投稿日: Sep 19, 2016 1:23:8 AM
著者は長年、保育所に勤め、その後、松山東雲短大で教え、現在はフリー。
本書は1981年に刊行されたものの復刊。保育者の心構えというのか、保育への関わり方の基本を丁寧に述べている。端的な整理と具体的な保育の実例の組み合わせが今でも新鮮である。 前書きを森上史朗先生。後書きを大豆生田さん。解説を渡邊英則さんが書いている。
森上先生の整理によると、吉村先生の保育に対する基本姿勢は、
・たのしみとよろこびから出発するということ。
・自分が,自分で、自分から創り出す。
・子どもの生活をゆたかにすることを追い求めている。
目次を見れば分かるように、保育者の仕事を一通り追いつつ、その文章は保育への関わりの繊細さと視野の広さによる明快さに加え、ユーモアが織りなす見事なものである。今も生きた保育入門であり、ベテランにとっては振り替えの書である。私は刊行当時、目を通したに違いないが、復刊を機に読み直し、その細部に届く保育の醍醐味を改めて教えてもらった。
(紹介:無藤 隆,2014年11月21日)
復刊にあたって(森上史朗) 第1巻 解題(渡辺英則)
はじめに
第1章 よろこびからの出発
保育のはじまり
子どもの意欲
needよりもwantで
第2章 実践――5つのたのしみ
観察するたのしみ
企画するたのしみ
演出するたのしみ
記録するたのしみ
評価するたのしみ
第3章 せずにいられないから
保育者のチームワーク
条件をみたすのは
園内研究
第4章 保育をすすめていくために
家庭と手をたずさえて
受けつぎ、伝えていくもの
地域に根ざして
※各章末に、渡辺英則氏による【解説】を掲載