投稿日: Sep 19, 2016 7:1:26 AM
タイトル通り「園長の責務と専門性はいかなるものか」について、考え方(理論的な視点)と合わせて、事例や対応の背景など(具体的な実際)も添えつつ述べられている。「保育所保育指針(平成20年告示)」が、翌平成21(2009)年から現場で実施されるにあたりまとめられた一冊。
が、私の場合は、この本については、園長の方々へ…というよりも、むしろ、保育者養成校の学生~若葉マークの保育者の方々にオススメすることが多い。緊張の面持ちで実習園に向かう学生のみなさんも、新人保育者として初めて保育園で働き始める方々も、一見強面(こわもて)とも思える(?)この本をちょっとでも手にしてみて欲しい。そして、まずはコンテンツをながめ、第一章から通して…ではなくとも、目に留まった箇所を拾い読みしていくだけでもいい。
そうするうちに、さまざまな角度(視点)から、「園長」から自分はどう見られているか、「園長(他、先輩保育者や保護者の方々)」にとって自分はどういう存在であるか、どういう存在であることを求められているのか、それが、この「園長について述べられている本」からうかがわれるように思われてならない。
保育者という職能は、多くの場合、一定の集団(職員集団)の中でこそ十二分に発揮されるともいえるだろうか。だとしたら、園というステージで織りなされる職員の活動全体を俯瞰するような(園長的な?)視点は、時に目の前の子どもや保護者対応などで手一杯になってしまうこともある…かもしれない…現場保育者の視野をさまざまな角度から広げてくれるようにも思える。
(紹介:木村明子,2015年10月30日)
コンテンツ
<Part1> 園長に望まれる資質
1章 園長に求められる要件
2章 子どもの発達および発達過程についての理解
3章 保護者(親)理解
4章 園長の研修
<Part2> 園を管理・運営する能力・力量
1章 組織の中の園長の役割
2章 保育のデザインと展開
3章 職員の資質の向上
4章 職員の服務管理
5章 安全管理・危機管理
6章 家庭、地域との連携
7章 地域子育て支援
8章 小学校との連携
<Part3> 保育リーダーとして必要な法令・政策等の理解
1章 関連する法令の理解
2章 少子化対策と保育施策
3章 保育・教育・福祉関連の社会資源