訓読:カレおのもおのもヨサシたまえるミコトのまにまにシロシメスなかに、ハヤスサノオのミコト、ヨサシたまえるクニをシラサズて、やつかひげムナサキにいたるまで、なきいさちき。ソノなきたまうサマは、アオヤマをカラヤマなすナキからし、うみかわはコトゴトクにナキほしき。ここをもてアラブルカミのオトナイ、サバエなすミナわき、ヨロズのモノのわざわいコトゴトにおこりき。かれイザナギのオオミカミはやスサノオのミコトにのりたまわく、「ナニとかもミマシはコトヨサセルくにをシラサズてナキいさちる」とのりたまえば、もうしたまわく、「アはハハのクニ・ネのカタスクニにマカランとおもうがゆえにナク」ともうしたまいき。ここにイザナギのオオミカミいたくイカラシテ、「しからばミマシこのくににはナすみソ」とノリたまいて、すなわちカムヤライにヤライたまいき。カレそのイザナギのオオミカミは、おうみのタガにナモまします。
訓読:かれここにハヤスノオのミコトのもうしたまわく、「しからばアマテラスオオミカミにもうしてマカリなん」ともうしたまいて、すなわちアメにまいのぼりマスときに、やまかわコトゴトにとよみ、くにつちミナゆりき。ここにアマテラスオオミカミききオドロカシて、「アがナセのミコトののぼりきますユエは、かならずウルワシキこころならじ。アがクニをうばわんとオモオスにコソ」とのりたまいて、すなわちミカミをとき、ミみずらにまかして、ヒダリみぎりのミみずらにも、ミかずらにも、ヒダリみぎりのミてにも、みなヤサカのマガタマのイオツのミスマルのタマをまきもたして、ソビラにはチノリのユギをおい、イオノリのユギをつけ、またイツのタカトモをトリおばして、ユハラふりたてて、カタニワはムカモモにフミなずみ、アワユキなすケハラカシて、イツのオタケビふみたけびて、まちトイたまわく、「ナドのぼりきませる」とトイたまいき。ここにハヤスサノオのミコトのもうしたまわく、「アはキタナキこころなし。ただオオミカミのミコトもちて、アがナキいさちることをトイたまいしゆえに、『アはハハのクニにまからんとオモイテなく』ともうししかば、オオミカミ、『ミマシはこのくににナすみそ』とノリたまいて、かむやらいヤライたまうゆえに、『マカリなんとするサマをモウサン』とオモイテこそマイノボリつれ。けしきココロなし」ともうしたまわば、アマテラスオオミカミ、「しからばミマシのココロあかきことはイカニシテしらまし」とノリたまいき。ここにハヤスサノオのミコト、「おのもオノモうけいて、ミコうまな」ともうしたまう。