投稿日: Sep 18, 2016 4:44:50 PM
社会学者と経済学者の対話による、現代日本またこれからの日本の家族や雇用や経済の議論。 山田さんは言うまでもなく「パラサイトシングル」で有名。
成人になった子どもがなお親の元でその援助で暮らしている現象を指して、それが少子化を招くと論じた。ところが、今や日本経済の成長は望めず、中年以降、給料は上がらない、それどころか年金暮らしの親にたかるようなことは、いつまでも続かない。さてどうする? 男女とも大人になったら自立して、結婚したらよい。女性も働いたらよい。そうすれば、生産も消費も増えて、経済も好転する。
経済成長の時代に出来た家族モデルはもはや成り立たない。成人になったら、誰もが働いて自活するしかない。専業主婦モデルは(一部の金持ちは別として)崩れようとしている。女性も働き、相手が自分より格上でないとといった幻想を捨てるべきなのである。 正社員と非正規社員の格差も減らし、また、非正規から正規への転換も可能にすれば、女性の働き方も融通が利くようになる。 また、こどもを持つことが経済的に不利にならないようにすべきだ。子ども手当を増やす。大人になったら(ないし大学生になったら)自立するようにすれば、子育てにそうお金も掛からない。
まさに私が頻繁に学生などにも説教していることでもあります。ともあれ、働け。女性も男性もだ。家族(配偶者)を養うという発想は例外的な幸運で可能なのだ。子どもは18歳くらいまで面倒を見ればよい。年齢とともに給料が増えるともはや期待するな。給料の向上はキャリアを上げることで可能にしていく。もっとも、一時期、働くことを止めても、また数年後に戻れる社会になってほしいものだとも思うけれど。
(紹介:無藤 隆,2014年6月12日)