投稿日: Sep 19, 2016 5:18:16 AM
論文を書き、投稿するためのマニュアル。2002年刊行でもう既にだいぶ刷りを重ねているようです。
データ収集が終わってさて論文を書くという段階から始まり、投稿し、リジェクトされ、さらに投稿しアクセプトされるまでのリアルな実情に基づいた懇切丁寧な解説助言です。真面目な解説ですが、折に触れての表現が面白い。
著者は東北大学の生態学の先生で、ベガルタ仙台の大ファンらしい。サッカーのチームですね(知らなかった)。いかにそのチームが強いかという話と、それには牛タンが影響するという(もちろん架空の)論文が例として何度も挙がっています。後の例は真面目な生態学の論文ですが。
論文書きの歌なるものが出ていて、アルプス一万尺のメロディーで歌えとあります。例えば、「イントロ大切なーにをやるのか どうしてやるのか明確に ほー!」というのですね。
「リジェクトされても挫けちゃいけない 修正加えて再投稿」の章では、「研究者とは、失恋が仕事のようなものである。」とか、「どこかの大先生に論文を読んでもらったのだと思うことである」とか、「研究者にとって大切なのは、論文を必ずアクセプトさせるという強い意志である。」といった名言が並んでいます。
始めて投稿しようという人はもちろん、何度も出したが、リジェクトされてめげているとか、国際ジャーナルに挑戦しようという人も読むと役立つでしょう。
(紹介:無藤 隆,2015年2月7日)