ブログ053。 『先天のタ。先天の構造があるので先天の「タ」があるのではない。』 タ。
「天地の初発の時、高天原に成りませる神の名は天の御中主の神」
「タ」と言おうとした始まりの時、天(あめ・吾の眼)には全体があった。「タ」と言った時それは成った。
「タ」の全体は次のごとくであった。
(あ)として、ウ・アワの言霊であった、
(め)として、ウアワヲオエヱの言霊であった、
(つ)として、ウ・アワヲオエヱ・チイキミシリヒニの言霊であった、
(ち)として、ウ・アワヲオエヱ・チイキミシリヒニ・イ㐄の言霊であった。
以上がイマココの瞬間の初めにある先天構造である。
以上の全体は言霊ウとして今後「タ」となるべくものの主である。
言霊ウはそれ自体に二者を含み、あめのウアワヲオエヱは実体の宇宙世界であり、つちのチイキミシリヒニ・イ㐄は働きの宇宙世界である。
そしてあめの実体側の宇宙世界にも主体と客体の二者、および、つちの働き側の宇宙世界も主客(イ㐄)の二者を含む。
これらは後段現象の「タ」となるための欠くことのできない先天の主であるので、そこに「タ」を直接には見いだせない。
こうして何か始まろうとする時、「タ」を言おうとする時に、現象の「タ」のどんなものにも対応できる内因が揃う。
この先天の内因はそれぞれが独立した人の心に対応していて、
人の実在世界の在り方として、
母音側実在世界。
ウ・ 欲望、そこから発する世界、産業、経済、等、(主客同一)
ア・ 感情、そこから発する世界、宗教、芸術、等の主体側、
ワ・ 感情、そこから発する世界、宗教、芸術、等の客体側、
ヲ・ 概念知識、そこから発する学問、概念運用の客体側、
オ・ 概念知識、そこから発する学問、概念運用の主体側、
エ・ 選択按配、そこから発する政治、道徳、分配の主体側、
ヱ・ 選択按配、そこから発する政治、道徳、分配の客体側、
父韻側働き世界。
チ・ 今現在を現出させる力動の主体側、言霊ウに対応。
イ・ 現出した今現在を持続をさせる力動、言霊ウに対応。
キ・ 今現在の体験内容を既にある自我の方向に掻き寄せようとする力動韻の主体側。言霊オに対応。
ミ・ 自己の体験内容に現出した今現在が結び付かせられる客体側の力動韻の客体側。言霊ヲに対応。
シ・ 今現在の精神内容が落ち着き静まるところを探す力動韻の主体側。言霊エに対応。
リ・ 今現在の精神内容が宇宙の拡がりに向かって螺旋状に発展拡大して来るのを待ち受ける客体側の力動韻。言霊ヱに対応。
ヒ・ 今現在の精神内容表現が精神宇宙球の表面に完成する主体側の韻。言霊アに対応。
ニ・ 今現在の現象の全体の種が精神宇宙の中核に煮詰まり成る客体側の韻。言霊ワに対応。
親韻側創造意志の世界。
イ・ 意志の発動側。
㐄・ 意志の帰還側。
を示す。
以上が主体的に係わることのできる人間世界の全てとなる。
そこには超能力世界とか神、霊魂世界は出てこないので不十分ではないのかと思われるが、神世界との関わりでは人間側に主体性は無く、主体的に係わっている部分では上記のどれかに属しているし、また、超能力世界では意志に係わることなく動物能力の発揮のように行われやはり人間の主体性は無く、あるように見える時には上記のどれかを示している。。
今。
実在世界に働きが加わることでイマココが動く。
ウは、今現在がある今今の世界を作り、
アは、今現在を全体としてみる世界を作り、
オは、今現在を過去から持ち来らす世界を作り、
エは、今現在を未来へ導く世界をつくる。
そして、
イは、上四相の原動因となって働いている。
こうして将来の「タ」は自らの出生の内容を包含することができる。将来の「タ」には上記の全体が先天的に備わっているので、どのような形となっても現れることができる。
「タ」と言った時にはその人の何らかの意識(吾の眼)の表出となりますから、先天的にそれらがあることになりますが、あるというものがその人の門戸を叩きに来るわけではありません。あくまで主体側の働きによります。
ところが今は先天構造までの話で、人間側の主体があるわけではありません。
主体側が無いのにそれを知る先天もありません。
ここに先天が載り動く主体側が創造されなくては成りません。
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ブログ054。 『先天の載る相手としての先天の自己領域。』 タ。
--次に己の心の先天領域
先天構造が己に乗らなければ己は何もできませんが、先天を知る己はまだいません。
そこでは先天と同じ構造になければ先天は主体に載れませんので、先天は先天主体を創造にかかります。
主体自我というのはこのように全く受動的につくられたもので、自己主張とか自我とかいうのはおこがましいものです。
しかし先天が主体側をつくるといってもその材料は自分自身しかありません。
つまり先天の剖判によって主体側をつくります。
先天構造には既に創造の力動因が含まれていますから、それが自らを打ち立てるべく主体を形成します。
自らにある創造動因となっているイザナギ・イザナミをいざなって独立することを薦めてきます。
ギミのミコトは創造意志の動因の主客ですので、自らは形である客観手段を持ちません。そこで先天の提供するものは自らの実体構造です。その形を提供して自由に使ってくれというわけです。それは象徴実体としては五層のアイウエオの柱で地に突き刺さっていて、屋上には天と結ばれる十のカツオギとなってチイキミシリヒニイ㐄の創造意志の働きを実体側に伝える構造になっています。
伊勢神宮はその構造自体が精神意識の構造を示すように造られていて、そのため唯一つ神の在り方を明かすための作り方として継承されています。つまり、頭脳の機能を模写して型取った、こころ・精神意識界(たかあまのはら)の物象化で、頭脳中枢に意識の運用法を記した鏡があります。高床式倉庫の建築様式にしてしまっては何の神(心)道の意味もありません。
こうして先天は各人に載り・宣り移りそれぞれの主体を形成していきます。子が父母から生まれるといっても第三者として独立した存在になるように、ここで生まれた主体側は自分の領域という第三者をつくるという形となって現れます。(オノコロ島・領域)
良くも悪くも主体の誕生です。
先天が己の心の領域(オノコロ島)を産み、今度は己の心という領域内で活動を始めます。先天の活動場が各人おのれの心に成りました。
しかし己の心の活動が各人各様に勝手に働くのではありません。外見だけを見ていくと勝手な自己だけの主張をしているようですが、全ての言葉の表現は一般共通性の上でしか話されていません。これは古事記ではヒルコとアワ島でしめしています。ヒルコの一般共通性が通用しないと言うことは他言語間同士の会話みたいなものです。
主体の活動の拠点(心の御柱)ができたので、主体の活動が始まり、一般性共通項目を共有させるヒルコを創造して心と事の普遍性領域ができる(淡島)ができました。そうすると今度はこのヒルコ・アワ島の上に載った自己領域の個別性を主張できる十四島ができます。
前半八島は心の要素の個別領域で、後半は運用領域です。
島は締まりのことで、十四の締まりはそれぞれ独立していきます。こうして先天構造は進化変態を繰り返して、心の十四の領域になりました。
つまり「タ」と言おうとした心はここでは十四の独立した領域を持つということです。(十四島は「神々の宝座」参照)
先天に「タ」と言おうとする構造があっても、言う人間がいないことには言葉が発声されません。そこで主体の先天とそれが活動できる自己領域ができ、そこで今度は活動の中身が出てきます。
ここから、先天が主体で自己が客体であった関係ことから転換が起きます。
先天から見て客体側にいた自己に活動領域与えられましたので、そこに立って自己を主張します。こうして主体が出てきます。
--次に〈アワ〉-----------------------
ここに主体ができるということは同時に相手側客体も現れたことになります。心の先天の自他ができて、頭の中で何かが始まった・瞬間が始まった・力動が起きた等々の先天が、自己主体(己の心)の領域に載ったことになります。
こうして「タ」と言おうとした心は「タ」のいつのどんな何を「タ」にして言い表すのかに、その地盤ができたことになります。己の心に先天の構造に対応する領域として、一般性と自他性が主体内にでき、客体世界を反映できるようになりました。
こうして現象となる「タ」を発声したときに含まれている実体内容の出所ができたことになります。
--次に実体要素を扱う---------------------------
まずは実体内容の要素です。冒頭の十七の神名で示されていて、実体世界の主客(母音半母音)と精神働き世界の主客(父韻)です。
「タ」と発音したときにはそれがどの次元のどういう気持ちのものであるかとして出てきますから、それらの全てが予め備わっているものとしてあります。
【あ】先天実体母音半母音側として。
ウ・五感感覚からする心(タ)の次元。
ア・感情情緒からする心(タ)の次元と、ワ・その受容する側。
オ・知識記憶からする心(タ)の次元と、ヲ・その受容する側。
エ・選択按配からする心(タ)の次元と、ヱ・その受容する側。
イ・創造意志からする心(タ)の次元と、㐄・その受容する側。
先天働きの父韻側として。
チ・心(タ)がそのまま今現在に現れる働き。
イ・現れた心(タ)がそのまま持続する働き。
キ・心(タ)を既得の自我に掻き寄せようとする働き。
ミ・既得の自我に心(タ)を結ばせようとする働き。
シ・自我(タ)の内容を判別して選んで収め静めようとする働き。
リ・自我の判別した内容(タ)を拡げ発展させるような働き。
ヒ・内容表現(タ)が自我の表面宇宙に完成していく働き。
ニ・物事の現象の種(タ)が煮詰まり成る働き。
先天の親韻として。
イ・父母の能動韻となってタの意志の発動の原動因。
㐄・父母の受動韻となってタの意志の帰還の原動因。
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