古事記冒頭の構造
言霊ひとめぐり
前承する意識の上昇螺旋循環
銀河が回転し地球が回転するように人の意識も回転しています。
こころの事を記す古事記
1) あめつち・吾(ア)の眼(メ)を付(ツ)けて智(チ)に成す
2) 先天意識の領域。ありさま。
(一) 吾の眼・淡路の穂の狭別の島 という意識の全体領域
(二) 主客の剖判・伊豫の二名島
(三) 心の大いなる領域・隠岐の三子島
3) 先天意識の領域。いきさま。
(四) 心の活動主体・竺紫の島
(五) 精神宇宙の支柱・伊岐の島
4) おのれの心の領域・オノコロ島
(イ) 主体性行きの領域の確立・天の御柱八尋殿
(ロ) 一般領域・蛭子淡島
(ハ) 主体の活動領域・十四島
5) 後天意識の領域。
(六) 先天からイメージへ・津島
(七) イメージから物象化へ・佐渡の島
(八) 物象の伝達了解現象化へ・大倭豊秋津の島
6) 主観の確立。
(九) 現象要素の整理運用理想の心構え自証規範・吉備の児島
(十) 主観の確立へ・小豆島
(十一) 主観による運用・大島
(十二) 主観による客観創造表現・姫島
7) 主観による客観世界の解明・黄泉国。
(イ) 客観世界の様子
(ロ) 自証規範との乖離
(ハ) 乖離の確認離脱へ
(ニ) 一般性との離反・事戸
8) 主体世界。禊ぎ祓え。
(十三) 自証規範の革新改造・知訶島
9) 自覚意思
(十四) 自証他証の統一止揚創造的精神の操作・両児島
10) 「ア」の間を照す・天照す大御神
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まえがき。
古事記の上巻神代の巻をこころの原理論教科書として読み直すものです。
神の名前を数えてちょうど百番目の位置に三貴子がでてきます。
ここまでがこころの原理論の考察の対象です。
以下は心の運用応用問題となって、上巻を終えています。
古事記の神代の巻の思想はそれが書き記された時代を遡ること五六千年以上も前に完成していました。
太古大和のスメラミコトの時代は精神の時代でした。心とは何か、どのように始まりどのように働き、どのように物を創るのかが研究され、解明されてしまいました。
神代の巻はこころの原理教科書で、実体を示すことが表徴的な言葉で記されています。ですのでそのまま読んでも実体内容は浮かび上がってきません。ここでは大和の日本語のアイウエオが非常に重要な役目を負っています。
例えば、「天地」は、てんちと読みません。「あめつち」と読むようになっています。
この「あめつち」をこころの原理に沿うように解きほぐすと、
あ(吾)め(眼)つ(付)ち(智)となり、
吾(あ)の眼(め)を付(つ)けて智(ち)と成す、のことで、
私の意識が相手対象に向かうことで智恵の行動創造と、なります。
古事記の始まりは「あめつち」の「ア」ですが、心の原理を示す神名が百になる三貴子のところにくると「あまてらすおおみかみ」になります。「あまてらす」というのは、吾間照らすのことで、私の意識の運用の間を照らしだすことです。
「ア」で始まり「ア」で終わる一循環をこころの原理論と記したものが古事記となっています。ちょうど百神ありますので、言霊百神の循環といいます。
この言霊循環は各単音を発音する各瞬間を貫徹していきます。つまりアならア、イならイと発音される瞬間を百の工程を以て説明したものです。はるか数千の昔に大和のスメラミコトは心の原理を解明してしまい、古事記の上巻として残した置いたというわけです。現代の宗教家、思想家、哲学者のいかなる者も成し遂げることのできないことでした。
こころの原理として当たり前にあることですが、現代のわたしたちにはあまりにも雲霞がかかったものとしてあります。
人のこころの全ての分野の原理ですので、主客論、認識論、空解脱論、時間論、宗教論、今夜のおかずは何にしようか、どの服を着ようか、今後の世界運用、神道のあり方、等、吾の眼が付くことに関しての原理です。
まずは、吾の眼を付けて智に成してみましょう。
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言霊百神の目次について
古事記の冒頭の百神が出てくるまでで一循環を示しますが、百神の一つ一つが心の動きのそれぞれの独立した行程を示していますので、百神のそれぞれが一章を担当しているというものです。
ですので、古事記の原文をそのまま目次とします。
注。) 古事記の表記は漢語ですが、大和言葉の訳ですので囚われることのないようにしてください。また、神名が多く出てきますが、そのような神様が実際にいるのではありません。こころの働きとありかた(イキサマとアリサマ)を神名で捉えたものです。
○ 古事記にいて
大目次 百神までの主な循環です。
先天構造 - 後天要素 - 無自覚運用 - 自覚運用 の言霊上昇循環 (ウ-ア-ワ の循環)
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心の手順目次。
先天構造
【天地の初発(はじめ)の時、】
(こころの発生、問題の提示) ありさま・いきさま・なりさま
【高天(たかま)の原(はら)に】
(こころの先天領域)
【成りませる神の名(みな)は、】
(吾の眼が付いて智に成る)
造化三神 淡路の穂の狭別の島 。アとワ(淡路)の言霊(穂)が別れて出て来る(別)狭い(狭)区分(島) 言霊ウは主客未剖、アワは そこから分れます。
中今。(今今全体の創出)から、
「中今」の「いとなみ」<「イキサマ」「アリサマ」>「なりさま」への剖判。
(主客の発生、剖判の連続、働きと実体に剖判)
【 天の御中主(みなかぬし)の神。次に】 言霊ウ、
先天構造。伊豫の二名島。 二名とはアとワの二音言霊のこと 宇宙剖判で主体アと客体ワに分れます この主と客に分かれることが全ての自覚の始まりです。 イとヰの現象を創造する働きの予めの区分
【 高御産巣日(たかみむすび)の神。次に】 言霊ア、
(いとなみ。今全体のいとなみ。心の自覚、主体・能動・働き側)。
【 神産巣日(かみむすび)の神。】 言霊ワ
(なりさま。今全体のなりさま。心の自覚、客体・受動・実体側)
【 この三柱の神は、みな独神(ひとりがみ)に成りまして、身(み)を隠したまひき】
こころの先天構造の中だけの実在
先天構造。隠岐の三子島。隠岐とは隠り神、三つ子とは三段目に現われる言霊という意味
【 次に国稚(わか)く、浮かべる脂(あぶら)の如くして水母(くらげ)なす漂(ただよ)へる時に、】
【葦牙(あしかび)のごと萌(も)え騰(あが)る物に因りて成りませる神の名は、】
【 宇摩志阿斯訶備比古遅(うましあしかびひこぢ)の神。次に】 言霊ヲ
(過去-今全体のなりさま。こころの客観経験実在、客体側)
【 天の常立(とこたち)の神。】 言霊オ
(過去-今全体のいとなみ。こころの構造、経験知識、主体側)
【 この二柱の神もみな独神に成りまして、身を隠したまひき。】
【次に成りませる神の名は、
【 国の常立(とこたち)の神】 言霊 エ (こころの構造、選択、主体側)。
(今-未来のいとなみ。心の選択実在)
【 豊雲野(とよくも)の神】 言霊 ヱ (こころの構造、選択 客体側)。
(今-未来のなりさま。心の選択実在)
【この二柱の神も、独神に成りまして、身を隠したまひき。】
言霊オ・ヲ(経験知)、エ・ヱ(実践智)は文明創造上最も重要な精神性能です
言霊アの働きはオとエに剖判
言霊ワの実体はヲとヱに剖判
先天構造。竺紫の島。 ----竺紫は尽くしの謎 八つの父韻は言霊イ(伊耶那岐神)の実際活動のリズム 「身一つにして面 四つ」の意味は作用・反作用の陰陽一対四組の知性の律の島です。
(心のいとなみの八種)
【次に成りませる神の名は、
【 宇比地邇(うひぢに)の神。】 言霊 チ (ウ)全体性 父韻。 今-今の働き側
【 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。 言霊 イ (ウ) 全体性。 今-今の実体側
【 角杙(つのぐひ)の神。】 言霊 キ (オ)拡がる動き。 過去-今の働き側
【 妹活杙(いくぐひ)の神。】 言霊 ミ (ヲ) 拡がる動き。 過去-今の実体側
【 意富斗能地(おほとのぢ)の神。】 言霊 シ (エ) 拡がりの保存収縮。 今-未来の働き側
【 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。】 言霊 リ (ヱ)拡がりの保存収縮。 今-未来の実体側
【 於母陀流(おもだる)の神。】 言霊 ヒ (ア)火花の先端にて、表面性。今全体の具現化の働き側
【 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。】 言霊 ニ (ワ)火花の先端にて、表面性。 今全体の具現化の実体側
先天構造。伊岐の島。 ----伊岐とは伊の気でイ言霊のこと
心のすべての現象はここから現われ出て、また此処に帰っていくのです。
(心の創造意思。) 親韻。
【 伊耶那岐(いざなぎ)の神。】 言霊 イ (意志の発動) 縁の下の力持ち 出す力
【 妹伊耶那美(み)の神。】 言霊 ヰ (意志の帰還) 縁の下の力持ち 受ける力
○ 始原、無、空について
○ 天津磐境、先天について、母音世界について
○ 父韻について
○ イザナギについて
○ 今とは何か
○ 「ア」の世界
○ 腹母音について
おのれの心の領域。 淤能碁呂(おのごろ)島。
自我領域創造の前提
【 ここに天津神諸(もろもろ)の命(みこと)以ちて、】
(おのれのこころに対する先天の働きかけ)
【伊耶那岐の命伊耶那美の命の二柱の神に詔りたまひて、】
(先天の自我の働き=自我などない)
【「この漂(ただよ)へる国を修理(おさ)め固め成せ」と、】
(先天の吾の眼の目指すもの。天与の性能としての吾の眼と、個別自我としての吾の眼の働き側・父韻)
【天の沼矛(ぬぼこ)を賜ひて、言依さしたまひき。】
(言葉の創造に必要な実体側・舌)
自我領域の主体側
【 かれ二柱の神、天の浮橋(うきはし)に立たして、】
(橋の両端を結ぶ為に、向き合う)
【その沼矛を(ぬぼこ)指し下(おろ)して画きたまひ、】
(働き媒介するもの)
【塩こをろこをろに画き鳴(なら)して、】
(働きが向かう相手=塩・しお、しほ・四穂、四霊)
【引き上げたまひし時に、その矛の末(さき)より垂(したた)り落つる塩の累積(つも)りて成れる島は、】
(父韻と母音が結ばれる)
【これ淤能碁呂(おのごろ)島なり。】
(おのれのこころの島・領域)
【 その島に天降(あも)りまして、天の御柱を見立て、八尋殿(やひろどの)を見立てたまひき。】
(自己領域の内容)
○ 自我などない・無我と自我の無い人
○ おのれのこころ
○ 自我の成立=存在を成立させる意識
======工事中======
== 心の創造 ==
自我領域内の働き 、 まぐわい
【 ここにその妹(いも)伊耶那美の命に問ひたまひしく、「汝(な)が身はいかに成れる」と問ひたまへば、答へたまはく、「吾が身は成り成りて、成り合はぬところ一処(ひとところ)あり」とまをしたまひき。
【 ここに伊耶那岐の命詔りたまひしく、「我が身は成り成りて、成り余れるところ一処あり。
故(かれ)この吾が身の成り余れる処を、汝(な)が身の成り合わぬ処に刺(さ)し塞(ふた)ぎて、
【国土(くに)生みなさむと思ふはいかに」とのりたまへば、伊耶那美の命答へたまはく、「しか善けむ」とまをしたまひき。
【 ここに伊耶那岐の命詔りたまひしく、「然らば吾と汝と、この天之御柱を行き廻り逢ひて、美斗(みと)の麻具波比(まぐはひ)せむ」とのりたまひき。
【 かく期(ちぎ)りて、すなはち詔りたまひしく、「汝は右より廻り逢へ。我は左より廻り逢はむ」とのりたまひて、
【約(ちぎ)り竟(を)へて廻りたまふ時に、伊耶那美の命まづ「あなにやし、えをとこを」とのりたまひ、後に伊耶那岐の命「あなにやし、え娘子(をとめ)を」とのりたまひき。
【 おのもおのものりたまひ竟(を)へて後に、その妹に告りたまひしく、「女人(おみな)先だち言へるはふさはず」とのりたまひき。
最初の現象創造 、 水蛭子 (一般性 、 客体側実在を主にした創造)
【 然れども隠処(くみど)に興(おこ)して子水蛭子(みこひるこ)を生みたまひき。
【この子は葦船(あしぶね)に入れて流し去(や)りつ。
【次に淡島を生みたまひき。こも子の例(かず)に入らず。
最初の現象創造 、 個別性 (主体による創造)
【ここに二柱の神議(はか)りたまひて、「今、吾が生める子ふさわず。なほうべ天つ神の御所(みもと)に白(まを)さな」とのりたまひて、すなはち共に参(ま)ゐ上がりて、天つ神の命を請ひたまひき。ここに天つ神の命以ちて、太卜(ふとまに)に卜(うら)へてのりたまひしく、「女(おみな)の先立ち言ひしに因りてふさはず、また還り降りて改め言へ」とのりたまひき。
○ 一般性と個別性
心の活動基盤領域 、 島生み (十四の領域)
子淡路の穂の狭別の島
【 かれここに降りまして、更にその天の御柱を往き廻りたまふこと、先の如くなりき。ここに伊耶那岐の命、まづ「あなにやし、えをとめを」とのりたまひ、後に妹伊耶那美の命、「あなにやし、えをとこを」とのりたまひき。かくのりたまひ竟へて、御合いまして、
【 子淡路の穂の狭別の島を生みたまひき。】
(吾の眼が付く)
伊予の二名(ふたな)の島
【 次に 伊予の二名(ふたな)の島 を生みたまひき。この島は身一つにして面四つあり。面ごとに名あり。かれ伊予の国を愛比売(えひめ)といひ、讃岐の国を飯依比古(いいよりひこ)といひ、粟(あわ)の国を、大宜都比売(おほげつひめ)といひ、土左(とさ)の国を建依別(たけよりわけ)といふ。次に】
(思惟活動の始まる絶対原理・剖判)
隠岐(おき)の三子(みつご)の島
【 隠岐(おき)の三子(みつご)の島 を生みたまひき。またの名は天の忍許呂別(おしころわけ)。次に】
(知識と智恵、過去から今へと今から未来へ)
筑紫(つくし)の島
【 筑紫(つくし)の島 を生みたまひき。この島も身一つにして面四つあり。面ごとに名あり。かれ筑紫の国を白日別(しらひわけ)といひ、豊(とよ)の国を豊日別(とよひわけ)といひ、肥(ひ)の国を建日向日豊久士比泥別(たけひわけひとわくじひわけ)といひ、熊曽(くまそ)の国を建日別といふ。次に】
(父韻の八つの働き)
伊岐(いき)の島
【 伊岐(いき)の島 を生みたまひき。またの名は天比登都柱(あめひとつはしら)といふ。次に】
(こころの働きとあり方の出所)
津(つ)島
【 津(つ)島 を生みたまひき。またの名は天(あめ)の狭手依比売(さでよりひめ)といふ。次に】
(先天の構造物をイメージに組む)
佐渡(さど)の島
【 佐渡(さど)の島 を生みたまひき。次に】
(イメージを物象化する)
大倭豊秋津(おほやまととよあきつ)島
【 大倭豊秋津(おほやまととよあきつ)島 を生みたまひき。またの名は天(あま)つ御虚空豊秋津根別(もそらとよあきつねわけ)といふ。かれこの八島のまづ生まれしに因りて、大八島国(おほやしまくに)といふ。】
(言霊現象要素)
吉備(きび)の児島(こじま)
【 然ありて後還ります時に、
【 吉備(きび)の児島(こじま) を生みたまひき。またの名は建日方別(たけひかたわけ)といふ。次に】
(無自覚ながら判断規範ができる)
小豆島(あづきしま)
【 小豆島(あづきしま) を生みたまひき。またの名は大野手比売(おほのてひめ)といふ。次に】
(主体の働き)
大島(おほしま)
【 大島(おほしま) を生みたまひき。またの名は大多麻流別(おほたまるわけ)といふ。次に】
(知識とちえの宝庫)
女島(ひめしま)
【 女島(ひめしま) を生みたまひき。またの名は天一根(あめひとつね)といふ。次に】
(創造表出物象)
知珂(ちか)の島
【 知珂(ちか)の島 を生みたまひき。またの名は天の忍男(おしを)。次に】
(自覚後の禊ぎ祓え)
両児(ふたご)の島
【 両児(ふたご)の島 を生みたまひき。またの名は天の両屋(ふたや)といふ。】
(こころの全容。百の言霊)
○ 052 先天領域論
○ 予備
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