投稿日: Sep 18, 2016 4:46:35 PM
谷川俊太郎が、その詩と人柄を熟知する編集者を相手に、自分がいかにして詩を書いてきたかを述べる。それぞれの詩集の中の代表的な作品を引用しつつ、丁寧にその詩作の際の発想や状況を語っている。
多少とも谷川の詩を愛誦したことがある人には実に愉しいまた発見の多いものとなるだろう。
私が詩集としてちゃんと読んだのは(最初の)全詩集版で「二十億光年の孤独」以降のいくつかを読み、「旅」(「何ひとつ書く事はない」から始まる「鳥羽の連作が入っている)などは出てすぐに買った覚えもある。子ども相手のもの(「ことばあそびうた」とか)もちゃんと論じられている。
この紛れもない天才がその人生の中の折々に様々なことを考えながら、常にその巧みさは変わらないにしても、詩のありようを変化させてきた。変容の中で、でも変わらず、その詩は感動を与えてくれるだろう。
(紹介:無藤 隆,2014年8月10日)