言霊学の原理 心のいまここ。心の先天構造。
◎ 「中今」
【00 中今】 天地の初発(はじめ)の時、高天(たかま)の原(はら)に成りませる神の名(みな)は、
天地・あめつち・吾の眼が付いて地に成る。
(心の発生。問題の提示)
○ 「中今」は父韻によって「いとなみ」(母音側)と、「なりさま」(半母音側)へ剖判して主客になる、
○ 剖判した主客に噛み合い結び、間をくい合う父韻によって「今」現象の創造となる。
○ 父韻は剖判とかみ結びを同時に行う。
「ウ」 ・<: 吾の眼に父韻があるから剖判。
:>・ 主客(剖判)に父韻があるから生む(噛み・結ぶ・間くい合い)
・<: 吾の眼に父韻があるから剖判。
:>・ 主客(剖判)に父韻があるから生む(噛み・結ぶ・間くい合い)
・<: ~ ~ →
○ 「なりさま」
【01 言霊 ウ】 天の御中主(みなかぬし)の神
(過去-今-未来の全体を含む今の瞬間)
【02 言霊 ア】 高御産巣日(たかみむすび)の神
(いとなみ。今全体のいとなみ。心の自覚、主体・能動・働き側)。
【05 言霊 オ】 天の常立(とこたち)の神
(過去-今の主体側、知識)
【06 言霊 エ】 国の常立(とこたち)の神
(今-未来の主体側、心の選択実在)
【03 言霊 ワ】 神産巣日(かみむすび)の神
(なりさま。今全体のなりさま。心の自覚、客体・受動・実体側)
【04 言霊 ヲ】 宇摩志阿斯訶備比古遅(うましあしかびひこぢ)の神
(過去-今の客体側、心の客観実在)
【07 言霊 ヱ】 豊雲野(とよくも)の神
(今-未来の客体側、心の選択実在)
(一) 淡路の穂の狭別の島 (中今・過去=今=未来全体未剖判の創出)
アとワ(淡路)の言霊(穂)が別れて出て来る(別)狭い(狭)区分(島) 言霊ウは主客未剖、アワはそこから分れます
(二) 伊豫の二名島 (「中今」 の 「いとなみ」 と 「なりさま」 への剖判)
二名とはアとワの二音言霊のこと 宇宙剖判で主体アと客体ワに分れます この主と客に分かれることが全ての自覚の始まりです イとヰの現象を創造する働きの予めの区分
(三) 隠岐の三子島
言霊アのいとなみ、働きはオとエに剖判
言霊ワのなりさま、実体はヲとヱに剖判
隠岐とは隠り神、三つ子とは三段目に現われる言霊という意味
言霊オ・ヲ(経験知)、エ・ヱ(実践智)は文明創造上最も重要な精神性能です
(四) 竺紫の島 (心のいとなみの八種)
○ 「いとなみ」 (みとのまぐわい)
例えば「もしもし、あっ安万侶さん」という場合について。
(前半) 剖判は、誰か分からない大勢の中から、当の人を分別して分ければ、安万侶さんがいるとわかります。そこで安万侶さんが分かったということは、自分と安万侶さんの主客の相違が分かったことです。
(後半) 自分の見て分かる主体側が見られる客体側とかみ結び、主客の間を喰って合う、主客の実を取る(みとのまぐわい)と、安万侶さんを確認したという現象を創造したことになります。
「みとのまぐわい」はこの一連の全体経過の表徴で、剖判して成った主客のそれぞれの身(実)を取り合い結合して、ここに子現象を創造することです。
この剖判-結合に、古事記の主張は心の動きの妹背陰陽の四つの動きを見ています。
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【08 言霊 チ】 宇比地邇(うひぢに)の神。 (ウの性質)全体性 父韻
精神宇宙全体がそのまま現象発現に向って動き出す端緒の力動韻
・創造・陽出力
宇は地と比べて近い。天は地と比べて近い。吾の眼の全体感はそのまま相手対象に向ういとなみ・働きをする。
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【09 言霊 イ】 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。 (ウの性質) 全体性。
動き出した力動が持続する韻
・繁栄・飛至力
すべからく智に比ぶるに近かるべし。智による選択に依らずとも相手対象のなりさまと成る。
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【10 言霊 キ】 角杙(つのぐひ)の神。 (オの性質)掻き進める働き。
体験内容を自我の方向に掻き寄せようとする力動韻
・収納・陰掻力
立てた規範をもってその運用に合うように相手対象を引き寄せるいとなみ、働き。
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【11 言霊 ミ】 妹活杙(いくぐひ)の神。 (ヲの性質) 掻き集める動き。
精神内容の中に己にある自己の体験内容に思いが結びつこうとする力動韻
・整理・旋回力
立てた規範を中心にして相手対象に適合させるようななりさまを探す働き。
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【12 言霊 シ】 意富斗能地(おほとのぢ)の神。 (エの性質) 拡がりの保存収縮。
精神宇宙にある精神内容が螺旋形の中心に静まり収まる力動韻
・調和・透刺力
大いなる量りの働きの地。選択決着を目指して納めようとするいとなみの識別の土台となる働き。
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【13 言霊 リ】 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。 (ヱの性質)保存収縮の拡がり。
ある精神内容が宇宙の拡がりに向って螺旋状に発展拡大して行く力動韻
・滲透・螺婁()力
大いなる量りのわきまえ。選択識別されたなりさまが繰り返し述べられるような働き。
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【14 言霊 ヒ】 於母陀流(おもだる)の神。 (アの性質)火花の先端にて、表面性。
精神内容表現が精神宇宙球の表面に完成する韻
・開顕・開発力
意識内容が自己の表層へと上昇し自己の表面結界を超えて、表面で見つかったものと結び付こうとする働き。
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【15 言霊 ニ】 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。 (ワの性質)火花の先端にて、表面性。
物事の現象の種が精神宇宙の中核に煮詰まり成る韻
・成熟・吸引力
心の深部(夜)のなりさまの恐れおおさがもの事の原因となるように煮詰まる働き。
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竺紫は尽くしの謎 八つの父韻は言霊イ(伊耶那岐神)の実際活動のリズム 「身一つにして面四つ」の意味は作用・反作用の陰陽一対四組の知性の律の島です
(五) 伊岐の島 (吾の眼の創造原理)
○ 「中今の創造主。心の創造意思」。
【16 言霊 イ】 伊耶那岐(いざなぎ)の神。 (意志の発動) 親韻、
【17 言霊 ヰ】 妹伊耶那美(み)の神。 (意志の帰還)
伊岐とは伊の気でイ言霊のこと
心のすべての現象はここから現われ出て、また此処に帰っていくのです
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天津磐境
言霊ウから言霊ヰまで十七個の言霊が全て出揃い、この先天構造図を「天津磐境」(あまついわさか)と呼びます
天津は先天の意 磐境は五葉坂(五段階の言葉の構造)です
この天津磐境が活動して五官感覚で意識することが出来る精神の後天現象が生れます
言霊五母音につきましては中国哲学(易行)では五行の木火土金水とか、仏教では五重塔で仏陀・菩薩・縁覚・声聞・衆生とか、キリスト教ではラファエル・ミカエル・ガブリエル・ウリエル・ルシファーの五大天使の名で示しています
言霊父韻に関しましては、中国の易経に八卦、キリスト教では神と人との間の契約の印の虹として、仏教では仏となる為の守らねばならない八正道等などとして説かれています
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