次に国稚く(くにわかく)、浮かべる脂(あぶら)の如くして水母なす漂へる時に、葦牙のごと萌え騰る物に因りて成りませる神の名は、宇摩志阿斯訶備比古遅(うましあしかびひこぢ)の神。次に天の常立(とこたち)の神。この二柱の神もみな独神に成りまして、身を隠したまひき。
心の宇宙から言霊ウ、アワと剖判が起りました。しかしまだ先天宇宙の構造の話は始まったばかりで、それが確定されるのはまだまだ先の事であります。「国稚く」の国とは組んで似せる、区切って似せる、の意。東京と言えば東と京の字を組んで名を付け、東京といる処の内容に似せたもの、という意味であり、また東京という処を他の処とは別に区切って、東京の地を際(きわ)立たせたもの、の意となります。「国稚(わか)く」とは、先天構造を構成する言霊ウ、アワの検討は終えたけれど、まだその区分は始まったばかりで、しっかりと確定されたものでない、即ち、稚い、幼稚なものであるの意。「浮かべる脂の如くして」とは、水の上に浮かんだ油のようにゆらゆら漂っていて安定したものではない、という事。「水母(くらげ)なす」の水母とは暗気のこと。混沌としてまだ明白な構成の形体をなしていない、の意。