煩累の大人(わずらひのうし)の神。「身禊」。7。
次に投げ棄つる御衣(みけし)に成りませる神の名は、煩累の大人(わずらひのうし)の神。
御衣とは衣の事で、心の衣である五十音言霊図の事です。
煩累の大人の神とは、
煩累が意味がアイマイで、不明瞭な言葉のことであり、
大人とは家の主人のこと、
その神名全部で五十音言霊図に参照してアイマイで意味不明瞭な言葉を整理・検討して、その言葉の内容をしっかり確認する働き、という事であります。
煩累の大人の神を和豆良比能宇斯能神と書いた古事記の本もありますが、意味は同じであります。
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古事記冒頭の百神の半分カグツチまではその出現の必然性は感じられたが、後半の五十神の理解は難しい。ここの五神の出現の順位はどうしてかはっきりしない、どうして煩累の大人の神がここに出て来るのか分からない。
普通はまず、男か、0か、母音か、の主体側から始まっている。
それに対してこの段は心の御柱が例となっているように思える。とはいっても別々の次元階段式ではなく循環重層構造なので新しい神の出現はそれ以前の立場を全部包含している。
まず、下0。
0、衝き立つ船戸(つきたつふなど)の神。-判断の基準、精神の拠り所を斎き立てる。
ついで、オ次元。
1、道の長乳歯(みちのながちは)の神。○お・過去経験○御帯おび、オ次元の言霊での判断。
-判断を据えてそれと他の物事との関連性、他の事物の連続性のどこの時点にいるかを調べる。
(ウマシアシカビヒコヂの神の領域。)
つぎに、父韻。エ次元。
2、時量師(ときおかし)の神。(処、位を追加。)○え・変移と選択のリズム○御裳(腰に着ける衣類)両端を結んで閉じる。八父韻が行き来すること。
-判断を据えてそれが他の物事の実相の変化のリズムのどの時点にいるかを見極める。
(国の常立、豊雲野の神の領域)
つぎに、上0。オ-エ次元を超えて。
3、煩累の大人(わずらひのうし)の神。○あ・心に響く実体○御衣、全体を覆う衣類。
-判断を据えてそれが他の事物の不明瞭さをもたらすことなく自身の不明瞭さも排して言葉の意味をはっきり確認する。
(高御産巣日、神産巣日の神の領域)
つぎに、ア-ワ。
4、道俣(ちまた)の神。○あ-わ○御褌、二股になった衣類。
-判断を据えてそれが出てきた自分と他物の分岐点を明らかにする。
(天御中主の神の領域)、
そして、上0。
5、飽咋の大人(あきぐひのうし)の神。○明らかにむすび○御冠、五十音図の上、ア段。
-判断を据えてそれが他の事物から実相を明らかに見て取れそれを言葉に組んでいく。
(伊耶那岐の大神の領域)
-------------ひふみ。
脚注にはこの段は『石神神宮の布留の言本の「ヒフミヨイムナヤコトモチ」である。』とあります。
ひふみの始めのヒフミヨイは次のようです。
ヒ・淡路の穂の狭別の島-天の御中主の神-言霊ウ。穂の別の穂の転じたもの。
フ・伊豫の二名島-高御産巣日の神-言霊ア。 神産巣日の神-言霊ワ。二名島のフから。
ミ・、隠岐の三子島-天の常立の神-言霊オ 。宇摩志阿斯訶備比古遅の神-言霊ヲ。 国の常立の神-言霊エ。豊雲野の神-言霊ヱ 。三子島のミから。
ヨ・竺紫の島-宇比地邇神・妹須比智邇神 チ・イ。 角杙神・妹生杙神 キ・ミ 。意富斗能地神・妹大斗乃弁神 シ・リ 。於母陀流神・妹阿夜訶志古泥神 ヒ・ニ。面四つありの能動受動の四つのヨから。
イ・伊岐の島-伊耶那岐神-言霊イ。 伊耶那美神-言霊ヰ 。伊耶那岐のイから。
ヒフミヨイの五つで先天十七神十七言霊の天津磐境のこと。
続いて。
ム・衝き立つ船戸(つきたつふなど)の神から、道の長乳歯(みちのながちは)の神、時量師(ときおかし)の神、煩累の大人(わずらひのうし)の神、道俣(ちまた)の神、飽咋の大人(あきぐひのうし)の神の六神のム。
ナ・成る。六神の働きが成る。
ヤ・八父韻の働きを思う存分に使用する。
コ・実相の現象化。
ト・十。アからワへ、主から客へ通す。
もち・用いる。
全部で、先天十七の天津磐境の言霊を衝き立つ船戸(つきたつふなど)の神から飽咋の大人(あきぐひのうし)の神の六神の働きが成り立つように、八つの父韻を思う存分使用して、実相の現象化の為に父韻をアからワへ、主から客へ通す、ことを用いて、、と成りそうです。
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