「重いリバウンドを経て(リウマチ性多発筋痛症途中経過)」

匿名希望 74 歳2016 年 1 月 29 日

私は平成14年に60歳で定年を迎え、2年間の嘱託の後、マンション管理人を8年間勤め、70歳で会社生活を終えました。その後は、週4日を息子(車の整備)の応援と菩提寺(行事、庭の手入れ)の手伝いをし、あと3日を趣味の菜園や魚釣り等に当て、現役と変わらぬ忙しい日々を過ごしていました。現役時代も含め70歳過ぎまでに罹った病気としては、40歳の時に痔で入院したくらいで、大病もせず健康な毎日を送る事ができていました。今回の発病を振り返り、長い年月健康が続いたことで自分の健康を過信し油断していたことと、薬害への無知が病気を招いたのだと反省しています。

それまで健康だった私の体に起きた最初の異変は、平成25年5月27日に発症した右足親指の付け根の赤い腫れと強い痛みでした。近くの病院を受診すると痛風と診断されました。痛み止めと胃薬を処方され服用すると、4日目に胃痛が起き、同じ病院を受診すると、急性胃潰瘍と診断され、即入院を告げられました。

その後、11日間の入院で痛みが取れたので、退院することになりました。

退院後は、尿酸を下げるアロプリノール錠 100mg「サワイ」を処方され、1日1錠服用し、痛風の再発を防ぐ事となりました。※この薬をなんの疑念も持たず平成25年6月~平成27年2月までの1年9ヶ月間服用し続けた事は反省しています。

平成26年、痛風の再発もなく健康に過ごしていましたが、11月頃から仕事や趣味の後で腰や肩に凝りを感じる様になり、自前の按摩器等の健康器具を使用しても回復せず、少しずつ疲れが残る様になりました。

平成27年1月・2月、年が明けた頃には腰の凝りが痛みに変わり、普通ではないと感じ、2月7日、近くの病院を受診しました。レントゲン撮影の結果、脊柱管狭窄症と診断され、血液をさらさらにするリマプロストアルファデクス錠とオパルモン錠が処方されました。しかし、2週間服用しても全く効果を感じられませんでした。そして、その後も少しずつ痛みが大腿部、両膝、両腕、首へと広がり、衣服の脱着も不自由となりました。特に朝は全身の強張りが強く、寝床から立ち上がるのが大変でした。足の力だけでは無理だったので柱等を利用し腕の力を頼りに起きていましたが、「このまま痛みが進行すれば、いつか寝たきりになるのでは」と不安でした。

この頃、行きつけの鍼灸院の先生で脊柱管狭窄症の手術を受け、良くなったと云う話から病院を紹介されました。2月24日、紹介先の国立神戸医療センターを受診し、腰を始め、痛い箇所のレントゲン撮影をしてもらいました。結果は異常なしと診断で、やばいと直感しました。そして、血液採取をして内科を受診するように言われました。

平成27年3月4日、内科を受診しました。触診と血液検査の結果、先生から告げられたのは、リウマチ性多発筋痛症という初めて聞く病名でした。その後、動揺している私に、「もっと詳しく検査するので、部屋が空き次弟10日程度入院して下さい」と言われ手続きを済ませました。1週間が過ぎても入院日の連絡は無く、その間も痛みは増し、寝返りも出来なくなっていました。

この頃、妻が松本漢方クリニックのホームページを見つけ、二人で貪る様に何回も読み返しました。漢方治療と併せてお灸をすることの大事さは理解出来ても、子供の頃にされたお灸の熱さを思うと腰が引けましたが、ステロイドを使用しない治療に心は動き、連絡の来ない病院への入院は断り、松本病院を受診する事にしました。

3月13日、夫婦で松本漢方クリニックを受診しました。待合室は満員状態で、多くの人が病気で苦しんでいる事が伺いしれました。問診票等の手続きを済ませ、関連の手記を読んでいる間も先生の大きな声が聞こえてくるので、早く診察を受けたい気持ちがつのりました。診察の前に鍼灸の治療を受けましたが、びびっていたお灸が想像していたより熱くなく、ほっとしました。その後、自宅でのお灸のやり方を夫婦で教わりました。

しばらくすると名前を呼ばれ、夫婦で診察室へ入ると、先生は柔和なお顔で迎えて下さり安堵しました。先生からは先ずホームページをしっかり読んで来たか聞かれ、少し質問を受けました。次いで松本漢方クリニックを選んだ経緯を聞かれました。その後最近のストレスについて質問を受け、身体的には、痛風の後、尿酸を下げる薬を 1 年9ヶ月連続服用した事、定年後も仕事や趣味で目いっぱい身体を使い、紫外線も多く受けた事、精神的には長男の病死等について話しました。その後、ヘルペス、免疫、アトピーリバウンド等について説明を受け、病名はリウマチ性多発筋痛症との診断を受けました。最後に「自分の病気は、自分の免疫を高めて治すので頑張れば必ず治る」と言われ、握手した手は、温かくて力強<、心から「松本漢方クリニックに来て良かった」と思いました。そして、血液採取を終え、漢方風呂の説明を聞き、帰途につきました。

その夜の漢方風呂では、普段10分しか入らないところを頑張って30分入りました。すると、顔からドッと汗が吹き出し、爽快な気分を味わいました。

その夜は久し振りに連続して4時間熟睡でき、漢方湯の薬効の凄さに驚きました。

治療が始まっても各部の痛みは日々増していきました。特に両肩は夜にキリキリと差し込む痛みとなり、夜の睡眠に影響が出始めました。また、足の痛みが膝にも広がり、いよいよ寝床から立てなくなり、ベッドを購入しました。この頃は両手が前に延びず、両脇に付けたままの状態で、動きはまるでペンギンのようでした。食事も鍋料理は箸が届かないためダメで、料理の器は全て手元に並べ、食べやすくしていました。衣服の脱着もシャツやセーター等のかぶり物は一人で着る事ができず、前開きの物なら何とか着る事が出来ていました。

手の動きが悪いため、車の運転に必要なウインカーの操作が出来なくなりました。また、首が回らなくて後方確認が難しくなったので、安全を期し、3月25日で運転を止める事にしました。

平成27年5月、リバウンドの最初の洗礼を受けました。両肩の痛みは、ヒリヒリ、ピリピリと変化し、肩の深部へ錐が入る様な感じとなりました。特に睡眠時にその痛みが顕著となり、1時間ごとに計った様に目覚めていました。

対応策として、①両肩に使い捨てカイロを当て、痛みを緩和する。②睡眠を朝型から夜型に変更し、夜中に目覚める回数を減らす。③夜中に目覚めると風呂に入り、痛みが取れるまでさする。※多い時は同じ事を一晩に4回繰り返していました④朝、晩のお灸を3回に増やす、ということをしていましたが、残念ながら1ヶ月ぐらい続けても症状の改善が見えてこなかったので、松本先生に電話で現状を話し、6月5日から抗ヘルペス剤を一日8錠から12錠に増量してもらい様子を見る事にしました。

この頃には他の症状もありました。元来は猫舌でなかったのに、食器の熱が唇に触れると普段より敏感に反応し、熱い料理が食べづらくなっていたのです。

また、味覚にも変化が出て、甘味に敏感となり、料理の甘さを控えると共に、普通に食べていた甘い菓子類もほとんど口にしなくなりました。

6月中旬頃になると辛い両肩の痛みも少し和らぎ、少しではあるが両腕には待望のアトピーが出ました。嬉しいクラススイッチの兆候が現れ、一条の光を見ました。アトピーが出た事で6月12日より食間の漢方薬が追加となりました。

平成27年7月、嬉しい事に夜中に4回も入っていた風呂は、普段通り寝る前の1回となり、少し楽になりました。この頃はアトピーが全身に広がり、漢方湯に入った時に背中や腰あたりの古い皮膚が剥がれて湯船に浮くのを見て、普通風呂との違いを感じると共に、漢方湯の凄さを改めて感じました。風呂上がりは全身に痒みが広がりました。特に手の届かない背中は非常に痒く、痛みとはまた違う辛さを味わいました。古い皮膚に関しては、日常生活の動きの中でフケくらいの大きさの物が剥がれ、床は毎日、粉雪が降った様に成っていました。

また、違う悩みも出てきました。睡眠中、痛みで数回起きていた事に変わり、夢うつつの中でトイレに数回起きるようになったのです。朝までぐっすりの熟睡することを望みました。リバウンドはしたたかで、手を変え、品を変え襲ってきました。今度は両足のふくらはぎから指先までを少しずつ腫らし、特に左足の甲の古傷(火傷)は、痛みが増していました。夜には腫れが進み、肌の色は血の気を失くした紫色となり、壊死するのではと本気で心配しました。

平成27年9月、この闘病生活の中で最悪と思えるリバウンドが襲って来ました。両足は腫れが進行し、鍼灸の治療中、鍼を抜いた際に、血が出る箇所が出てきました。左足甲の古傷(火傷)がついに悲鳴を上げ、パックリ割れ出血しだしました。痛みもさることながら歩行が困難となり、一気に日常生活が不自由となりました。松本先生に電話で指示を仰ぎ、10月10日近くの外科を受診しました。それから約1ヶ月、毎日朝と夜、傷口の薬を取り換え、抗生物質を服用し、治療に専念しました。この治療をしている間は歩けなかったので、松本漢方クリニックの受診は、妻に3回代行を頼み、治療薬が途切れないようにしました。

1ヶ月が過ぎ、傷口に薄皮が張ったのを確認した時は、ほんとうに嬉しく心より安堵しました。その後は二度と傷口が破れぬよう、厚めの靴下を履き、靴も2サイズ大き目を用意し、傷口に細心の注意を払いました。

平成27年11月から12月にかけて、傷口が塞がると、嬉しい事に何故か両足の腫れが少しずつ治まっていくのを感じる様になりました。最悪と思えるリバウンドを頑張って乗り越えられたのは、先生から「辛い時は、何時でも電話をしてこい。熱は出ていないか?」と、励まして頂いた事が心の支えとなったからだと思っています。

今回のリバウンドを脱したとはいえ、現在でも依然として(当初よりは緩んだとはいえ)両肩等に強張りと痛みがあり、アトピーは全身に広がり、痒みがあります。それゆえ、痛みと痒みが同居しています。動きはぎこちなく緩慢ですが、痛みは耐え難いほどではないので、天気が良く体調も良い日は、リハビリを兼ねて菜園に行きリフレッシュしています。

治療を始めて10ヶ月、完治までにはまだまだ多くの山、谷を乗り越えなければならないと思いますが、先ずは中間報告とさせて頂きます。