投稿日: Apr 23, 2018 12:50:52 AM
幼保連携型認定こども園では、幼稚園教諭免許に係る教育実習と保育士資格に係る保育実習の両方が可能です。以下にその法的根拠を解説してみます。法令等は、文章としてはできるだけ一義的になるような(他の解釈ができないような)記述となっていますので、回りくどく感じられるかもしれませんが、頑張って読んでみましょう。
豆知識ですが、法令における規定が意味するところについて、法学的な解釈としてはいくつかの選択肢がありえます。従って、これを具体化するために、あるいは一義的なものとして理解されるように告示や通知等を発出して法令を補います(告示は大臣によるもので法的拘束力を持ち、通知は所管課長による、地方自治法に基づく技術的助言とされています)。それらは実態に合わせて、必要に応じて随時改正されます。
(なお、幼稚園型認定こども園は教育実習のみ、保育所型認定こども園は保育実習のみが可能で、地方裁量型認定こども園はいずれの実習についても対象とはなりません。)
※以下、法令の引用の際の(…)は、詳細な注釈を省略していることを示します。
〇幼保連携型認定こども園について、法的には、「認定こども園法(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律)」第2条の8に、「この法律において、「教育」とは、教育基本法(…)第六条第一項に規定する法律に定める学校(…)において行われる教育」であると規定されています。
幼保連携型認定こども園は、「学校教育法」には位置づけられていませんが、「教育基本法」と「認定こども園法」のこの規定により、学校教育を行う施設として理解することができます。法的に学校であると単純には言えませんが、やや回りくどい理屈を経て学校(学校教育を行う施設)として解釈することが可能になります。そして「教育職員免許法施行規則」において教育実習を行う学校の中に挙げられています。
〇「児童福祉法」では第7条に児童福祉施設として規定されており、「指定保育士養成施設の指定及び運営に関する基準」の「保育実習実施基準」に実習先として明記されています。
〇以上の規定から、幼保連携型認定こども園は、保育実習も教育実習も可能となります。
(執筆:矢藤誠慈郎,2018年4月23日)