「メニエール体験記 」 その②
O.H. 57歳 女性 2022年6月7日
O.H. 57歳 女性 2022年6月7日
前回の体験記から3ヶ月が経ちました。
まずは、私がメニエールを発症した当時の事、松本漢方クリニックと出逢いなどを書きます。
2016年3月初め。
この頃、私は某大学病院の薬剤部で仕事をしていました。
それまで、調剤室で入院患者さんに対する飲み薬の調剤に携わって来ましたが、トップが代わり(トップ争いにより)パワハラ被害を受けるようになったのです。
毎日、粉薬や錠剤を調剤していたのが、今度は突然輸液(点滴)の部門に移動させられました。ご存知の通り、輸液は1本500mlくらいありますので、1箱5kg以上なんて当たり前です。ですから、男性が多く携わる部門であったのですが、突然、身長152cm、体重38kgの小さい身体の私が、男性と全く同じ仕事量を求められるようになりました。
毎日、毎日重い段ボール箱との戦い。調剤?とは言えない、まるで運送業者さんのような働きを求められる訳です。一日の仕事終わると、ヘトヘトに疲れてしまい、持っている万歩計は3万歩を超える日もありました。身体の負担に加え、トップからの言葉による暴力。毎日、毎日かなり強いストレスに晒されていたと思います。なぜ仕事を辞めなかったか?この時期、息子が医学部に入ったばかりで、何かとお金が必要で辞めると言う選択肢はありませんでした。
そんな毎日が続いた夜です。眠りにつこうとしていましたが、耳の中でブルドーザーのような音がしているのに気付きました。「あれ??どこかで工事?まさか、こんな時間に?」起きて窓を開けたりして確認しましたが、何もなく「え?もしかして私の耳鳴り??」と気づいたのです。それから、どんどん耳鳴りが酷くなり、今度は足元がフワフワしたような、スポンジの上を歩いているような変な感覚を感じるようになりました。今思えば、これがメニエールの始まりです。その後、右の耳に水が溜まったような感じになり、閉塞感、耳鳴り、低音難聴、リクルートメント現象(聞こえないくせに、金属音や食器の音、車のエンジン音などがキンキン響いて不快な症状)どんどん酷くなって行きました。この頃、めまいはありませんでした。勤めていた大学病院の耳鼻科を受診しました。診断は「メニエール病」。やっぱりな〜と思いましたが、それと同時に「この病気は治らない」メニエールは、薬を飲んでも完治しないと言う事を知っていたので、絶望しました。
それでも何とか回復する手段は無いのか??と思い治療を続けました。仕事柄、最初のうちはステロイドを飲むのを拒否していたのです。この頃は、メニエールがヘルペスウイルスのせいだとは、ちっとも思っていなかったのですが、やはりステロイドは副作用の多い薬です。患者さんが飲んでいて大変な副作用に苦労されている様子を見て知っていましたので、何とかステロイドを飲まずに治らないか?と思っていました。
イソバイド、メチコバール、アデホスなど、ありきたりな処方をされ、効くわけがない!と思いながらも、「この治療しか無い」と諦めつつ飲んでいました。(この頃の私に言ってやりたいです!早く抗ウイルス薬に気づいて!と!)
当たり前ですが、こんな治療をしても良くなるはずもなく。1年ほど不調のまま、仕事を続けていました。
ところが、症状がどんどん悪くなり、精神的にも辛くなって来たので「身体の方が大切だ!」そう思って退職したのです。
退職して、ストレスがなくなったからでしょう。一旦症状が無くなり、この頃は「もう治った!」と喜んでしまいました。
その後、若干の耳鳴りや閉塞感は何度かありましたが、その都度、効きもしない(笑)イソバイドやメチコバールを飲んで自分をごまかして?来ました。
急変したのは、2021年9月の事です。
耳鳴りと閉塞感は年から年中でしたので「こんなもんだ」と思って生活をしていました。
しかし、世の中に新型コロナウイルスが蔓延し、その「ワクチン」を接種するか??しないか?と言う選択を迫られたのです。
いろいろな情報を読みました。メッセンジャーRNAとは、どんなものか??人類初めてのワクチンです。慎重に考えました。
しかし、この頃デルタ株が猛威を奮っており「こんな身体でコロナに感染したら大変だな」と思ってしまい…接種してしまったのです。これが大きな間違いでした。
接種から2週間ほど経った夜中です。ぐっすり寝ていた私ですが、突然回転系のめまいに襲われました。今までフワフワした軽いものしか経験していなかったので、上も下もなく、自分がどこにいるのか??大変な目眩発作が出たのです。この酷い眩暈が3〜4日に1度くらい起こるようになりました。
受診した耳鼻科では「メニエールの再発ですね!」と軽く言われました。しかし、5年前に発症した時とちよっと違うのが1つ治療の選択肢が増えた事です。「中耳加圧療法」と言い、鼓膜に音と圧波をかける小型の機械をレンタルで使うと言うものです。これによって何の手術も要らず、朝夕に機械を耳に当ててマッサージする感覚で治療が出来ると言われました。しかし!です。このレンタルの機械が不足していて、3ヶ月待ちです!と言われました。その時は「え?そんなにメニエールの人が多いの??」と思ったくらいで、特に何も感じませんでしたが、予約だけして機械の順番を待つ事にしました。ネットで「中耳加圧療法」を検索してみました。90%以上の人が、この治療法で改善していると言うことでした。私の入会していたSNSの「メニエール病の集い」でも、この加圧療法で完治した!と言う人が何人かいましたので、期待をし、機械が手に入るのを待つことにしました。
ところが…症状は、どんどん悪くなる一方です。耳鳴りはブルドーザーが6台くらい。加えて高音のキーンと言う不快な耳鳴りも増えました。
そして、何より辛かったのがリクルートメント現象です。耳の中に水が溜まっている感覚が酷くて、年中プールに潜っている感覚。音が聞こえないのに、特定の音が何十倍にも大きくなって響くのです。シャワーの水音さえ不快に。食器のカチャカチャ音、車のエンジン音、ついには自分で喋る声さえ、響いて辛く感じるようになりました。
毎日、辛くて辛くて…耳鼻科に行けば聴力検査で、悪い方の耳はどんどん聞こえなくなっている。高音は80dBまで落ち、低音はスケールアウトするほど難聴になってしまいました。そして、頼りにしていた反対側の左耳までも聴力が落ちて来てしまったのです。「両耳の聴力を失うのどは?」ここまで来ると、もう精神的には普通ではありません。年末年始、帰省した息子に手料理を作ることはもちろん出来ず。手料理どころか、起き上がる事も出来ない始末。「こんな身体で生きているより、死んでしまった方が楽だ!」と思う毎日。治りたい一心、楽になりたい一心で耳鼻科の医者が勧める通り、ステロイドを飲むしかなくなってしまいました。(これが、間違いの始りでした)ステロイドを飲むと、一気に症状が良くなります。当たり前ですね(笑)この文章を松本先生が読むと「製薬会社を喜ばすことをしたな〜アホやな〜!ワッハッハ!」と仰る事でしょう!(笑)
その時は、これしかない!と思い込んで、とにかく一時でも、少しでも楽になりたい…そう思っていました。
後はご想像通りの展開です。
ステロイドを飲む→良くなる→ステロイドやめる→悪くなる→ステロイドを飲む…
この繰り返しを2021年11月から2022年2月初めまで続けていました。ここまで来ると、立派な「ステロイド依存症難聴」です。
誰が依存症にした??それは、自分です。自分で望んで?処方されるがままにステロイドを大量に飲んでいたのですから。
そんな中、芸能人が突発性難聴で休養する!と言うニュースが。それも1人だけでなく、何人か続いて報道されました。それと同じ頃「帯状疱疹が増えている。口唇ヘルペスも増えている」と言うニュースも耳にしました。そして同時に「ワクチン後遺症」と言う文字も目に飛び込んで来るように。ワクチン、難聴、帯状疱疹…頭の中でグルグルとワードが飛び交い「もしかして、ワクチンを接種するとヘルペスウイルスが増えるのでは?」そう思うようになりました。(ワクチンとヘルペスの関係は、後に松本先生が、コラムかコメントで教えて下さるかもしれません)以前、ちょっとだけ「メニエール病の原因はヘルペスである」というのを聞いた事がありました。北海道の七戸先生が書いた著書も、少しだけ読んだ事がありましたが、その時はまだメニエールになっていなかったので、記憶の片隅に埋もれてしまっていたのです。
それから、毎日「メニエール、ヘルペス、完治」と言うワードでいろいろ検索を始めました。
すると、松本先生の事を書いた個人のブログにぶち当たったのです!!
その方のブログを読み漁り、とうとう松本漢方クリニックに辿り着いたのです‼️
「これだ!!!」と思いました。しかし、クリニックは大阪…東北に住む私には遠すぎます。諦めかけた時、クリニックのホームページに「初診から電話診療が可能」と!また「これだ!!」と思いました(笑)
コロナワクチンに殺されそうになりましたが、コロナ感染拡大防止措置による電話診療可能。いったいどうなっているのだ?と思いましたが、何かのご縁を感じ、早速電話をさせていただきました。
東北人の私には、関西弁がちょっと苦手でしたが(笑)最初に電話に出て下さった事務の方も、とても優しく対応して下さり、緊張もほぐれました。
松本先生とは、1時間以上お話をしましたが、たくさんの学ぶべきお話を聞く事が出来ました。早速アシクロビルと2種類の漢方薬を、2週間分送っていただけることになりました。
初めはアシクロビル4錠×4回/1日です。「えーー?凄い量だな!」と正直思いました。漢方薬も食前、食後と2種類あり、それを煎じるのも結構な作業となりました。
これからどれくらいの期間、お世話になるかわかりませんが、毎日の漢方薬ですので、出来るだけ簡単に楽に煎じられるように!といろいろ考えました。
100均に売っている「だしパック」が役に立ちます。ビニールに小分けにされている漢方薬を、だしパックに移します。それをやかんや鍋に入れて煎じると、カスも出ないし、そのまま捨てられるので大変楽です。
このような情報を、患者さん同士で交換出来たらいいなぁ〜と思いました。
この頃の私は、とにかく患者さんの体験記、先生のコラムを読み漁り。
メニエール病以外の方の体験記も読み「自分はまだまだ軽い方だ!」そう思って、自分自身を奮い立たせ「負けないぞ〜!頑張るぞ〜!」と思っていました。
次回は時系列で
治療の経過、変化など
書きたいと思います。