投稿日: Sep 19, 2016 2:51:37 AM
翻訳が2006年に出ているものなので、わりと新しいものかと思ったら、原著は1982年の刊行でした。旧・東ドイツの研究者のもの。
公式的マルクス主義の型どおりのコメントはあるものの、全体としては、「敬虔主義から啓蒙主義、ロマン主義をへてシェリングの自然哲学やヘーゲルの弁証法体系に至るまでの、あの市民的思考の巨大な精神的自己解放過程が個人の形成過程のなかに認められ、しかもその程度たるや、最後には市民社会・・・の限界を越え出ていくようなライフワークを残すほどのものであった」と要約されているあたりをうまく解説しています。
(紹介:無藤 隆,2015年1月15日)