000 黄泉国からの帰還。禊祓の準備
----これよりは言霊学奥義である禊祓の区分となります 。
知とは知識の事、訶とは叱り、たしなめるの意です。
外国の文化の知識をこの段階で言葉の意味がよく分るように内容を整理し、次の人類文明へ吸収する為の準備作業となる段階の働きの区分。
001【 ここを以ちて、 (◎) 伊耶那岐の大神、 の詔りたまひしく、
伊耶那岐の大神
【 吾(あ)はいな醜(しこ)め醜めき穢(きた)なき国に到りてありけり。かれ吾は御身(おほみま)の禊(はらへ)せむ」
とのりたまひて、
002【 竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小門(おど)の阿波岐原(あはぎはら)に到りまして、禊ぎ祓へたまひき。
003 【 かれ投げ棄(う)つる御杖に成りませる神の名は、
衝き立つ船戸(つきたつふなど)の神。・・(自己主張の拠り所)
004 【 次に投げ棄つる御帯(みおび)に成りませる神の名は、
道の長乳歯(みちのながちは)の神。 ・・(関連性と連続性)
005 【 次に投げ棄つる御嚢(みふくろ)に成りませる神の名は、
時量師(ときおかし)の神。 ・・(時処位の検討)
006 【 次に投げ棄つる御衣(みけし)に成りませる神の名は、
煩累の大人(わずらひのうし)の神。 ・・(曖昧性の排除)
007 【 次に投げ棄つる御褌(みはかま)に成りませる神の名は、
道俣(ちまた)の神。・・(分枝点方向の明瞭化)
008 【 次に投げ棄つる御冠(みかかぶり)に成りませる神の名は、
飽咋の大人(あきぐひのうし)の神。 ・・(実相を明らかに組む)
009 禊ぎ祓え準備神
010 【 次に投げ棄つる左の御手の手纏(たまき)に成りませる神の名は、
011 奥疎(おきさかる)の神。 ・・(主体側の出発整理)(エ次元の選択創造)
012 次に奥津那芸佐毘古(なぎさびこ)の神。 ・・(主体側の選択創造性)
013 次に奥津甲斐弁羅(かいべら)の神。 ・・(主客の間隙を減らす)
010 【 次に投げ棄つる右の御手の手纏に成りませる神の名は、
011 辺疎(へさかる)の神。 ・・(客体側の到着整理)
012 次に辺津那芸佐毘古(へつなぎさびこ)の神。 ・・(客体側の結果選択創造性)
013 次に辺津甲斐弁羅(へつかいべら)の神。 ・・(客主の間隙を減らす)
014 禊ぎ五神のこころ内の動き
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禊祓と歴史創造。 最高規範の創造。
両児島。
----言霊布斗麻邇の原理は心の要素である五十個の言霊とその運用法五十、計百の原理から成り立っています その要素五十言霊を上の五十音に、運用法五十を下の段にとりますと百音図ができます これを図の上と下が完成した原理として両児の島と名付けました。
015 【 ここに詔りたまはく、「上(かみ)つ瀬は瀬速し、下(しも)つ瀬は瀬弱し」と詔りたまひて、
【 初めて中つ瀬に堕(い)り潜(かづ)きて、滌(すす)ぎたまふ時に、成りませる神の名は、
016 八十禍津日(やそまがつひ)の神。 ・・((情感による禊)
017 次に大禍津日(おほまがつひ)の神。 ・・(原理による禊)
018 【 この二神(ふたはしら)は、かの穢(きたな)き繁(し)き国に到りたまひし時の汚垢(けがれ)によりて成りませる神なり。』
019 【 次にその禍を直さむとして成りませる神の名は、
020 神直毘(かむなほひ)の神。 ・・(経験知による探求)
021 次に大直毘(おほなほひ)の神。 ・・(欲望性能による探求)
022 次に伊豆能売(いずのめ)。 ・・(実践智による探求)
023 【 次に水底(みなそこ)に滌(すすぎ)ぎたまふ時に成りませる神の名は、
024 底津綿津見(そこつわたつみ)の神。 ・・(実践智の働き)
025 次に底筒(そこつつ)の男(を)の命。 ・・(実践智の確認)
026 【 中に滌ぎたまふ時に成りませる神の名は、
027 中津綿津見の神。 ・・(五感欲望の働き)
028 次に中筒の男の命。 ・・(五感欲望の確認)
029 【 水の上に滌ぎたまふ時に成りませる神の名は、
030 上津綿津見の神。 ・・(経験知の働き)
031 次に上筒の男の命。・・(経験知の確認)-
032 【 この三柱の綿津見の神は、阿曇(あずみ)の連(むらじ)等が祖神(おやかみ)と斎(いつ)く神なり。かれ阿曇の連等は、その綿津見の神の子宇都志(うつし)日金柝の命の子孫(のち)なり。
その底筒の男の命、中筒の男の命、上筒の男の命三柱の神は、墨(すみ)の江(え)の三前の大神なり。
033 【 ここに左の御目を洗ひたまふ時に成りませる神の名は、
天照らす大御神。 ・・(人類文明創造の最高規範、天津太祝詞、やたの鏡)
034 【 次に右の御目を洗ひたまふ時に成りませる神の名は、
月読(つくよみ)の命。・・(精神的学問文化をコントロールする精神構造
035 【 次に御鼻を洗ひたまふ時に成りませる神の名は、
建速須佐の男の命。 ・・(欲望性能の整理、物質的繁栄をもたらす精神構造)
036 【 この時伊耶那岐の命大(いた)く歓喜(よろこ)ばして詔りたまひしく、
037 【「吾は子を生み生みて、生みの終(はて)に、三はしらの貴子(うずみこ)を得たり」
と詔りたまひて、すなはちその御頸珠(みくびたま)の玉(たま)の緒ももゆらに取りゆらかして、
038 三種の神器
039 【 天照らす大御神に賜ひて詔りたまはく、「汝(な)が命(みこと)は高天の原を知らせ」と、
言依(ことよ)さして賜ひき。かれその御頸珠の名を、御倉板挙(みくらたな)の神といふ。】
【 次に月読の命に詔りたまはく、「汝が命は夜(よ)の食国(おすくに)を知らせ」と、言依さしたまひき。】
【 次に建速須佐の男の命に詔りたまはく、「汝が命は海原(よなばら)を知らせ」と、言依さしたまひき。】
040
041
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歴史への運用、発展へ。、
042 【 故(かれ)、各(おのおの)依(よ)さしたまひし命(みこと)の随(まにま)に、知らしめす中に、速須佐(はやすさ)の男(を)の命(みこと)、依さしたまへる国を治らさずて、八拳須心前(やつかひげむなさき)に至るまで、啼(な)きいさちき。その泣く状(さま)は、青山は枯山なす泣き枯らし、河海は悉(ことごと)に泣き乾(ほ)しき。】
【 ここをもちて悪(あら)ぶる神の音なひ、さ蝿(ばへ)如(な)す皆満ち、萬の物の妖(わざわひ)悉に発(おこ)りき。
故(かれ)、伊耶那岐の大御神、速須佐之男命に詔りたまはく、「何とかも汝(いまし)は事依させる国を治らさずて、哭きいさちる。」とのりたまへば、
答へ白さく、「僕(あ)は妣(はは)の国根(ね)の堅洲国(かたすくに)に羅(まか)らむとおもふがからに哭く」とまをしたまひき。】
043 【 ここに伊耶那岐の大御神大く(いた)忿怒(いか)らして詔りたまはく、「然(しか)らば汝はこの国にな住(とど)まりそ」と詔りたまひて、すなはち神遂(かむや)らひに遂らひたまひき。】
044 【 故、その伊耶那岐大神は、淡路の多賀にまします。】
045 歴史の始まり
「是の後に伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、神功(かんこと)既に竟(を)へたまひて、霊運当遷(かむあがりましなんとす)、是を以て幽宮(かくれのみや)を淡路の洲(す)に構(つく)り、寂然(しずかた)長く隠れましき。亦曰く、伊弉諾尊功(こと)既に至りぬ。徳(いさはひ)亦大いなり。是(ここ)に天に登りまして、報告(かへりこど)したまふ。仍(すなわ)ち日の少宮(わかみや)に留(とどま)り宅(す)みましぬ。」(日本書紀。)
原文を目次とする心の一循環、ここまで。