「水虫の発症から治癒の経緯」
45歳男性2007年8月26日
45歳男性2007年8月26日
私が水虫を患ったのは27歳の時です。それ以来、44歳になるまでは治療らしいことは全くしていませんでした。治療をしなかった理由は、水虫というのは非常にしつこい病気で、市販の薬を素人判断で使って治ったと思っても、薬を止めると又復活し、それまで使っていた薬も効かなくなるような耐性をもつものだと思っていたからです。つまり、中途半端な治療では完治せず、入手できる薬もいずれ使い尽くし、袋小路に入るだろうと思っていたからです。まじめに治したいと思うなら、ちゃんと医者に見てもらい、これでもかというぐらいに徹底的に治療することが必要だと考えていたのです。しかしそこまで真剣に考えるほどのものかという気持ちもありました。水虫は日本人の大人の大半が患っているという話も聞いていましたし、毎年夏になると足が痒くなり、皮がめくれ、仕事のあと靴下を脱ぐと臭いというだけで、冬になると引っ込み、特に異常繁殖もしなかったのでそのままにしていました。
その後16年たって43歳になる夏、右足の薬指と小指の間が例年になく異常に痒くなり、皮がめくれたあと、汁が出るようになりました。
私は会社の健康保険でもらった冊子を読みました。それによると、風呂上りあと等、足を水につけた後、足をよく拭かないと水虫の温床になり、特に指と指の間は風通しが悪く、乾き難いので水虫が繁殖し易いとの事でした。それで私は風呂上りにうちわかドライヤーで風を送って乾かすことにしました。又、仕事中はできるだけ靴を脱ぐようにしました。但し、靴は必ずしも脱いで仕事ができるとは限りません。私の会社は機械製造業で、工場に行く時は必ず安全靴を履かないといけません。安全靴のつま先には鉄板が入っていて、非常に蒸れ易いのです。ともあれ風呂上り時の乾燥によって多少ましにはなりましたが、例年程度の症状にはもどりませんでした。冬になれば引っ込むだろうかと思い、がまんしてそのまま続けました。
冬になると多少和らぎましたが、痒みは無くならず、患部は中指と薬指の間にまで広まっていました。
明くる年の6月、この頃には患部は薬指と小指の間と、人差し指の腹から親指と人差し指の間にまで広まっていました。どういう訳か中指と薬指の間は治っていました。
この頃、私は仕事で、ある機械の試運転をしました。その機械は水を使う機械で、水配管からの水洩れ等で機械の周囲には水溜りができ、いつの間にか靴底に穴が開いた安全靴(これは私の不養生ですが)を履き、その水溜りに足をつけて三日間仕事をしました。
「これは絶対悪化するなぁ」と思いました。しかし、実際にはこの仕事による悪化はあまりみられず少しほっとしました。それでも今後同じ様な仕事が来ないとも限らず、それでなくても、冬の間引っ込まなかった水虫がこれから夏にかけて悪化しない訳もなく、私はちゃんと治療した方がよいのではないかと思い始めました。
7月に入ると案の定、痒さが増してきました。あまりの痒さに掻き過ぎて傷をつけ、出血しました。さすがにこれはまずいと思い、治療することにしました。
先に書いたように、治療するなら徹底的にしないといけません。市販の薬を素人判断で使うのは良くないと思い、皮膚科の医者に見てもらうことにしました。私は滋賀県在住ですが、会社が高槻市ですので会社帰りに通える様に(残業が多いので見込みは無いが)高槻市の医者をインターネットで探しました。そして8月に訪れたのが松本漢方クリニックでした。
松本先生に見て頂いたところ、感染していると言われました。私は感染の意味があまり理解できませんでしたが、水虫の菌が皮膚の表面で悪さをしているのではなく、かなり深い所にまで及んでいるという意味なのだろうと思いました。
松本先生はあまり詳しい説明はされず、インターネットで松本漢方クリニックのサイトを見て勉強しておくようにおっしゃいました。
松本漢方クリニックのサイトによると、私の症状は水虫そのものではなく、アトピーだということでした。私はそれまでアトピーという病名は聞いたことはありましたが、皮膚病である事以外、知識は全くありませんでした。サイトを読んで、勉強したことを以下に書きます。
アトピーはアレルギー症状であり、体の中に入った異物(無害・有害に関係なく)を外へ出そうとする作用であり、人間の体の素直な抵抗力である。私の場合、その異物が水虫菌であるかどうかは分かりませんが、アトピー症状をなくすには体内に入った異物を出し切るしかなく、その異物を早く出そうとするならば、体の抵抗力を促進させるという点で漢方薬が一番良い。
以上のことを勉強し、塗り薬と飲み薬による治療を始めました。
始めて4,5日で汁が出なくなり、痒みも消えたかと思いましたが、2日程するとまた元の痒みが出、掻くとぶつぶつが現れて、そのぶつぶつから汁が出てきました。3,4日すると痒みもぶつぶつも消えましたが、さらに2日程すると症状が現れ、同じ事の繰り返しでした。
これはひとつのサイクルになっており、汁を出す事が体内の異物を外に出す作用であり、汁が出なくなるまでこのサイクルを繰り返すことが治療であるとサイトの手記を読み進める内に知りました。
さて、塗り薬と飲み薬(10月には煎じ薬に変わりました)による治療を続けて半年後の2月、薬指と小指の間の患部は消えました。人差し指の腹部と親指と人差し指の間はまだアトピー症状の出現と消滅を繰り返していますが、汁が出るのは2週間に1回ぐらいにまで減っていました。
そして7月、人差し指の親指側の側面に1箇所だけ汁を出して以来、汁が出なくなりました。この文章を書いている今は、治療を始めて1年後の8月ですが、最後に汁を出した箇所に時々痒みを覚えますが、掻くほどでもなく、汁がでるには至らないまでに治りました。8月でこの状態ですから、水虫自体は完治しただろうと思います(素人判断ですが)。
しかし気になることがあります。それは、治療の途中の何度かの血液検査で植物の花粉がアレルゲンであることを示していたということです。私は以前から花粉症を患っていましたが、花粉症を引き起こす花粉の種類は、血液検査で示された結果と同じく、杉,ヒノキ,イネ科の植物なのです。ちなみに今年は花粉症の発症はありませんでした。これは今年の花粉の濃度が例年よりも薄かったことにも起因するかもしれませんが、鼻の中に現れていたアレルギー症状が場所を変えて足の先に現れたという予測ができます。また、それらの花粉の季節がきたら花粉症ではなく足の先のアトピーが再び発症するか、あるいは体内に蓄積され、いつの日か発症することになるのでしょうか。松本先生がサイトに書いておられること(無限の異物に有限である人間の抵抗力は勝てず、異物が無害であればいずれ抵抗力は無くなり環境に適応する)も、花粉が季節物である故、見込みが無いようにも思えます。
まあそれはさておき、花粉症であれアトピーであれ、再び発症したらそのときは又お世話になります。
文末ですが、アトピーを治して頂いて本当にありがとうございました。
以上