「大動脈炎症候群手記」
匿名希望28歳2013年3月5日
匿名希望28歳2013年3月5日
①大動脈炎症候群
私が大動脈炎症候群と診断を受けたのは高校2年生の17歳の時でした。それから10年、何を疑うこともなく、処方されるステロイドを飲み続け、この病気とともに生きていくことが自分の運命だと思っていました。そのような誤った思い込みを大きく変えてくれた松本漢方クリニックでの出来事についてまとめたいと思います。
最初に異変が起きたのは、奥歯の根元と喉の腫れでした。歯医者に行きましたが原因が分からず、近くの内科診療所で診てもらったところ「この病気はここでは診れないので、大学病院を紹介する」とのことでした。紹介された大学病院で私は大動脈炎症候群と診断され、「この病気は放っておくとやがて血管の収縮が全身に広がる原因不明の自己免疫疾患だ」と言われました。ケガをしたり激しいスポーツをして体に負担をかけると炎症が起こり、病気自体も悪化するので、いつか挑戦したいと思っていたスキーやシュノーケリングも禁止されました。いつか妊娠すれば、その時にも体が炎症を起こすのでステロイドを増やして調節しなければいけないとも言われていました。喉に感じていた腫れは、プレドニンを飲むと何事もなかったかのように消え、それ以外の自覚症状は何もありませんでした。
私は毎日プレドニンを飲み続け、出先へ持っていくのを忘れると不安になり、主治医の先生をまるで自分の健康を保証してくれる人であるかのように思っていました。お恥ずかしいですが、自分がどれほどのステロイドを飲んでいたのかあまり記憶がはっきりしません。それほど医者任せだったのです。はじめは20mgほど飲んでいたと思います。徐々に様子を見ながら量を減らし、6mgにまで減りましたが、足を打撲するなどケガをした時には血液検査の結果が悪くなるので再び増やしたり減らしたりを繰り返していました。当初、主治医は10年飲み続けなければいけないと言っていましたが、10年経った今「最低5mgは一生飲み続けなければいけない」と言うようになりました。
そうして自覚症状もないままステロイドを飲み続けていましたが、自身も松本漢方クリニックに通っている兄と母が「ステロイドを使う今の治療法は良くないから、一度松本先生に診てもらった方がいい」と何度か薦めてくれていました。
しかし、当時私は忙しい学生生活を送っており、自分のことに必死で、プレドニンさえ飲み続けていれば普通に過ごしていられるのだから、と抵抗し先延ばしにしていました。そして松本漢方クリニックのホームページのほかの患者さんの手記を読み、時にはリバウンドにより何日も外出できない状態になったり、アトピーで皮膚がぼろぼろになると知って、今は動けなくなると困るので健康よりも学業を優先しなければと思っていたのです。しかし、この時私は松本先生がHPで伝えようとしていらっしゃること、ほかの患者さんが伝えようとしていらっしゃることを本当に何も理解していませんでした。
プレドニンを飲み始めて11年、自分の体の異変に気づかされる出来事がありました。夏に、子どもがかかると言われている百日咳にかかり、その秋には突然髄膜炎にかかり2週間の入院。退院後しばらくして、生理不順のため訪れた産婦人科では卵巣の腫れが見つかり、すぐに手術しなければいけないと言われました。病気とともに過ごしてきたので体は強くないとは思っていましたが、
たてつづけに病気にかかり、なぜこんなにも抵抗力が無くなってしまったのかが分からず、この時ようやく何かがおかしいと気づき始めました。大学病院の主治医に「病気にばかりかかるのはプレドニンを飲み続けていることと関係があるのですか」と聞きましたが、「まったく関係ない」と言われました。しかし、この時の主治医の様子はいつもと違って違和感がありました。そして、今の治療法に懐疑心を抱くようになり、ずっと先延ばしにしていた松本漢方クリニックへ向かう決心がついたのでした。
兄から松本先生のHPをよく読むように言われていたので、HPを読みましたが、一度で理解するのは難しく何度も読み返しました。大動脈炎症候群について書かれた手記はまだなかったので、本当にステロイドをやめて大丈夫かどうかという不安もありましたが、兄が松本理論をわかりやすく教えてくれ、兄自身が経験してきたこれまでの松本漢方クリニックでの治療とリバウンドについて説明してくれたおかげでいく勇気が持てたと思います。
②松本漢方クリニックへ
初めて松本先生にお会いした時、先生は「どっか自分は病気やから思ていたんと違う?絶対治したげるから!」とおっしゃってくださいました。私はとても緊張していて、これまでの経緯を話すことでいっぱいでしたが、先生の言葉が胸に突き刺さりました。自分でやりたいことをして忙しくしているのだから、多少体を壊してもそれは代償だと考えていましたが、その考え方は自分で勝手につくり上げたものであって、体を壊した原因はそれを無視し続けてきた自分自身にあったのだと気づかされました。
初日:6mg→2.5mg
初めての診察のあと、松本先生から6mg飲んでいたプレドニンを2.5mgに減らすように言われました。帰ってさっそく漢方薬を作って飲んだところ、その直後に頭痛と吐き気がしてリバウンドの早さに驚きました。2.5mgのプレドニンを飲むとおさまり、ステロイドの効き方の強さを怖いと感じました。
一週間:2.5mg→2mg
大きなリバウンドはありませんでしたが、小さな変化がたくさんありました。少し息苦しいと感じること、便がたくさん出るようになったこと、冷え性のため夜中のトイレが多かったのですが回数が減ってきたこと、鎖骨の痛み、胃痛、口内炎などがありました。また、強い眠気に襲われて12時間以上寝てしまうということもありましたが、体が修復しようとしているのだと思って、寝れるだけ寝ました。そして、嬉しいことに3ヶ月間止まっていた生理が始まりました。
一ヶ月:2mg→0mg
この時には、もうすでにプレドニンをよく飲み忘れたりしていたので、0mgになる恐怖は全くありませんでした。そして、体に変化があることは少しずつ体が機能を取り戻している証拠だと理解してからは、変化が起こることが嬉しく、もっと出て欲しいと思っていました。喉が痛かったり、目や鼻の皮膚がひりひりしたり、頬や唇にぷつぷつができましたがあまり気になりませんでした。
相変わらず眠気にも襲われてぼーっとしていましたが、時間が許すときは寝れるだけ寝ていました。一週間に一度ほどヘルペスによる頭痛と吐き気がありましたが、そういった場合も諦めてベルクスロンを飲み、早く寝ました。
二ヶ月~
この頃からだんだんと指や膝がこわばり、リウマチが出始めました。階段を上り下りするのもつらく、指が上手く動かせないことも煩わしかったです。
それまでは温灸をしていましたが、血流を良くして痛みのもとを流し去る百草灸の方が良いと早田さんに教えていただき、百草灸をするようになりました。百草灸は根性焼きのようでしたが、それに耐えれば、リウマチの痛みは和らぎ、百草灸の熱さに耐えられた!と晴れ晴れしい気持ちになりました。
六ヶ月~
つらいリウマチは半年ほどで出なくなりましたが、後から思えばこれが一番大きなリバウンドだったように思います。アトピーも以前より激しくあちこちに出るようになりました。特に、何かがひと段落した時にミミズ腫れのようなものができ、アトピーになりました。胴体や首の後ろ、足、指などに出ましたが早いもので一週間、長いものでも4ヶ月で出ては消え、出ては消えていきました。人目に触れる所に出ると少し気にはなりますが、母が「これが救ってくれる!」と励ましてくれたので悲観的にはなりませんでした。
もっとも驚いた変化は、私は高校生の時から顔がまん丸で首が短く、元々そういった体質だと思っていたのですが、ステロイドをやめてから半年ほどすると少しずつ顔と首がすっきりしていきました。まわりの人たちからは「痩せた、大丈夫?」と心配されることもありますが、ステロイドの副作用によるムーンフェイスだったのだと思います。自分の本来の顔がこういう姿だったのかと思うと今でも驚かずにはいられません。
現在~
松本先生にお会いしてからあっという間に1年と3ヶ月が経ちました。
一連のリバウンドの波はおさまり、少しのアトピー以外には何も症状はありません。ヘルペスによる頭痛や吐き気もなくなり、風邪も引かなくなり、快調で、血液検査の値も人並みに近づいてきています。以前腫れがみつかった卵巣は、現在も大学病院からは手術をするように薦められていますが、今のところ見つかった時から変化はなく、「99%癌化はしない」と医者自身も言っていたので、体にメスを入れることを避けるためにも経過観察でお願いしますと押し通しています。
ただ、以前と大きく違うことは、自分が原因不明の病気などではないと思えるようになったこと、そして自分自身が自分の体を守るためにもっと体のしくみを知ろうとしなければいけないと思うようになりました。松本先生は本当の事しかおっしゃいません。(冗談もおっしゃられますが。)時には自分で考え、判断を迫られることがあっても、自分で選択し責任を持つということが自分と自分の体を信じる自信に繋がりました。生きていくことに対しても以前よりもっと前向きになれた気がします。そのような考え方自体を大きく改めさせてくださった松本先生にお会いできたことをとても嬉しく、感謝しています。