八針に取り辟(つ)きて、との関連。
天あま津つ金かな木ぎを、本打切り、末打断ちて、
千ち座くらの置おき座ざに置き足たらはして
天あま津つ菅すが麻そを、本刈断ち、末刈切りて
八や針はりに取とり辟つきて
天あま津つ祝のり詞との太ふと祝詞事のりとごとを宜のれ
『天津菅麻音図の両端の母音・半母音の列を音図から切り離し、残った縦の八つの現象音の列を一列ごとに裂いてばらばらにしてしまって、という事であります。』
ヤハリは、八つの葉(言霊)の働きに離ればなれにしてで、八つの父韻に対応しています。
この章では以下のことを扱います。八針に取りつきては、大祓え出てくる言葉で、大祓えはやってしまったこと現象となっていることへの反省に関するものです。産んでしまった現象の正否を検討するのに、前段(1。)の身禊準備五神との関係を見ます。と同時に将来への今後の方針の立て方や予見予想等の為、前もって見立てが出来るようになればよい、というものです。
身禊は三貴子が登場するまでは完成しませんが、ここではその準備段階の五神との関連を扱います。
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1。と同じく転んでズボンを汚したという設定です。
まず、ズボンを汚したという判断ができる規範が無いと事が始まりません。綺麗か汚れているかの判定を持つ規範があります。
0。(写し出す鏡としての前提)
かれ投げ棄(う)つる御杖に成りませる神の名は、衝き立つ船戸(つきたつふなど)の神。
この意味は判断の基準たる原理を投入することです。その投入された処には主体意識のまっさらな規範があります。これがまっさらであることによってどのようにでも如何様にでも自分の意見が出てこられます。
ですのでここでは、色不異空空不異色色即是空空即是色を超えた各自が普通に持っている零(ゼロ)判断規範の世界があります。
主体的な主観判断として各人の自由になるものであって、それを通してそれぞれの意見が出てきます。ですのでここでは写し出す鏡として八針どころか五十音言霊の全体が秘められています。ここでは判断規範の原理としてありますから、規範自体は純白な姿をとっているままです。
八針自体の動きは無く、しかし、一切の動きの造営の棲家とエネルギーを提供するがごとくです。
八針は一塊のチキシヒイミリニの言霊ですが、何時でも剖判運用の用意は出来ています。
1。
次に投げ棄つる御帯(みおび)に成りませる神の名は、道の長乳歯(みちのながちは)の神。
鏡に照らしてまず見るものはそこにあるものがそこにまずあるという確認です。それは有るものがそこに有るという確認と確認の持続という関連として現われてきます。帯は投入されるだけでは役に立たず、結ばれて形を現してこそ帯になります。
帯は長く続いた姿を持っていると同時に、結ばれた形をとって輪っかとなります。
鏡には八つの形の父韻が刻印されていますから、その結ばれた始めの帯の形を乳歯の連続で現わし関連を象徴しています。そうすると次のように八つの長乳歯の形(有るものの形)が現われます。有る無しと一言で簡単に言いますが、その現れは多様でありしかも原理的に八つの現れとなり、そのそれぞれの現れがチイキミシリヒニと言霊が配当されています。
その配当されている次元が欲望次元であるか感覚であるか知識であるか選択であるかによって、それぞれ五十音図の横段の言霊で示されます。例えば欲望次元の現れはウ段の、う・つくすふゆむるぬ・う、という言霊で表現されます。その現れの内容は以下のようです。ここでのウ段の並びは原理的な純白な姿の並びです。つまりどこでも白ですから順位にはこだわりません。
身禊五神で判断できる範囲は、
一、ズボンを汚した判断する全体像の八種 ・ナガチハ
二、汚れが何時どこでどのように出来たかという確認の八種 ・トキオカシ
三、汚れに対する自他の判断に煩わしいものが無いようにという確認の八種 ・ワズライノウシ
四、汚れに対処しその方向性を確認する選択の八種 ・チマタ
五、汚れがズボンにあり自分は汚れており汚れと共にあるという創造意識の確認の八種 ・アキグイ
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では最初に確認される有る無しという関連の八つの結ばれ方の形を道の長乳歯で示してみたい。 (日常的には、それはあなたの考えとか、十人十色とか、感性の違い個人的にはこうだとかで済ましてしまうものですが、悪い方向へ誤解したり喧嘩や戦争の原因にまでなってしまうこともあります。)
・つ 宇比地邇(うひぢに)の神の性質を持った大戸日別の神として現われる長乳歯。 言霊チから来たツの形になる。 (宇宙全体がそのまま現象となって現れ出ようとする力動韻。 心の実在がそのまま意識のはずみの総意の主となって直接現われ出ようとする力動韻。) 五感感覚感応の主体側で言霊ウの性質。
第一印象に現われる全体像といったもので、汚れという相手対象全体がツッーと自分にくっついているという実在感。
・く 角杙(つのぐひ)の神の性質を持った沫那芸(あわなぎ)の神として現われる長乳歯。 言霊キから来たクの形になる。 (自己を正当化する規範を角を出すように掻き操って自分の方に引き寄せてくる働きの力。立てた角、自己主張、の廻りに人が生きるために必要な知識・信条・習慣等々を規範として掻き集める能動韻。) 知識世界の主体側。 言霊オの性質。
汚れがくっついて来ているという過去から来る連帯感のようなもの。
・す 意富斗能地(おほとのぢ)の神の性質を持った頬那芸(つらなぎ)の神として現われる長乳歯。 言霊シから来たスの形になる。 (大きな識別の働きが土台となるように静まること。自分の安定を求めるため決まった方向の結論へと収束するように、選択肢がこれしかない状態を産み出し、今現在を静め治めようとする律動。) 選択世界の主体側。 言霊エの性質。
汚れがくっついており、自分に巣くっている共感を許す実在感。
・ふ 於母陀流(おもだる)の神の性質を持った風の神名は志那都比古(しなつひこ)の神として現われる長乳歯。 言霊ヒから来たフの形になる。 (心の表面に完成する働きの韻。 意識内容が自己の表層へ上昇し自己の表面結界を超えて、表面で見つけたものと結び付こうとする律動とする。) 感情世界の主体側。 言霊アの性質。
汚れが自己意志でもって自分に付着して自らを現わそうとする付随感。
・ゆ 妹須比智邇(いもすひぢに)の神の性質を持った風木津別(かぜもつわけ)の忍男(おしを)の神として現われる長乳歯。 言霊イから来たユの形になる。 (現れ出てきた動きの持続する働きの韻。 有ることや有ろうとする選択に比べるまでもなく、意識の持続伸長発展等が直接に延びていき自己主張を続ける韻。) 欲望世界の客体側。言霊ウの性質。
汚れが自分のものではないと分かっているのにいつまでも尽きることなく出てくる実在感。
・む 妹活杙(いくぐひ)の神の性質を持った沫那美(み)の神として現われる長乳歯。 言霊ミから来たムの形になる。 (自らの判断力規範によって種々の実在世界の物に結び付こうとする力動。 生きた実を得ようとする自分の心に当たり跳ね返るものを確認して結び付き、主体側の行為の有用性が生きていることを確認しようとする律動。) 知識世界の客体側。 言霊ヲの性質。
汚れと自分が結ばれるている過去世からの連帯を得る感覚。
・る 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神の性質を持った頬那美(み)の神として現われる長乳歯。 言霊リから来たルの形になる。 (大いなる量りのわきまえ。 人間の識別の力が心の宇宙の拡がりに向って何処までも活用されるよう発展伸長していく力動韻。 自己を取り巻く大量に提供せられた選択肢の花弁の中から、自分の種の保存と伸張に都合のよい選択が用意されている律動。) 選択世界の客体側。 言霊ヱの性質。
汚れが実際に自分に巣くっている共感の動きが流れ込んでいる感じ。
・ぬ 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神の性質を持った野の神名は鹿屋野比売(かやのひめ)の神として現われる長乳歯。 言霊ニから来たヌの形になる。 (心の底の部分に物事の原因となる音が煮詰まり成る韻。 押し寄せる周囲からの圧力を利用して心の中に自分を煮詰め、それによって自分を抽出する律動。) 感情世界の客体側。 言霊ワの性質。
汚れが付着していることに気付くばかりでなく、それらから確認を求められるような付随感。
以上は全体というものの八種の現れ方です。
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「あっ汚れた」と確認する瞬間に起きる意識の働きは複雑ですが、それを示したものが五十音図です。
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2。
次に投げ棄つる御嚢(みふくろ)に成りませる神の名は、時量師(ときおかし)の神。
3。
次に投げ棄つる御衣(みけし)に成りませる神の名は、煩累の大人(わずらひのうし)の神。
4。
次に投げ棄つる御褌(みはかま)に成りませる神の名は、道俣(ちまた)の神。
5。
次に投げ棄つる御冠(みかかぶり)に成りませる神の名は、飽咋の大人(あきぐひのうし)の神。
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・ 宇比地邇(うひぢに)の神。 言霊チ。 (宇宙全体がそのまま現象となって現れ出ようとする力動韻。 心の実在がそのまま意識のはずみの総意の主となって直接現われ出ようとする力動韻。) 欲望世界の主体側。言霊ウの性質。
・ 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。 言霊イ。 (現れ出てきた動きの持続する働きの韻。 有ることや有ろうとする選択に比べるまでもなく、意識の持続伸長発展等が直接に延びていき自己主張を続ける韻。) 欲望世界の客体側。 言霊ウの性質。
・ 角杙(つのぐひ)の神。 言霊キ。 (自己を正当化する規範を角を出すように掻き操って自分の方に引き寄せてくる働きの力。立てた角、自己主張、の廻りに人が生きるために必要な知識・信条・習慣等々を規範として掻き集める能動韻。) 知識世界の主体側。 言霊オの性質。
・ 妹活杙(いくぐひ)の神。 言霊ミ。 (自らの判断力規範によって種々の実在世界の物に結び付こうとする力動。 生きた実を得ようとする自分の心に当たり跳ね返るものを確認して結び付き、主体側の行為の有用性が生きていることを確認しようとする律動。) 知識世界の客体側。 言霊ヲの性質。
・ 意富斗能地(おほとのぢ)の神。 言霊シ。 (大きな識別の働きが土台となるように静まること。自分の安定を求めるため決まった方向の結論へと収束するように、選択肢がこれしかない状態を産み出し、今現在を静め治めようとする律動。) 選択世界の主体側。 言霊エの性質。
・ 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。 言霊リ。 (大いなる量りのわきまえ。 人間の識別の力が心の宇宙の拡がりに向って何処までも活用されるよう発展伸長していく力動韻。 自己を取り巻く大量に提供せられた選択肢の花弁の中から、自分の種の保存と伸張に都合のよい選択が用意されている律動。) 選択世界の客体側。 言霊ヱの性質。
・ 於母陀流(おもだる)の神。 言霊ヒ。 (心の表面に完成する働きの韻。 意識内容が自己の表層へ上昇し自己の表面結界を超えて、表面で見つけたものと結び付こうとする律動とする。) 感情世界の主体側。 言霊アの性質。
・ 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。 言霊ニ。 (心の底の部分に物事の原因となる音が煮詰まり成る韻。 押し寄せる周囲からの圧力を利用して心の中に自分を煮詰め、それによって自分を抽出する律動。) 感情世界の客体側。 言霊ワの性質。
【宇比地邇(うひぢに)の神。
ウヒヂニ
ウ(軒・屋根・家)はヂ(地)に比(ヒ)べて( 邇・ニ)近いと読まれ、現に在る家の中にいる状態は 、家の建つ地にいるよりも近く身近で直接的である、あるいは、現に家中にいる状態は知識(ヂ)で説明してもらうよりは今の直接的な状態を説明するという、直接力動の働く世界。欲望五感感覚の主体側。
(別解)宇比地邇(うひぢに)の神。
『現れ方の最初の父韻は、心の宇宙・家全体(宇・人格)は地に比べて以て近(邇)い、(心全体が地に近い・心がそのまま現象となって現れる)ものを現そうとする力動韻で、言霊チと名付ける。 』
「「現にあるものとして全体(宇)を見ている見方で、思い考えが相手対象(地)に付いて確認(比)する以前にそのままの通り(邇)としてしまう見方の力動韻。」(チテツトタの力動韻・今-今の働き主体側)
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【妹須比智邇(いもすひぢに)の神。】
スヒヂニ。
須らく智に比べるに近かるべしと読まれ、
智に比べるまでもなく為してしまっている近い世界が持続しているという働きで、知識や智慧を介入させて、ワンクッション置くことなく直接力動の働く世界。欲望、五感感覚の客体側。
共に意識の働きの直接的力動の内に留まる今-今を現出持続する世界をつくる。
(別解) 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。
『次に。須らく智に比ぶるに近かるべしと読め、パッと現れ得られたものが弥栄に延び続く姿で、知識で考えながらしていくよりも智恵による即時的な判断行為が相手側に延びていく力動韻、言霊イ(や行)と名付ける。 』
「次に、知識を取り出し整理比較検討(須)して知識を出し合って(智)行為していくよりも(比)、現れ出た動きの持続の働きに乗ってしまう(邇)力動韻。」(イエユヨヤの力動韻・今-今の働き客体側)
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【角杙(つのぐひ)の神。
ツノグイ。
納まっていた角が延びてイマ現在に到達する様子で、延びきって今に到達した角を判断規範(くい)としていきます。過去にあった記憶概念知識として、言い換えれば、それらの納まっていた過去が角を伸ばしてイマココの現在にタッチした時に出現してくる主体側の能動因となります。
(別解) 角杙(つのぐひ)の神。
『天与の判断規範で人が生きるために必要な知識信条習慣等を、角を出すように掻き操って自分の方に引き寄せてくる働きの力動韻で、過去にできあがっている基準(角)を今に押し当てようとする、父韻の言霊キと名付ける。 』
「角は既得の判断規範で相手対象を自分の方に引き寄せ、自分と同じものにしようとする過去を引き寄せ現在にしようとする力動韻です。」(キケクコカの力動韻・過去-今の働き主体側)
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【妹活杙(いくぐひ)の神。
イクグイ。
ツノグイが角を出していく主体側の動きなら、イクグイはクイを打ち込み打ち込みそこに打ち留まり実となり、その時点での行程を現わす動きです。
(別解) 妹活杙(いくぐひ)の神。
『 今思いつき閃き等突如生き始める意識を判断の基準にして相手対象に結びつこうとする力動韻で、言霊ミと名付ける。』
「生きている印の判断を過去に結び付け、現在を過去において実となるようにする力動韻です。」(ミメムモマの力動韻・過去-今の働き客体側)
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【 意富斗能地(おほとのぢ)の神。
オホトノヂ。
大いなる計量の働きの地と読め、基準規範によって計られる識別判断の土台を与える不動の地を創るおおいなる働きで、延びてきた角がどこにどのように付くかの働き。ツノグイの過去からの角が現在に延びるのに対して、オホトノヂはイマ現在伸ばしている角の着地点を選択していく主体の行為。
(別解) 意富斗能地(おほとのぢ)の神。
『次に、大いなる量りの働きの地と読め、大いに安心できる(意富)度量識別(斗)の働き(能)の土台(地)を選択しそこに立ち止まり静まるようにする能動韻で、言霊シと名付ける。 』
「杙の判断があったものとして過去に向かうのに対して、斗(量り・測り)の判断はかくあるだろうという未来の相手対象に向かいますが、自分が大いなる識別・量りの能力を秘める安定した中心の土台になって未来を創造しようとする力動韻となる。」(シセスソサの力動韻・今-未来の働き主体側)
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【妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。
オホトノベ。
大いなる計量の弁別識別と読め、オホトノヂが着地点を選択していく主体側の行為に対して、オホトノベは選択されたがわをこれかそれかどれかどうだと述べ拡げる行為です。
(別解) 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。
『大いなる量りのわきまえ、と読め、選択された識別の土台を大いに述べ伝え、心の宇宙の拡がりに向かってどこまでも活用されるよう発展伸長していく力動韻で、言霊リと名付ける。 』
「大いなる識別の基準判断が未来の事柄に述べ伝えられ、転がり拡がらせようとする力動韻」(リレルロラの力動韻・・今-未来の働き客体側)
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【於母陀流(おもだる)の神。
オモダル。
面に足る、主に垂ると読め、表面に完成する、主(ぬし)全体が垂れる現れる働きになります。
(別解) 於母陀流(おもだる)の神。
『 於母陀流・オモダルは表、面に足るで、表面に完成しようとする力動韻で、言霊ヒと名付ける。』
「心の表面に完成する働きの韻で、心の表面とは各言霊の表面であると同時に組み合わされ結びついた全体の表面、あるいはこれから出てくる意識の全体の表面でもある、心の表面になる韻。」(ヒヘフホハの力動韻・過去今未来の全体の働き主体側)
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【妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。
アヤカシコネ。
吾夜(あや)に畏(かしこ)き根(ね)と読まれ、オモダルが表面に完成し全体が現れるにたいして、主である内面(吾の夜)に霊験あらたかで有り難い根が張る、働きになります。
(別解) 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。
『心の表面とは反対に心の中心部、底の部分(夜)に底部に物事の原因となるあやしきかしこき音(ね)が煮詰まり成ろうとする力動韻で、言霊ニと名付ける。』
「心の内部に怪しくも賢い創造意志の原因となるものが凝集煮詰まる韻。」(ニネヌノナの力動韻・過去今未来の全体の働き客体側)
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