たかまはらなやさの使用法 古事記の冒頭の七神によって先天の実在世界が示されました。次いで、先天の実在を顕現させる働き世界が示されます。
心の在り方の剖判です。心の実体世界七神(ウ・ア・ワ・ヲ・オ・エ・ヱ)と心の働き世界八神(チイ・キミ・シリ・ヒニ)が示されます。それらは心の統括者である創造意思の神( 【 伊耶那岐(いざなぎ)の神 (言霊イ) 、次に 妹伊耶那美(み)の神 (言霊ヰ) 】の采配下にあります。
・八父韻と親韻
【 次に成りませる神の名は、
(一) 【 宇比地邇(うひぢに)の神(言霊チ)。次に
(二) 【 妹須比智邇(いもすひぢに)の神(言霊イ)。次に
(三) 【 角杙(つのぐひ)の神 (言霊キ) 。次に
(四) 【 妹活杙(いくぐひ)の神 (言霊ミ) 。次に
(五) 【 意富斗能地(おほとのぢ)の神 (言霊シ) 。次に
(六) 【 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神 (言霊リ) 。次に
(七) 【 於母陀流(おもだる)の神 (言霊ヒ) 。次 に
(八) 【 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神(言霊ニ)。
【 次に
(・) 【 伊耶那岐(いざなぎ)の神 (言霊イ) 。次に
(・) 【 妹伊耶那美(み)の神 (言霊ヰ) 。
( 注。神名に言霊が配当されていますが、これは皇室の賢処に秘蔵されている文献から流出したものです。今のところは流出の経緯しか確認できませんが、神名と言霊の対応が文献で分かったところで、対応の真実が了解できたわけではありません。
もちろん暗記して覚えておくだけでも非常に価値のあるものですが、神名と言霊の対応の真実は各人の果敢な経験したい欲求による確認を基盤としていなければ、あだ花となることでしょう。また、確認了解した暁には文献はもう必要とされないでしょう。)
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・己の心の客観領域による成立(成立させられる)
【 ここに天津神諸(もろもろ)の命(みこと)以ちて、伊耶那岐の命伊耶那美の命の二柱の神に詔りたまひて、「この漂(ただよ)へる国を修理(おさ)め固め成せ」と、天の沼矛(ぬぼこ)を賜ひて、言依さしたまひき。
・能動主体の登場
【 かれ二柱の神、天の浮橋(うきはし)に立たして、その沼矛を(ぬぼこ)指し下(おろ)して画きたまひ、塩こをろこをろに画き鳴(なら)して、引き上げたまひし時に、その矛の末(さき)より垂(したた)り落つる塩の累積(つも)りて成れる島は、これ淤能碁呂島(おのろご)なり。
【 その島に天降(あも)りまして、天の御柱を見立て、八尋殿(やひろどの)を見立てたまひき。
・心の主体側の働き
【 ここにその妹(いも)伊耶那美の命に問ひたまひしく、「汝(な)が身はいかに成れる」と問ひたまへば、答へたまはく、「吾が身は成り成りて、成り合はぬところ一処(ひとところ)あり」とまをしたまひき。
【 ここに伊耶那岐の命詔りたまひしく、「我が身は成り成りて、成り余れるところ一処あり。故(かれ)この吾が身の成り余れる処を、汝(な)が身の成り合わぬ処に刺(さ)し塞(ふた)ぎて、国土(くに)生みなさむと思ふはいかに」とのりたまへば、伊耶那美の命答へたまはく、「しか善けむ」とまをしたまひき。
・心の主体内創造活動
【 ここに伊耶那岐の命詔りたまひしく、「然らば吾と汝と、この天之御柱を行き廻り逢ひて、美斗(みと)の麻具波比(まぐはひ)せむ」とのりたまひき。
【 かく期(ちぎ)りて、すなはち詔りたまひしく、「汝は右より廻り逢へ。我は左より廻り逢はむ」とのりたまひて、約(ちぎ)り竟(を)へて廻りたまふ時に、伊耶那美の命まづ「あなにやし、えをとこを」とのりたまひ、後に伊耶那岐の命「あなにやし、え娘子(をとめ)を」とのりたまひき。
【 おのもおのものりたまひ竟(を)へて後に、その妹に告りたまひしく、「女人(おみな)先だち言へるはふさはず」とのりたまひき。
・心の客体領域の創造
【 然れども隠処(くみど)に興(おこ)して子水蛭子(みこひるこ)を生みたまひき。この子は葦船(あしぶね)に入れて流し去(や)りつ。次に淡島を生みたまひき。こも子の例(かず)に入らず。
・観念世界創造への反省。そして再び。
【ここに二柱の神議(はか)りたまひて、「今、吾が生める子ふさわず。なほうべ天つ神の御所(みもと)に白(まを)さな」とのりたまひて、すなはち共に参(ま)ゐ上がりて、天つ神の命を請ひたまひき。ここに天つ神の命以ちて、太卜(ふとまに)に卜(うら)へてのりたまひしく、「女(おみな)の先立ち言ひしに因りてふさはず、また還り降りて改め言へ」とのりたまひき。
・心の現象創造のための十四領域へ
【 かれここに降りまして、更にその天の御柱を往き廻りたまふこと、先の如くなりき。ここに伊耶那岐の命、まづ「あなにやし、えをとめを」とのりたまひ、後に妹伊耶那美の命、「あなにやし、えをとこを」とのりたまひき。かくのりたまひ竟へて、御合いまして、
(1) 【 子淡路の穂の狭別の島を生みたまひき。
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「ア」次元での使用法 たかまはらの使用法。あ次元での父韻 。
あ次元での父韻
例題。「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」
「ア」次元での父韻の配列。
イ・チキリヒシニイミ・○
あ・たからはさなやま・わ
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(・) 【16 言霊 イ】 伊耶那岐(いざなぎ)の神。 (意志の発動) 親韻、
(吾の眼の創造原理)
○ 「中今の創造主。心の創造意思」。
「言霊アの次元とは宗教家や芸術家の心のです。そのア段の配列はイ・チキリヒシニイミ・○です。アの次元に至って人は自己の本性即宇宙である事を自覚します。母音の自覚を得ます。」
(ア)・アの自覚がある。孔子の言葉は「知る」ことに関した事なので、知る知らないの過去-今の知識概念意識、今-今の欲望意識の全体を見つめる自分の心、それを言ったときの感情の意識があります。
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(一) 【08 言霊 チ】 宇比地邇(うひぢに)の神。 (ウの性質)全体性 父韻
精神宇宙全体がそのまま現象発現に向って動き出す端緒の力動韻
・創造・陽出力
宇は地と比べて近い。天は地と比べて近い。吾の眼の全体感はそのまま相手対象に向ういとなみ・働きをする。
「それゆえ現象となる父韻の配列の第一には宇宙そのものが現象となる韻であるチとなります。
ア次元でありますゆえ、その行動の最初は感情の宇宙がそのまま発露される事を示します。」
(タ)・それゆえ、自分の喋った「~」の解釈内容ではなく、「これ知るなり」と言い切ったときの感情があらわれます。
しかし感情は顔や手足や手足を使って現そうとしても、仮にしか表現できません。
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(三) 【10 言霊 キ】 角杙(つのぐひ)の神。 (オの性質)掻き進める働き。
体験内容を自我の方向に掻き寄せようとする力動韻
・収納・陰掻力
立てた規範をもってその運用に合うように相手対象を引き寄せるいとなみ、働き。
「その次に、その時、そのところの、一つの関心事あるいはテーマが、心の中から掻き寄せられ」
(カ)・そこで孔子の日常、現場、弟子の態度などからその時の状況に適したテーマが選ばれます。それが「知る知らない」になりました。
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(六) 【13 言霊 リ】 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。 (ヱの性質)保存収縮の拡がり。
ある精神内容が宇宙の拡がりに向って螺旋状に発展拡大して行く力動韻
・滲透・螺婁()力
大いなる量りのわきまえ。選択識別されたなりさまが繰り返し述べられるような働き。
「心の中いっぱいに発展拡大されて」
(ラ)・ここでテーマが選ばれても、テーマの内容解釈は当初の自覚された感情宇宙とは全然違いますから、言葉の解説も「知」とは何かの講釈も知っていてもすることはできません。
「~」という言葉を発現したときの、孔子自身の自覚感情のことですから、その感情がいっぱいにひろがり、拡げていくようになります。
感動や情動があってもそれをどうにかしたい思いはあっても、どうするかにかはなかなか手が出ません。
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(七) 【14 言霊 ヒ】 於母陀流(おもだる)の神。 (アの性質)火花の先端にて、表面性。
精神内容表現が精神宇宙球の表面に完成する韻
・開顕・開発力
意識内容が自己の表層へと上昇し自己の表面結界を超えて、表面で見つかったものと結び付こうとする働き。
「一つの表現を得」
(ハ)・ここに表現表出の苦悩なり困難が横たわっているのを感じます。それを突破したとしましょう。自分の感動を表現する言葉が見つかりました。
あるいは折り合いを付けたかもしれません。諦めと放棄が先行して行くかもしれません。
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(五) 【12 言霊 シ】 意富斗能地(おほとのぢ)の神。 (エの性質) 拡がりの保存収縮。
精神宇宙にある精神内容が螺旋形の中心に静まり収まる力動韻
・調和・透刺力
大いなる量りの働きの地。選択決着を目指して納めようとするいとなみの識別の土台となる働き。
「その表現が心の中に行動の目的となって固定され」
(サ)・それなりに納得検討できれば楽なことです。しかし情緒感動も、自分の今の全体を支配し世界との調和をもたらしたとしても、知識概念のように繰り返すことはできません。思い出すことさえ難しいものです。
そこで自分を動かすことで物理的な表象行為を用いて、当初の感動、感情をつなぎ止めようとします。
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(八) 【15 言霊 ニ】 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。 (ワの性質)火花の先端にて、表面性。
物事の現象の種が精神宇宙の中核に煮詰まり成る韻
・成熟・吸引力
心の深部(夜)のなりさまの恐れおおさがもの事の原因となるように煮詰まる働き。
「そこから行動の名目が定まり」
(ナ)・そうすれば過去に退いた感情も物象の形を創造して少なくとも固定でき、それによって感動の面影を残すことが出来るようになります。こうして行為を保存する名目が立ちます。
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(二) 【09 言霊 イ】 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。 (ウの性質) 全体性。
動き出した力動が持続する韻
・繁栄・飛至力
すべからく智に比ぶるに近かるべし。智による選択に依らずとも相手対象のなりさまと成る。
「それが行動となって動き」
(ヤ)・一度自分に名目が立つと自分を強制しだします。自己の内外の条件をクリアできるように行動へと向かい、「~」は上手い自分なりの表現だ、自分の感動を表現したものだと了解が成立していきます。
こうして感情というものもどうしても、物象化させないと自分の立つ瀬がなくなり、顔手足、文章、絵画、音楽等に感動の刻印をしていくようになります。
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(四) 【11 言霊 ミ】 妹活杙(いくぐひ)の神。 (ヲの性質) 掻き集める動き。
精神内容の中に己にある自己の体験内容に思いが結びつこうとする力動韻
・整理・旋回力
立てた規範を中心にして相手対象に適合させるようななりさまを探す働き。
「その方向の彼方に目標の実現があるであろう事を指し示し、訴えます。」
(マ)・感情感動次元のものをそのまま伝えることは既に放棄して、物象の創造に託しました。物象ならば自他ともに五感感覚次元から認識可能で、自他への交流もできます。しかし当初の感動は物象として、仮の姿で提供するしかないものになっています。
人まとまりの一巡する八父韻はここで使い切りました。
自分の真の感情を現すことはできずに仮の創造物を提供しましたが、そこには当初のマコトがあると主張していきます。
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○ 「中今の創造主。心の創造意思」。
【17 言霊 ヰ】 妹伊耶那美(み)の神。
(意志の帰還)
伊岐とは伊の気でイ言霊のこと
心のすべての現象はここから現われ出て、また此処に帰っていくのです 。
「八父韻の配列の最後がミで終わることは、その指示するものが基本要求であり未来の目標であるに留まり、イマ・ココの一瞬において完結した思考体系でなく、結論は時の経過に委ねられます。半母音の自覚を欠くことになります。」
(ワ)の結論。
(ワ)・感動が言葉という物象になってしまい、「~」 は誰でもが見て読めるようにはなりましたが、孔子の感情は隠れてしまいました。
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「ウ」次元での使用法 たかまはらの使用法。う次元での父韻 。
「それぞれの次元に住む人が、目的遂行のために時の経過に順って変化させる意志発動の変遷。」
例題。「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」
「ウ」次元での父韻の配列。
○・キシチニヒミイリ・○
あ・カサタナハマヤラ・わ
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(・) 【16 言霊 イ】 伊耶那岐(いざなぎ)の神。 (意志の発動) 親韻、
(吾の眼の創造原理)
○ 「中今の創造主。心の創造意思」。
「言霊ウの次元にうずくまって明け暮れ欲望の世界に没入している人は、自己の本性が実は広い宇宙そのものだという自覚がありません。それゆえその心の手順の初頭に立つべき母音の自覚を欠きます。母音の立つべき第一行を空白で示した所以です。」
(ア)・アの自覚は無い。五感感覚する欲望次元の世界に関しているので、当の言葉が孔子様か毛沢東かキリストかの知識に関心はありません。誰の言葉であろうと言葉を聞けば響を聞きますからそこから起きる五感感覚がありますが、今の自他の世界全体との関係を自覚していませんので、もっぱら自分の欲望の起伏や物理上の自然状態経過に左右されています。単に画面上で「~」を見たとしましょう。
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(三) 【10 言霊 キ】 角杙(つのぐひ)の神。 (オの性質)掻き進める働き。
体験内容を自我の方向に掻き寄せようとする力動韻
・収納・陰掻力
立てた規範をもってその運用に合うように相手対象を引き寄せるいとなみ、働き。
「次に八父韻配列の第一番目は父韻キで始まります。最初に母音の自覚がありますと、その行為は宇宙全体の具体化活動として父韻チから始まるはずですが、自己本来の面目の自覚がありませんのでその心の手順は、自分の心の中の欲望の一つを掻き寄せること、すなわちキではじまります。」
(カ)・「~」の言葉を聞いたり読んだり見たりします。そこに心に関心がある言葉と共感したり、響を聞き取ったり、知るを汁粉と取ったり、「なす」から今年のボーナスを思ったりして、興味関心事を心に引き寄せ掻き集めます。その掻き集め方はその時の感覚によりますから本人も知りません。「~」を画面上で見れば見たで、それを読もうとしたり、写真を探そうとしたりの最初の自分の心の動きがあります。
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(五) 【12 言霊 シ】 意富斗能地(おほとのぢ)の神。 (エの性質) 拡がりの保存収縮。
精神宇宙にある精神内容が螺旋形の中心に静まり収まる力動韻
・調和・透刺力
大いなる量りの働きの地。選択決着を目指して納めようとするいとなみの識別の土台となる働き。
「掻き寄せられた欲望の目的が心の中心に静まり不動のものとなります。」「自我欲望が決まれば」
(サ)・(カ)の引き寄せられた五感感覚の関心事が自分の中心を占めそこに自分のいとなみが全部移住していきます。画面上の文字を読むのか色だけ見るのか、ページ更新のマークを探しているのか、ここで選択の種ができ、自分の興味関心事に合う合わないが選択され、そのまま自分の中に鎮静し中心を占めていきます。
「~」の言葉の知識内容に感心していくのではなく、その画面上の物理上の様子容姿関心事欲望の起き具合が、既に固まり決まります。
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(一) 【08 言霊 チ】 宇比地邇(うひぢに)の神。 (ウの性質)全体性 父韻
精神宇宙全体がそのまま現象発現に向って動き出す端緒の力動韻
・創造・陽出力
宇は地と比べて近い。天は地と比べて近い。吾の眼の全体感はそのまま相手対象に向ういとなみ・働きをする。
「その次にチが続きます。自己本来の面目の自覚があれば、この父韻がしめす現象は宇宙全体または全身全霊などに関係したものとなるはずですが、いまの場合はこの自覚がありませので、ここではチはその人間経験・知識・信条といったものの総体を示します。」
「その他せいのために経験・知識・信条の全部」
(タ)・次いで全体性を表出する言霊チが来ますから、前段で心に決まってしまったものが心の全面に押し出されます。知るとか知らないとかは今までの自己所有している記憶概念に照らし合わせることができれば知っている、出来なければ知らないですが、そういった、オの次元知識の関連性には関心がないのがウの次元です。その代わり「~」の物理表現上の感覚で受け取られた印象に気をとられます。
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(八) 【15 言霊 ニ】 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。 (ワの性質)火花の先端にて、表面性。
物事の現象の種が精神宇宙の中核に煮詰まり成る韻
・成熟・吸引力
心の深部(夜)のなりさまの恐れおおさがもの事の原因となるように煮詰まる働き。
「(チ)の中から選ばれた名分が 煮詰められ 」
(ナ)・そうと決まれば、思い付きにしろ閃きにしろ好き嫌いにしろ、名目が立ってしまいます。この名目は、どこからきているかの自覚がないため、選択された内容におそれおおさが加わります。自分の言うことに権威やあやしさやかしこみの感情が知らず知らず紛れ込みます。そういった中で自分が自分にかしこむわけですから、そこで与えられようとする名目、名付けには自分の存在権威がかかってきます。
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(七) 【14 言霊 ヒ】 於母陀流(おもだる)の神。 (アの性質)火花の先端にて、表面性。
精神内容表現が精神宇宙球の表面に完成する韻
・開顕・開発力
意識内容が自己の表層へと上昇し自己の表面結界を超えて、表面で見つかったものと結び付こうとする働き。
「(ニ)の名分に都合のよい言葉が生み出され」
(ハ)・ですのでそうような方向を目指してし、次に、表現を探していきます。「~」にしようか、「無知の知」にしようか、という事よりも、候補とか思い付きとかがいろいろありますが、感覚的ななりさまが選択されます。自分の気分に沿って、知る、汁粉、卑弥呼などと、それと折の合う言葉が表面化していきます。
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(四) 【11 言霊 ミ】 妹活杙(いくぐひ)の神。 (ヲの性質) 掻き集める動き。
精神内容の中に己にある自己の体験内容に思いが結びつこうとする力動韻
・整理・旋回力
立てた規範を中心にして相手対象に適合させるようななりさまを探す働き。
「(ヒ)の言葉が他の人または社会に向って」
(マ)・次にそこで上手い具合に気分に合う言葉などが得られると、それを規範として立てて相手対象を適合させようとします。相手社会を自分に合わせようとしていき、その結果を求めようとします。
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(二) 【09 言霊 イ】 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。 (ウの性質) 全体性。
動き出した力動が持続する韻
・繁栄・飛至力
すべからく智に比ぶるに近かるべし。智による選択に依らずとも相手対象のなりさまと成る。
「動く」
(ヤ)・一度自分に名目が立つと自分を強制しだします。自己の内外の条件をクリアできるように行動へと向かい、「~」の理解に代わって感覚気分の言葉が押し出されてきます。知識あるいは智慧に取って代わっても、物事を表現し自分を主張していると思われます。
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(六) 【13 言霊 リ】 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。 (ヱの性質)保存収縮の拡がり。
ある精神内容が宇宙の拡がりに向って螺旋状に発展拡大して行く力動韻
・滲透・螺婁()力
大いなる量りのわきまえ。選択識別されたなりさまが繰り返し述べられるような働き。
しかし、この動きはとめども無い欲望の世界へ進展して極まることがない。」
(ラ)・こうしてこうであるとの、現象なるものを創ります。この現象表現が「知る汁粉卑弥呼なんぞ知らないよ」となり「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」と同等な表現となります。
心の父韻の過程のチイキミシリヒニを一つ一つ経過してきました。そこで一巡の最後に残ったのは「リ」だけで、「リ」が最後というのは、おほとのべの神とあるように、多いに述べ繰り返されることになり自分に終わりを見出せなくなります。そこで目的が発端に転化していききりがなくなります。
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(・) 【17 言霊 ヰ】 妹伊耶那美(み)の神。
(意志の帰還) 「中今の創造主。心の創造意思」。
伊岐とは伊の気でイ言霊のこと
心のすべての現象はここから現われ出て、また此処に帰っていくのです 。
(ワ)・「わ」は結論を生む事ですが、心の結論がなく繰り返しの「ラ」に従いますので、「わ」がありません。
「父韻配列がリで終わる事は、欲望の目的と思われ追求されてきたものは次の欲望の発端なのであって、この世界が際限の無い流転の相であることを示しています。心中のこれで完結という終わりはあり得ません。そのため、最初の母音イと共に最後の半母音ヰをも欠如することとなります。
欲望のせかいがややもすると目的のために手段を選ばず、否、目的のために他のいかなる次元の人間の性能も踏みつけにする傾向は、この父韻の配列の内の、キシチニがよく示しているとこであります。。欲望の達成のためには知識も人の感情も道徳心もすべては手段にすぎないのです。」
「汁粉」という表現も自覚された結論として得たものではないので、「汁粉」という結論が完結していなく、不安定で「汁粉」が種となって次の疑問の始まり、目的のためには手段を選ばないとなってしまいます。
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「オ」次元での使用法 たかまはらの使用法。
「オ」次元での父韻の配列。
○・キチミヒシニイリ・○
あ・かたまはさなやら・わ
例題。「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」
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(・) 【16 言霊 イ】 伊耶那岐(いざなぎ)の神。 (意志の発動) 親韻、
(吾の眼の創造原理)
○ 「中今の創造主。心の創造意思」。
「言霊オの段階に埋没している人も、その探求する学問の究極においてはいつの日か宇宙全般を解明することができるであろうという希望は持っているかも知れないけれど、自己の本性即宇宙なる自覚はない。
第一列が母音の自覚を欠き空白となる所以です。」
(ア)・アの自覚無し。
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(三) 【10 言霊 キ】 角杙(つのぐひ)の神。 (オの性質)掻き進める働き。
体験内容を自我の方向に掻き寄せようとする力動韻
・収納・陰掻力
立てた規範をもってその運用に合うように相手対象を引き寄せるいとなみ、働き。
「父韻の配列のはじめはキです。何かの現象を見て疑問を感じるとき、それを心の中心に掻き寄せる韻です。」
(カ)・知っているものは知っているし知らないものは知らない、そんな当たり前のことをまず心に引き寄せ掻き集めます。それでも既に判断規範を所持していますから、自分に合った方向をとっていきます。
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(一) 【08 言霊 チ】 宇比地邇(うひぢに)の神。 (ウの性質)全体性 父韻
精神宇宙全体がそのまま現象発現に向って動き出す端緒の力動韻
・創造・陽出力
宇は地と比べて近い。天は地と比べて近い。吾の眼の全体感はそのまま相手対象に向ういとなみ・働きをする。
「その疑問を今まで蓄積された経験・知識全体に照合して」」
(タ)・知るとか知らないとかは今までの自己所有している記憶概念に照らし合わせることができれば知っている、出来なければ知らないです。お次元は知識の関連性がもっぱらの関心事ですから、政治運営上の知る知らないとか、オスプレイをどうするか、芸術の感動を知らせたいとかの、違った次元分野には関心が出てきません。
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( 四) 【11 言霊 ミ】 妹活杙(いくぐひ)の神。 (ヲの性質) 掻き集める動き。
精神内容の中に己にある自己の体験内容に思いが結びつこうとする力動韻
・整理・旋回力
立てた規範を中心にして相手対象に適合させるようななりさまを探す働き。
「今までの知識と疑問とが統合され止揚されるであろう理論を志向して」
(マ)・そこで新たに得た知識の材料は既知の自己所有概念と整理検討され位置づけを与えられ既知の知識に加わり理論なり実を結ばねばなりません。
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(七) 【14 言霊 ヒ】 於母陀流(おもだる)の神。 (アの性質)火花の先端にて、表面性。
精神内容表現が精神宇宙球の表面に完成する韻
・開顕・開発力
意識内容が自己の表層へと上昇し自己の表面結界を超えて、表面で見つかったものと結び付こうとする働き。
「言葉として組み立て」
(ハ)・ですのでそうような方向を目指してし、表現を探していきます。「~」にしようか、「無知の知」にしようか、「汝自身を知れ」にしようか、候補とか思い付きとかがいろいろありますが、始めにある自己の判断規範に沿って、それと折の合う言葉が表面化していきます。
------------------------------------------- (五) 【12 言霊 シ】 意富斗能地(おほとのぢ)の神。 (エの性質) 拡がりの保存収縮。
精神宇宙にある精神内容が螺旋形の中心に静まり収まる力動韻
・調和・透刺力
大いなる量りの働きの地。選択決着を目指して納めようとするいとなみの識別の土台となる働き。
「検討されて正しいと心に決まれば」
(サ)・それなりに検討納得できれば自分の得た新たなものとの意識を得ます。ここで候補の選択も興味関心お気に入りの要素が指導的となります。思いついた大量の(あるいは少量の)候補を選択していきます。
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(八) 【15 言霊 ニ】 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。 (ワの性質)火花の先端にて、表面性。
物事の現象の種が精神宇宙の中核に煮詰まり成る韻
・成熟・吸引力
心の深部(夜)のなりさまの恐れおおさがもの事の原因となるように煮詰まる働き。
「その理論より行動の名目を立て」
(ナ)・そうと決まれば、実際に名前や表現の形の創出をしていきます。思い付きにしろ閃きにしろ好き嫌いにしろ、名目が立ってしまいます。この名目は、どこからきているかの自覚がないため、選択された内容におそれおおさが加わります。自分の言うことに権威やあやしさやかしこみの感情が知らず知らず紛れ込みます。
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(二) 【09 言霊 イ】 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。 (ウの性質) 全体性。
動き出した力動が持続する韻
・繁栄・飛至力
すべからく智に比ぶるに近かるべし。智による選択に依らずとも相手対象のなりさまと成る。
「行動し」
(ヤ)・一度自分に名目が立つと自分を強制しだします。自己の内外の条件をクリアできるように行動へと向かい、「~」は上手い自分なりの表現だと了解が成立していきます。というのも自分の中であやしい鳴り響く音を聞いてしまっていますから、心に立てようとしているものが、自分の相手対象で、自分の生産創造物と思われているからです。
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(六) 【13 言霊 リ】 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。 (ヱの性質)保存収縮の拡がり。
ある精神内容が宇宙の拡がりに向って螺旋状に発展拡大して行く力動韻
・滲透・螺婁()力
大いなる量りのわきまえ。選択識別されたなりさまが繰り返し述べられるような働き。
「次の事態へと発展していきます。」
(ラ)・こうしてこうであるとの、現象なるものを創ります。この現象表現が「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」となります。ひとたび心に収納されているものが出来上がり表出段階になり、心の父韻の過程のチイキミシリヒニを一つ一つ経過してきました。そこで一巡の最後に残ったのは「リ」だけで、「リ」が最後というのは、【13 言霊 リ】 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神とあるように、多いに繰り返されることになります。
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(・) 【17 言霊 ヰ】 妹伊耶那美(み)の神。 (意志の帰還)
伊岐とは伊の気でイ言霊のこと
心のすべての現象はここから現われ出て、また此処に帰っていくのです 。
「この心構えもイマ・ココの一瞬の中にそれ自体で完結した体系でなく、結論が次の疑問の始まりとなり際限なくつづくものです。ウ段と同様最終列の半母音の自覚を欠如します。」
(ワ)・ところがこの「~」という表現も自覚された結論として得たものではないので、「~」という結論が完結していなく、不安定で「~」が種となって次の疑問の始まりとなってしまいます。
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チイキミシリヒニ、自我を立てる原理
たかまはらの使用法。自我を立てる原理。
自我を立てる = 名を付けるということ。
自我意識の創造表現の原理。
先天実在-チ・イ・キ・ミ・シ・リ・ヒ・ニ-ギミの神
イ-チ・イ・キ・ミ・シ・リ・ヒ・ニ-ヰ
い-た・や・か・ま・さ・ら・は・な-ゐ
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○ 名前付ける、という天与の性能。
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古事記の以下の記述部分が自我意識の創造表現となる「自我」を立てるチイキミシリヒニに該当します。
【 ここに天津神諸(もろもろ)の命(みこと)以ちて、伊耶那岐の命伊耶那美の命の二柱の神に詔りたまひて、「この漂(ただよ)へる国を修理(おさ)め固め成せ」と、天の沼矛(ぬぼこ)を賜ひて、言依さしたまひき。】
【 かれ二柱の神、天の浮橋(うきはし)に立たして、その沼矛を(ぬぼこ)指し下(おろ)して画きたまひ、塩こをろこをろに画き鳴(なら)して、引き上げたまひし時に、その矛の末(さき)より垂(したた)り落つる塩の累積(つも)りて成れる島は、これ淤能碁呂島(おのごろ)なり。】
【 その島に天降(あも)りまして、天の御柱を見立て、八尋殿(やひろどの)を見立てたまひき。】
「 人類社会に創造される物事につけられる名前自体の限りなき発展、それが人類文明の創造という事が出来ます。」
「チとイ、キとミ、シとリ、ヒとニはどれも同じ動作の作用と反作用、陰と陽、妹背(いもせ)の関係にあります。」
「人間の心にはそのそれぞれより現象が生れるウオアエの四母音の次元があります。
言霊イの次元は、それ自体からは現象を生むことのない縁の下の力持ちの次元です。
ウオアエの四次元はそれぞれウヲワヱの四つの半母音宇宙と主体と客体の関係にあります。
このウ―ウ、オ―ヲ、ア―ワ、エ―ヱの四対の主客対立の間にチイキミシリヒニの八父韻が、言い換えますと、主体側のウオアエにチキシヒの四父韻が働きかけ、客体側のウヲワヱにイミリニの四父韻が寄って行き、そこにチイ、キミ、シリ、ヒニの陰陽のリズムが作用・反作用の感応同交を起す時、初めて次元ウオアエの四界層に現象が起る事となるのであります。
この事を言霊イ・ヰを観点として簡単にまとめて見ますと、図の如き構造が完成します。(図無し)
人間の生活一切の営みは、次元ウ―ウ、オ―ヲ、ア―ワ、エ―ヱの主客の感応同交による四次元界層の現象でありますが、同時にそれは創造主神と呼ばれ、造物主と宗教界で崇められる人間生命意志(言霊イ・ヰ)の根本活動である言霊父韻の働きに依るのである、という事であります。
人間の一挙手・一投足の動きはその奥にこの様な大きな内容を秘めているという事を忘れてはなりません。」
名を付けるという事。
「若し「○○がなかったとしたら」という前提を許すとすると、それ等すべての創造行為が一辺に「無」に帰してしまうという、その様な前提がある事にお気づきになる方は極めて少ないのではないでしょうか。
「そんな魔術のようなものがこの世の中にある筈がない」と思われるでしょう。けれど極めて真面目な話、それは厳然と存在するのです。それは何か、「名前」です。」
「上のように物や人の実体であり、生命であり、光でもある名前を命名する根元的な役割、力、生命は何処から出るのでしょうか。それが言霊イ(ヰ)であり、言霊イの第三番目の重要な働きという事が出来ます。八つの父韻が四つの母音に働きかけて生れて来る種々の現象に、それに相応しい名前を与え、この人間社会の生々発展の基礎的役割を果たす事、それが言霊イの第三の内容であり、役目なのです。」
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(吾の眼の創造原理)
○ 先天実在
(・) 【16 言霊 イ】 伊耶那岐(いざなぎ)の神。 (意志の発動) 親韻、
「中今の創造主。心の創造意思」
人は自分のことを指して「わたし」なり「自分」と言って自分のことを示し、物の名を挙げて物を指します。全く当たり前のことですが、もしここに自分を示す言葉が無かったら、物を指す言葉が無かったらどうなるでしょうか。今の文明社会というか、各人の存在に係わる問題です。
自分とは「もの」の名前を使う人で、相手とは名前の示された「もの」です。心の分野も感覚感情も言葉というものの形をとって始めて顕現顕在化します。
何かを言おうとするとき、示そうとするとき、わたしはものを示すのか自分を示すのかどちらかですが、その采配をふるっている言葉が各人自分のものとしてあります。
ではどのように自分が使う自分やものに与える名前が自分にあるのでしょうか。
記憶された沸き上がる概念を訳も知らずに利用しているというのが普通ですが、その利用している名前が自分のものになっていく過程があるはずです。
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○父韻 チイキミシリヒニ
○ア行 たやかまさらはな
○ チイキミシリヒニの順列は自然な精神意識の成り立ちによって自我が成立する手順を示したものです。
ですので精神原理であるとはいっても、自分の意識が最初ッから成立したままで語っていたのでは、語るべき前提をこそっと置いたり、暗黙の了解とか、自我はまずあるのだということになって、何も語ったことになりません。
自我を成立させるとは何かというと、相手対象に名前を付けて自分を対比させることです。チイキミシリヒニでは最後にナ行がきて、名(ナ)が付いたときに自我が成立したことを暗示しています。
古事記の冒頭ではまず、原理構造の紹介があります。次に必要なのは主体の働きですが、まずは自我となる主体を創造しなくては語る相手がいないということです。
この段階では先天の相手となるのは能動主体となる自我です。自我は能動主体側にあるはずなのに、ここでは先天の客体として扱われています。今までの理論理解には無いどんでんかえしです。
その後、先天の対象たる主体我成立して、先天を取り込む主体となった時に、普通にいわれる主体の成立が語られています。
まずは、先天の客体である主体(能動自我)の成立と、能動自我による主体活動とに分けます。
後者はいわゆる「まぐわい」「国生み」で、前者が今日のテーマとなります。
古事記からの引用とチイキミシリヒニの対応を見てみます。注意深く対比してみてください。
一文全体がチイキミシリヒニを文章化したものとなっています。しかもここではまず能動主体の成立がなければなりませんから、チイキミシリヒニそのままの手順で自我の成立=対象に名を付けるという経過になっています。
原文です。
【 ここに天津神諸(もろもろ)の命(みこと)以ちて、伊耶那岐の命伊耶那美の命の二柱の神に詔りたまひて、「この漂(ただよ)へる国を修理(おさ)め固め成せ」と、天の沼矛(ぬぼこ)を賜ひて、言依さしたまひき。】
自我の成立=名を付ける事を語ります。対比してみましょう。
【 ここに天津神諸(もろもろ)の命(みこと) 【08 言霊 チ】 宇比地邇(うひぢに)の神。
【以ちて、 【09 言霊 イ】 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。
【伊耶那岐の命 【10 言霊 キ】 角杙(つのぐひ)の神
【 伊耶那美の命の二柱の神に詔りたまひて 【11 言霊 ミ】 妹活杙(いくぐひ)の神
【「この漂(ただよ)へる国を修理(おさ)め固め 【12 言霊 シ】 意富斗能地(おほとのぢ)の神
【成せ」と、 【13 言霊 リ】 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神
【天の沼矛(ぬぼこ)を賜ひて、 【14 言霊 ヒ】 於母陀流(おもだる)の神
【言依さしたまひき。】 【15 言霊 ニ】 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神
例題。自我を立てることが、名を付けることになる経過とはどのようなものか。
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(一) 【08 言霊 チ】 宇比地邇(うひぢに)の神。 (ウの性質)全体性 いとなみ、働き。
精神宇宙全体がそのまま現象発現に向って動き出す端緒の力動韻
・創造・陽出力
「言霊チを示す神名、宇比地邇の神は「宇は地に比べて邇(ちか)し」と読めます。宇とは宇宙、いえ等の意味があります。人間の心の家は宇宙です。言霊アの自覚によって見る時、人の心の本体は宇宙であると明らかに分ります。するとこの神名は人の心の本体である宇宙は地と比べて近い、と読めます。即ち心の本体である宇宙と地と同じ、の意となります。宇宙は先天の構造、地とは現象として現われた姿と受取ることが出来ます。そこで宇比地邇の神とは心の宇宙がそのまま現象として姿を現す動き、となります。」
宇は地と比べて近い。天は地と比べて近い。吾の眼の全体感はそのまま相手対象に向ういとなみ・働きをする。
【 ここに天津神諸(もろもろ)の命(みこと)】-【08 言霊 チ】 宇比地邇(うひぢに)の神。
「 ここに先天構造を構成するすべての神々が出揃ったので、 」
ここに天津神諸の命以ちて、
これを文章通りに解釈しますと「先天十七神の命令によって、……」となります。これでは古事記神話が言霊学の教科書である、という意味は出て来ません。ではどうすればよいか。「神様が命令する」のではなく、「神様自身が活動する」と変えてみると言霊学の文章が成立します。「さてここで先天で十七神が活動を開始しまして……」となります。(いとなみ、働き側)
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(二) 【09 言霊 イ】 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。 (ウの性質) 全体性。 なりさま、実体
動き出した力動が持続する韻
・繁栄・飛至力
「上の言霊イは母音のイではなく、ヤイユエヨの行のイであります。」
「父韻イとは「父韻チの瞬間力動がそのまま持続して行く力動韻」という事が出来ましょう。ここに力動韻と書きましたのは、心の奥の奥、先天構造の中で、現象を生む人間生命の根本智性の火花がピカっと光る閃光の如き動きの意であります。」
すべからく智に比ぶるに近かるべし。智による選択に依らずとも相手対象のなりさまと成る。
【以ちて、 】-【09 言霊 イ】 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。
「 それ等の神々の命令を受けて」
ここに天津神諸の命以ちて、
これを文章通りに解釈しますと「先天十七神の命令によって、……」となります。これでは古事記神話が言霊学の教科書である、という意味は出て来ません。ではどうすればよいか。「神様が命令する」のではなく、「神様自身が活動する」と変えてみると言霊学の文章が成立します。「さてここで先天で十七神が活動を開始しまして……」となります。(なりさま、実体側)
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(三) 【10 言霊 キ】 角杙(つのぐひ)の神。 (オの性質)掻き進める働き。 いとなみ、働き。
体験内容を自我の方向に掻き寄せようとする力動韻
・収納・陰掻力
「言霊キ、ミ。昔、神話や宗教書では人間が生来授かっている天与の判断力の事を剣、杖とか、または柱、杙などの器物で表徴しました。角杙・活杙の杙も同様です。言霊キの韻は掻き繰る動作を示します。何を掻き繰る(かきくる)か、と言うと、自らの精神宇宙の中にあるもの(経験知、記憶等)を自分の手許に引寄せる力動韻のことです。これと作用・反作用の関係にある父韻ミは自らの精神宇宙内にあるものに結び附こうとする力動韻という事が出来ます。」
立てた規範をもってその運用に合うように相手対象を引き寄せるいとなみ、働き。
【伊耶那岐の命】-【10 言霊 キ】 角杙(つのぐひ)の神
「 伊耶那岐(・伊耶那美の二神)がいざと立ち上がり、」
先天十七神即ち先天構造を構成する十七個の言霊が活動を開始しますと、伊耶那岐・伊耶那美の二神、言霊イ・ヰは次の様な事を実行することとなります。(いとなみ、働き側)
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(四) 【11 言霊 ミ】 妹活杙(いくぐひ)の神。 (ヲの性質) 掻き集める。なりさま、実体。
精神内容の中に己にある自己の体験内容に思いが結びつこうとする力動韻
・整理・旋回力
「言霊キ、ミ。昔、神話や宗教書では人間が生来授かっている天与の判断力の事を剣、杖とか、または柱、杙などの器物で表徴しました。角杙・活杙の杙も同様です。言霊キの韻は掻き繰る動作を示します。何を掻き繰る(かきくる)か、と言うと、自らの精神宇宙の中にあるもの(経験知、記憶等)を自分の手許に引寄せる力動韻のことです。これと作用・反作用の関係にある父韻ミは自らの精神宇宙内にあるものに結び附こうとする力動韻という事が出来ます。」
釣りあげた生きた魚をてなづけるように立てた規範に相手対象を適合させるようななりさまを探す働き。
【 伊耶那美の命の二柱の神に詔りたまひて】-【11 言霊 ミ】 妹活杙(いくぐひ)の神
「 (伊耶那岐・)伊耶那美の二神がいざと立ち上がり、」
先天十七神即ち先天構造を構成する十七個の言霊が活動を開始しますと、伊耶那岐・伊耶那美の二神、言霊イ・ヰは次の様な事を実行することとなります。(なりさま、実体側)
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(五) 【12 言霊 シ】 意富斗能地(おほとのぢ)の神。 (エの性質) 拡がりの保存収縮。いとなみ、働き。
精神宇宙にある精神内容が螺旋形の中心に静まり収まる力動韻
・調和・透刺力
「言霊シ。意富斗能地は大きな斗(はかり)の働きの地と読めます。物事を判断し、識別する大いなる能力の地という訳です。人はある出来事に出合い、その事を判断・識別する事が出来ず迷う事があります。あゝでもない、こうでもないと迷いながら、次第に考えが心の中でまとめられて行きます。そして最後に迷いながら経験した理が中心に整理された形で静止し、蓄積されます。蓄積される所が心の大地という訳です。この働きから学問の帰納法が生れて来るでありましょう。」
大いなる量りの働きの地。選択決着を目指して納めようとするいとなみの識別の土台となる働き。
【「この漂(ただよ)へる国を修理(おさ)め固め】-【12 言霊 シ】 意富斗能地(おほとのぢ)の神
「 先天構造世界の内容はすべて整った。けれど後天現象世界についてはまだ何も手をつけていない。その混沌とした後天の世界に創造の手を加えて、種々のものを創造し、うまくいったか、どうかを調べ、」
「この場合、漂へる国の国とは国家のことではなく、創造して行く一つ一つの物や事のことを指します。 」
この漂へる国とは、先天構造の十七の言霊は出揃ったが、その十七言霊が実際にどんな構造の先天であるのか、またその先天が活動することによって如何なる子音が生れるのか、その子音がどの様な構造を構成するのか、またその子音によって実際にどんな世の中が生れて来るのか、…等々がまだ何も分ってはいない、という様に事態はまだ全く流動的状態であるという事であります。「修理め固め成せ」を漢字だけ取り出しますと、「修理固成」となります。どういう事かと申しますと、「修理」とは不完全なものを整え繕う事、「固成」とは流動的で秩序が定まっていないものに秩序をつけ、流動的なものに確乎とした形を与えることであります。実際にはどういう事をすることになるかと申しますと、宇宙大自然の中にあって、およそ人間の営みに関係するもの一切を創造し、それに名前をつけることによって生活の秩序を整え、人類としての文化を発展させて行く事であります。
前にもお話しましたが、創造というと物を造り、道路や橋やビルを建設したり、芸術作品を創作したりする事と思われています。これ等も創造である事に間違いありませんが、精神内の創造とはそれ等の外に今までの経験を生かし、それに新しいアイデアを加えて物事を創造すると共に、その創り出されたものに言葉の道理に則って新しい名前を附けること、これも大きな創造です。言葉というもの自体から言うなら、この様に新しいものに附けられる名前の発展、これが創造の本質と言うことが出来ます。(この文章のいとなみ、働き側)
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(六) 【13 言霊 リ】 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。 (ヱの性質)保存収縮の拡がり。 なりさま、実体。
ある精神内容が宇宙の拡がりに向って螺旋状に発展拡大して行く力動韻
・滲透・螺婁力
「言霊リ。大斗乃弁とは大いなる計りの弁(わき)まえと読めます。意富斗能地と作用・反作用の関係にある事から、心の中にある理論から外に向かって発展的に飛躍していく働きと考えられます。父韻リはラリルレロの音がすべて渦巻状、螺旋状に発展していく姿を表わしますから、父韻リとは心の中の理論が新しい分野に向かって螺旋状に発展し、広がって行く働きであることが分ります。この様な動きの理論の働きは演繹法と呼ばれます。学問ではなくとも、多くの物事の観察から人の心の中に一つの結論がまとまっていく過程、また反対にひとつの物事の理解から思いが多くの事柄に向かって連想的に発展して行く事、その様な場合にこの父韻シ、リの存在が確かめられます。」
大いなる量りのわきまえ。選択識別されたなりさまが繰り返し述べられるような働き。
【成せ」と、】-【13 言霊 リ】 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神
「 創造したものに適当な名前を付け、整備しなさい、との意味です。混沌とした世界を一つ一つ区切って、言葉の言うように似せること、創造したものの内容・その存在がよく分かるように適当な名前を付け、他のものとはっきり区別出来るようにすることを言います。 」
この漂へる国とは、先天構造の十七の言霊は出揃ったが、その十七言霊が実際にどんな構造の先天であるのか、またその先天が活動することによって如何なる子音が生れるのか、その子音がどの様な構造を構成するのか、またその子音によって実際にどんな世の中が生れて来るのか、…等々がまだ何も分ってはいない、という様に事態はまだ全く流動的状態であるという事であります。「修理め固め成せ」を漢字だけ取り出しますと、「修理固成」となります。どういう事かと申しますと、「修理」とは不完全なものを整え繕う事、「固成」とは流動的で秩序が定まっていないものに秩序をつけ、流動的なものに確乎とした形を与えることであります。実際にはどういう事をすることになるかと申しますと、宇宙大自然の中にあって、およそ人間の営みに関係するもの一切を創造し、それに名前をつけることによって生活の秩序を整え、人類としての文化を発展させて行く事であります。
前にもお話しましたが、創造というと物を造り、道路や橋やビルを建設したり、芸術作品を創作したりする事と思われています。これ等も創造である事に間違いありませんが、精神内の創造とはそれ等の外に今までの経験を生かし、それに新しいアイデアを加えて物事を創造すると共に、その創り出されたものに言葉の道理に則って新しい名前を附けること、これも大きな創造です。言葉というもの自体から言うなら、この様に新しいものに附けられる名前の発展、これが創造の本質と言うことが出来ます。(この文章のなりさま、実体側)
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(七) 【14 言霊 ヒ】 於母陀流(おもだる)の神。 (アの性質)火花の先端にて、表面性。 いとなみ、働き。
精神内容表現が精神宇宙球の表面に完成する韻
・開顕・開発力
「言霊ヒ。於母陀流の神を日本書紀には面足尊(おもたるのみこと)と書いており、その意味・内容は更に明らかとなります。ハヒフヘホの音は主として人の言葉に関する音であります。面足とは心の表面に物事の内容表現が明らかに表わされる力動韻という事が出来ます。
かくの如く心の表面にはっきり表現として現われる時には、心の奥で過去のイメージが実を結んでいる、という事になります。」
意識内容が自己の表層へと上昇し自己の表面結界を超えて、表面で見つかったものと結び付こうとする働き。
【天の沼矛(ぬぼこ)を賜ひて、】-【14 言霊 ヒ】 於母陀流(おもだる)の神
「 天(あめ)の沼矛(ぬぼこ)とは先天の働きのある矛(ほこ)の意。矛とは剣(つるぎ)の柄(つか)の所を長くした武器のこと。古事記の神話が言霊学の教科書であることを念頭におくと、天の沼矛とは言葉を発する時の舌のことと考えられます。」
沼矛の矛とは両刃の剱に長い柄をつけたもの、と辞書にあります。しかし矛という武器は言霊学と関係がないものです。では矛という言葉を使うのは何故か。文章の前後を慎重に検討しますと、言葉の学問に対して矛とは何を表徴しているのか、それは人間の発声器官である舌の事でありましょう。人の舌の形は矛に似ています。人は舌を上手に使って言葉を話します。けれど舌だけで言葉を話すわけではありません。それは心が動くからです。心が活動して、更に舌が動く事によって、霊と音声が一緒になり、言霊子音を生みます。この現象子音である言霊によって漂へる国を修理固成し、人類の文明創造が行われる事となって行きます。(この文章のいとなみ、働き側)
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(八) 【15 言霊 ニ】 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。 (ワの性質)火花の先端にて、表面性。なりさま、実体。
物事の現象の種が精神宇宙の中核に煮詰まり成る韻
・成熟・吸引力
「言霊ニ。この心の奥に一つの事の原因となるものが煮つめられて行く力動韻、これが父韻ニであります。」
心の深部(夜)のなりさまの恐れおおさがもの事の原因となるように煮詰まる働き。
【言依さしたまひき。】-【15 言霊 ニ】 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神
「この舌を操作して言葉を創造し、その言葉によって後天の現象世界を整備、発展させなさいと命令し、委任した、ということです。」
沼矛の矛とは両刃の剱に長い柄をつけたもの、と辞書にあります。しかし矛という武器は言霊学と関係がないものです。では矛という言葉を使うのは何故か。文章の前後を慎重に検討しますと、言葉の学問に対して矛とは何を表徴しているのか、それは人間の発声器官である舌の事でありましょう。人の舌の形は矛に似ています。人は舌を上手に使って言葉を話します。けれど舌だけで言葉を話すわけではありません。それは心が動くからです。心が活動して、更に舌が動く事によって、霊と音声が一緒になり、言霊子音を生みます。この現象子音である言霊によって漂へる国を修理固成し、人類の文明創造が行われる事となって行きます。(この文章のなりさま、実体側)
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(吾の眼の創造原理)
○ 「中今の創造主。心の創造意思」。
(・) 【17 言霊 ヰ】 妹伊耶那美(み)の神。 (意志の帰還) 親韻
心のすべての現象はここから現われ出て、また此処に帰っていくのです 。
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