を訪ねた。

症状を伝えると手のレントゲンと血液検査をしてくれ、レントゲンでは指の骨は変形していないが、血液検査の結果をみないとリウマチかどうかはわからないと言うことだ。

この日は、セレコックス錠とセルベックスカプセルと固形湿布剤のスミルスチックをもらって帰った。

二回服用したころより、熱が体にこもるような感じで気分が悪くなってきた。

三回目を服用して寝ると、夜中に心臓が締め付けられる痛さで目覚め、痛みが 5 分位続いた。薬の副作用だと思い怖くなって服用を中止した。

体の痛みは、この薬を飲んでも良くなることはなかった。

5 月 10 日、血液検査の結果を聞きに再度整形外科を訪れた。

リウマチを示す抗 ccp 抗体は、1.6(-)なのでリウマチではないが、白血球が110・CRP が 6.86・リンパ球 10.8 と炎症の数値が高く強い薬が必要となり、その薬はここでは出せないので紹介状を書くので市民病院へ行って下さいと言われた。

5 月 11 日、紹介状を持って市民病院へ行った。

医師に、体温は常に 37 度台から 38 度台になることもあり、痛みは首・首から肩にかけてと腕のあたり、指の関節・腰・股関節・太もも・膝・足の指が常時痛いと症状を伝えた。

私の病気はリウマチですかと質問すると、リウマチは首や腰・太ももは痛まないし膝の腫れも、リウマチはその部分のみがプクッと腫れるので、あなたのような広がる感じには腫れない。そして今の時点で、はっきりとわかりませんが、リウマチではなく何千とある膠原病の中の1つの筋痛症ではないかと思われます。原因は不明です。定期的に血液検査をして調べていきましょう。

この薬で筋痛症かどうかをみていきますので、よほどのことがない限り途中で飲むのを止めないでくださいと言われた。

そして、プレドニン 2.5mg を朝 1 回、ロキソニン 60mg とムコスタ 100mg1 日 3回分を 2 週間分もらって帰った。

プレドニンはステロイドだ。ステロイドの副作用は怖いし飲むのは嫌だったが、あまりの激痛のため飲むことにした。

朝 1 回プレドニンを飲むと、あれほどの痛みが我慢できる程度の痛みにまで抑えられ,腕も少し上がるようになり、歩くのも少しスムーズに歩けるようになった。しかし夕方位になると薬が切れてくるのか、痛みが増し動きも制限された。朝、薬を飲むまでは以前にも増して痛みがひどくほとんど動けない状態になったが、朝食後薬を飲みしばらくすると痛みが和らぎ、動けるようになるという繰り返しだ。

2 週間後に血液検査の結果を聞きに行った。

血沈 68・CRP10.92・白血球 113.4・かなり炎症の値は高いがリウマチが早期にわかる免疫グロブリンA 244・免疫グロブリンG 1334・免疫グロブリンM73・MMP-3 14.6・CARF 1.0 全てが範囲内なので、やはりリウマチではなく今は筋痛症だということだ。

1 年位検査をしていって、1 年後位にリウマチの値が出てきた人がいるから、このまま検査を続けましょうと言われた。薬を服用してからの症状を聞かれたので、朝服用してから夕方位までは痛みは少し和らぎ動くことも出来るが夕方位からは痛みが酷く、朝には激痛で動けなくなる事を伝えた。そうするとプレドニンを 1 日 2 回にしようと言われたので、ステロイドを使いたくないことを伝えたが、薬はステロイドしかない。途中でリウマチが見つかってもベースはステロイドで、それにリウマチの薬を足していくだけだという。

医師に治りますかと尋ねたら、治るけれど何年かかるかわからない。

ステロイドも何年かかけて徐々に減らしていく。気をつけないといけないなは骨粗鬆症で、服用 3 ヶ月位なら心配いらないが、それ以降は骨粗鬆症のほうも診ていかないといけないし、感染症も注意する様に言われた。何も言えず、気が重たく心がもやもやしたまま帰った。

1 日 2 回服用するようになってから痛みはあるものの激痛に見舞われる事もなく、体の動かせる範囲は狭いがそこそこ動かせる事ができた。

6 月 8 日 採決の結果 抗 CCP 抗体 0.6 でリウマチではなかった。

薬の増量を進められたが、我慢できる痛みなのでこのままいくことにした。

7 月 12 日 当日の朝に採血をして結果を聞くことになった。

採血を終えて結果を聞きに診察室に入ると担当医ではなかった。担当医は他の病院に移ったので、そちらのほうに行きますかと言うことだった。

突然のことでどうしようか迷ったが、今までの先生の所で診てもらうと答えたら、紹介状を書くので待合で待つよう言われさっさと外に出された。

そして今朝の採血の結果と紹介状と 2 週間分の薬の処方箋をもらって帰った。

家に帰り採血の結果を見て驚いた。MMP-3 が 1216.9 と大幅に超えていた。

MMP-3 は確かリウマチの早期発見の時にみる数値と言っていたように思う。

以前医師は、最初リウマチではなったが、1 年位検査をしていったら、リウマチだとわった人がいるという話を思い出した。これはステロイドを服用してきた結果、リウマチを引き起こしてしまったのではないかと思った。

治療はステロイドしかないと言われれば、嫌でも使うしかないと思い、やむなく使用してきたが、やっぱりステロイドは使いたくない。

このまま担当医の所へ行けば、ステロイドと新たにリウマチの薬漬けだ。

ちょうどいい機会だし、出来れば副作用の少ない漢方薬で治療してくれる所を探そうと思った。

薬は 2 週間分あるから、それまでに何とか探さない動けなくなってしまう。

以前、事務仕事をしていた時はパソコンを使っていたが、嫌いでパソコンを持っていなかったので、ネットカフェに通うことにした。

病名を筋痛症と言われていたので、「筋痛症 病院」で検索するとたくさん出てきた。

見ていくと、リウマチ性多発筋痛症というのがあり、症状が自分のものと一致していた。

私の病気はリウマチ性多発筋痛症で間違いないと思った。

かなりのページを調べたが、全部ステロイド療法だった。

漢方薬のページを見ても、自分の求めている所が見つからない。あきらめて帰ろうかと思ったが、絶対にあるはずと思いあきらめずに探した。

そしてやっと松本漢方クリニックにたどり着き、ここだと思った。ステロイドは一切使わないと書いてあった。うれしかった。

松本漢方クリニックのホームページを開いて先生の論文などを読んだ。今まで検索した病院では、この病気の原因は、わからないものとされていたが、松本先生は原因を特定されていたし、ステロイドや免疫のメカニズムなども、よくわかるように書かれてあった。

患者さんの手記で、リバウンドを乗り越えて回復にむかっているのを読むと、自分にも希望の光が見えた。

ホームページに「必ず家族の方と一緒に来て下さい」とあったが、母は昨年圧迫骨折をしており遠くまで行けないので、ホームページをコピーし持ち帰り、先生の方針や治療では家族の協力が必要になる事を伝え、母の了解を得た。

3 松本漢方クリニック通院

次の日の 7 月 18 日に松本漢方クリニックを訪れた。

先生に一人で来たんかと聞かれたので、一人で来なければならない理由と、家族の理解と助けが必要になる事を家族に伝え、了解済みであることを伝えた。

そして私の病気の原因はストレスで、体がストレスに耐えるために副腎皮質よりステロイドを分泌し、免疫を自分の出したステロイドにより抑制し、その間にヘルペスウィルスが増え続け、ストレスから解放されるとステロイドの分泌がおさまり、免疫が回復して免疫とヘルペスの戦いが始まり症状が出るのだと。私の症状はヘルペスと化学物質の両方だそうだ。振り返れば 16 年務めた会社では、相談する人もなく長年ストレスをため続けてきた。

先生は、症状は良いことであり、自分の病気は自分で治すのだということ。

そして必ず治ると言ってくださった。

今まで服用していたステロイド 1 日 2.5mg 2 回をあと 2 日間服用し、2 日後に電話をするよう指示してくださった

そして鍼灸・採血・漢方薬湯の入浴剤・漢方薬・ベルクスロンというヘルペスの薬を処方してもらった。

7 月 20 日 電話をすると、今日からステロイドの服用を一切やめるようにとの事で、この日から中止した。リバウンドは怖かったが、もうステロイドを飲まなくてもいいと思うと安堵した。

次の日から体中が、ガラスで突き刺し、切るような痛みや、錆びたナイフで切りつけられているような痛みが出てきた。3~4 日後には何とも言えない気持ちの悪い頭痛が 2 日続いたが 3 日目には頭痛はすっかり治まった。

もうすでにリバウンドが始まっているのだと思った。

ステロイドを飲む前もかなりの痛みであったが、リバウンドが始まってからの痛みは、想像をはるかに超えていた。

両手・両足・足首から下に、シワが一切なくなるくらいに腫れた。首や体中の筋肉が縮んでいくように痛い。手もほとんど上がらず、何かの拍子に動かせる許容範囲を超えると超激痛に見舞われる。

普段痛みは痛いと感じても、1~2 秒後には治まっていくが、動かせる範囲を超えた場合の痛みは、痛いと感じた時の最高の痛みが、同じ強さのまま 10 秒くらい続く。歩幅も小さくなり、少し歩いただけで息が上がってしまう。

体中にガラスで刺し切るような痛みは四六時中あり、食欲もなくなってきた。

1 週間後に血液検査の結果を聞きに行った。MMP-3 やヘルペスの値が高かった。

ヘルペスの値が高いと口唇ヘルペスや帯状疱疹ヘルペスが出ると思っていた。

以前母が帯状疱疹になった時、血液検査はしなかったし、ヘルペスの薬も 1 週間しか出せない薬と言われ、勝手に強い薬だから 1 週間が限度なのだと思っていた。でも松本漢方クリニックに来て、1 週間しか出せないと言うより、保険適用が 1 週間なだけ、ということがわかった。聞かなかった自分が悪いのだが、説明するべきだと思った。

8 月に入ってからは、より一層体の動かせる範囲が小さくなった。

トイレの便座から立つのも、手すりを持とうとするが手や肩の可動域も小さく力も入らず,膝も力が入らず,立つのに随分時間がかかった。

今までどうゆうふうにして、立ったり座ったりしていたのかわからなくなってしまった。寝るときは仰向けのままで、まったく寝返りをうつことが出来なくなった。寝返りは打てないが体を動かしたくなるので、膝を立てて左右に動かそうとするが、足や腰に力が入らず、歯をくいしばり力を入れないと膝を立てることも伸ばすこともできず、ほとんど眠ることが出来なかった。

体にまとわりついた布団を動かすことも出来なかった。

服も自分では着脱出来ないので、母にお願いして着せてもらった。

松本漢方クリニックで鍼灸をしてもらうのにも、うつ伏せが出来なく座ったままでしてもらったし、服を着るのも手伝ってもらった。灸はどこにしてもいいらしいが、この辺にすえればいいという所を教えてもらい、家で母に手伝ってもらい、すえた。

9 月に入りほんのわずかだが、痛みの度合いが和らいできたように思う。

寝るのもまだ、寝返りがうてない。歩幅も小さく周りの人が小走りしているように見える。両腕にかゆみが出てきた。

10 月には痛みはかなり和らぎ、服も徐々に自分で着れるようになってきた。

漢方の入浴剤をもらっていたが、とてもではないが湯船に入ることは出来なかったが,この頃より何とか入れそうな感じだったのでトライしてみた。

湯船に手すりはあるが、それを使ってもなかなかしゃがめず、最後にはお尻からダイブで何とか入れたが、出るのも手すりにつかまっても力が入らず、どうしたものかと考え湯船一杯にお湯を入れ、浮力を利用してやっと出れた。

お風呂から出るころには疲れ果てていた。

大変だったが、ここまで出来るようになった事がすごくうれしかった。

10 月末に鍼灸の先生にアトピーが出てきていると言われ、クラススイッチが始まったと思い、うれしくて心の中でガッツポーズをした。

11 月に入り顔にアトピーが出てきた、鼻から口の周りや唇まで痒くなってきた。3~4 日後には、顔の痒かった所の皮膚が、赤黒く固くゴワゴワになり、2~3 日後には、皮膚がボロボロとはがれ落ちてきたが、2~3 日もすれば元に戻った。

12 月 顔の痒みはなくなったが、腕や膝から下の痒みがひどくなってきた。

1 月後半になると、腕の痒みは治まってきたが、膝から下の痒みが増し、特に足首あたりの掻き傷が 4~5 ㎝位の範囲で赤黒く固く少し盛り上がって、そこの所が強烈に痒かった。

2 月も膝から下の痒みがひどく、寝ていても痒みで目が覚め、気が狂ったように掻くのだがすぐに血が出て痛くなるので、パジャマの上から掻いていたら、いつの間にかパジャマに穴が開いた。痛みもつらいが、痒いのもつらい。

3 月 松本漢方クリニックに行った時に、先生に痒みで夜も眠れないことを言ったら、痒みの漢方薬を処方してくださった。

その日から痒みの漢方薬を飲んだ。それから 4~5 日はより一層痒みが増し、頭がおかしくなりそうだった。でもそれ以降は少しずつだが、ましになってきた。

4 月 時々は痒くなるが、ほとんど痒みは治まってきた。

足首の、固く赤黒くなった所の色素沈着は残っているが、少しずつ皮膚がめくれ平らになり、普通の皮膚の固さに戻ってきた。

現在(5 月末) 松本漢方クリニックに通い始めて 10 ヶ月余りになる。

状態は,首から肩へのこわばりというかツッパリはまだあるが、全可動というほどではないが、首を左右に振ることは出来る。

腕は、真上に近いところまで上がるようになってきたが、肩と腕の関節と筋肉が痛く横向きで寝るのはまだきつい。

足のほうは、おしゃべりしながらダラダラ歩いているくらいの速さで歩けるようになった。

階段を上る時に、両膝がミシミシとなるが、低い段差の階段なら普通に近い状態で上ることが出来る。高めの階段では、力が入らない時があるので1段ずつ足を揃えないといけなかったりすることもある。

降りる時は、膝に衝撃が加わり痛いので、1段ずつ足を揃えて降りている。

今振り返れば、ほんとによく耐えたなと思います。

母には、ほんとに感謝の気持ちで一杯です。食事の支度や着替えにお灸と、色々と面倒をかけているにもかかわらず、痛みでつらく当たってしまい申し訳ないです

松本先生、鍼灸の先生がた、松本漢方クリニックのみなさん、ありがとうございます。

おかげさまでここまで回復しました。

まだしばらく通院しなければいけないと思います。

同じような病気の人が、この手記を読んでくれて、少しでも励みになればと思います。