投稿日: Sep 19, 2016 2:18:6 AM
0歳から2歳代までの発達のポイントを捉えつつ、そこでの保育の様々なエピソードを語り、保育することの面白さとそのコツを述べていく。具体的でありつつ、その要点が理論立てて、実践的にも明確である。
多少の記述例を挙げると。
新鮮な子どもの心で見ると、この世は、美しい物、珍しい物、不思議なことで満ちている。・・・あかちゃんでさえ自然の美しさに心を動かされた様子を示すことがよく見られる。」この後、風で桐の木の葉がざわざわと揺れる様子を見る赤ちゃんの例が出てくる。
子どもに、やり方を教える場合の原則は、ことばを添えながら、実際にやって見せることである。子どもの年齢が進むにつれて、ことばの方の比重が多くなっていくが、そのことばも、具体性のある明確な指示であることが望ましい。もちろん、その場合、具体的方法と順序を、大人自身がきちんと整理しておかねばいけない。そして、それを強制でなく、自発的にやれるような、楽しい場面作りも欠くことのできない条件であろう。大きくなれば義務感もあろうが、二、三歳では、やらされることに被害意識があるようでは逆効果である。子どもが、何かできるようになったら、惜しみなくほめてやり、子どもが「とうとうやりとげた」という自信と、充足感を味わわせてやりたいものだ。
(紹介:無藤 隆,2014年12月2日)